トラストバンクは7月26日、「ふるさと納税の利用意向に関する緊急調査」の結果を発表した。調査は7月10日~11日、全国のふるさと納税経験を持つ20歳以上の男女1,074名を対象にインターネットで行われた。

○ふるさと納税経験のある1000人に調査

今年の夏、国内旅行の予定があるかと聞いたところ、ふるさと納税経験者の62.1%が「ある」と回答。旅先で利用できるふるさと納税のお礼品の利用意向を聞くと、「現地でのアクティビティなどの体験チケット」を使いたい人は」56.2%、「旅館・ホテルの宿泊券」は53.8%と半数を超え、「旅先での食事・土産などの支払いで使える電子ポイントや商品券」に関しては66.9%と高い割合となった。

次に、ふるさと納税のルール改正に当たって、10月以降、お礼の品をもらうための寄付額が値上げされたり、同じ寄付額でも内容量が減ったり質が下がったりする可能性がある中で、お礼の品の「還元率」が下がっても利用し続けたいかと質問したところ、60.0%が「はい」と回答し、「いいえ」が11.4%、「分からない・どちらとも言えない」は28.7%だった。

一方、経費として計上される送料がかからないためルール改正の影響を受けづらいと想定される「体験型のふるさと納税のお礼の品」に関心があるかを尋ねると、55.2%が「関心がある」と回答した。

○ルール改正後のふるさと納税は「コト」のお礼の品に注目

同社では、以下のように解説している。

総務省は今年6月、ふるさと納税に関するルール改正を10月から実施すると発表しました。
自治体に対し、ふるさと納税に関する経費は幅広に計上して実態を報告するよう求めるとともに、寄付額全体の5割以下に抑えることも改めて求めています。経費に関するルールを厳格化することで、寄付金のうち本当に地域のために使うことができるお金をしっかりと確保できるようにするのが目的です。

ルール改正によって、自治体間では経費を抑える動きが出てくることが想定され、寄付者にとっては、これまでふるさと納税のお礼の品として主流だった『モノ』のお礼の品を中心に、寄付額が引き上げられたり、お礼の品の分量が減ったり品質が低下したりする可能性があります。

モノのお礼の品では経費として計上される送料がかかる一方、近年ふるさと納税で注目を集めている『コト』のお礼の品である体験チケットや宿泊券、商品券などでは多くの場合に送料がかかりません。そのため、寄付金額に対するお礼の品の価格の割合(還元率)に影響が及びにくいことが想定されます。

ウィズ・コロナで行動制限がなくなった今年、国内の旅行需要は復調傾向で、多くの地域が観光客でにぎわっています。
経済産業省が5月に発表したデータでは、宿泊業と旅行業はコロナ前を上回る水準に回復。インバウンド需要も戻り、改めて日本が持つ魅力に世界中から注目が集まっています。

国内旅行の需要回復とコトのお礼の品は親和性が高く、今後さらに注目が集まる可能性があります。実際に現地に足を運んで利用するものであることから、地域の関係・交流人口の増加に直接寄与し、地元経済を活性化させるための起爆剤ともなります」