病気になりにくいからだを作り、健康寿命をのばしていくためには、やはり食生活に気を配ることがとても大切です。中でも、野菜を意識してたくさん食べることが、必要不可欠。
なぜなら野菜は、抗酸化力や免疫活性力、さらに腸内環境を整える力を高める成分を豊富に含んでいるからです。

本記事では『病気知らずの決め手はやっぱり野菜だった』(森由香子/青春出版社)から抜粋してご紹介。今回のテーマは『トマト』。
○赤い色素のリコピンが強い抗酸化力を発揮

年中出回っていますが、本来は夏野菜のトマト。小さなミニトマトや甘みが強いフルーツトマトなど、さまざまな種類があります。

免疫バランスの調整に欠かせないβ-カロテンと抗酸化力を発揮するビタミンCが豊富な野菜で、特にリコピンが多いことで注目を集めています。

リコピンはトマトの赤い色素で、強力な抗酸化力が認められています。老化や生活習慣病のもとになる活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を抑えて免疫力を整えます。

トマトのすっきりとした酸味はクエン酸やリンゴ酸などの有機酸で、食欲を増進し、胃液の分泌を促します。

また、抗酸化酵素の原料のセレン、亜鉛、銅、マンガンを含み、高血圧の予防や改善効果のあるカリウムも多く含んでいます。
○抗酸化力を高める食べ方

トマトのリコピンは皮に多く含まれています。ビタミンCやグルタミン酸、クエン酸は、果肉よりも種のゼリー部分に多く含まれています。
トマトの抗酸化力を期待するなら、皮をむかずにまるごと食べましょう。また、時間栄養学の観点から、リコピンは朝にとることで吸収率が上がることがわかっています。

さらに、リコピンは油と一緒にとると吸収率が上がります。油にも含まれる抗酸化ビタミンのビタミンEやβ-カロテンも加わり、抗酸化力がいっそうアップします。

また、魚料理と一緒に調理すれば、トマトのクエン酸、リンゴ酸などの酸味が、魚のミネラルの吸収を高めたり、魚の臭みを消してくれたりします。

近年、動脈硬化の抑制効果が確認されているエスクレオサイドAや、ダイエット効果が期待できる13-OXO-ODAなどの新しい健康成分が発見され、いっそう注目されています。
抗酸化力を高める食べ方
○抗酸化力を高める食べ合わせ

にんにく

にんにくの香気成分のジアリルジスルフィドが、リコピンを吸収されやすい形にします。油脂と一緒にとったときのさらに2倍になるという報告があります。

ブロッコリー

β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富で、抗酸化力の高いスルフォラファンも含んでいるブロッコリー。一緒に食べれば抗酸化力がアップします。

オリーブ油

脂溶性のβ-カロテン、リコピンの吸収がよくなります。オリーブ油のβ-カロテン、ビタミンEも加わって、抗酸化力がさらに高まります。




良質なたんぱく質が豊富な卵と、ビタミンCが豊富なトマト。たんぱく質とビタミンCを一緒にとることで、コラーゲンが生成されます。

○『病気知らずの決め手はやっぱり野菜だった』(森由香子/青春出版社)

近年の栄養学や免疫学の研究では、「野菜の力」の科学的な裏づけが、ますます明らかになってきました。たとえば、枝豆やブロッコリーなどに含まれる成分が、長寿分子「NMN」を体内で増やし、細胞の老化を防ぐ働きをすること。抗酸化成分が脳の老化を防ぎ、認知症のリスクを下げること。また、ブロッコリーやキャベツなどに含まれる成分が、糖化やがんの進行を抑える働きを持つこと――。野菜は「栄養補給」だけでなく、「細胞レベルで体を守る食べ物」だとわかってきたのです。本書では、病気になりにくいからだ作りに特に効果的な野菜をピックアップし、それぞれ主な栄養成分とその効果をはじめ、野菜の持つ力を高めるためにもっとも効果的な調理法や、ほかの食品との食べ合わせを紹介しています。
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