天ぷらを揚げた後の天ぷら油の処理、どうしていますか? きちんと始末しないと、火事の原因になってしまうことも。お笑い芸人であり、ラジオパーソナリティーとしても知られるオテンキののり氏の実家は、天ぷら油の不始末が原因で、1回だけ全焼してしまったことがあるそうです。
家族は笑い話にしていたものの、その原因を作ったのり氏のお祖母様はひどく落ち込んでいたそうです。落ち込むお祖母様を励ますために、親戚一同で励ます会を開いたそうなのですが……。

今回はのり氏の著書『死んでも忘れられない話』(ワニブックス)より「実家が全焼したことが1回だけある」というエピソードをお届けします。
○「実家が全焼したことが1回だけある」の巻

ほら、私って実家が全焼したことあるじゃないですか。
(知らないよ!)
1回だけなんですけど。
(1回あれば十分だ)
なかなかパンチのあるエピソードだ。
原因は祖母の「天ぷらの油」の不始末だった。不幸中の幸い、家族はみんな無事で怪我人もいなかった。
家族全員が無事だったのなら、来年には笑い話だろう。
現に実家にいる兄に連絡をした時、
私「もしもしヨシノリだけど」
兄「おう、どうした? 何かあったか?」
私「いや、そっちだろ! 家燃えてるんだから」
2人「ガハハハ」
兄は笑い話にするスピードが早かった。
いや、流石に当日は早過ぎだろ!
でも暗いよりは全然良い。
しかし心配なのは祖母だった。

祖母はひどく落ち込んでいた。

日頃から「火の後始末だけは気をつけろ!」と「耳にクラーケン」が出来るほど口酸っぱく言っていた。
(タコ、デカいな!「耳にタコ」って生き物のタコじゃないから!)
祖母の呼びかけは壮大な「フリ」となってしまった。すでに東京で暮らしていた私は、実家に帰るため事務所に連絡をし事の成り行きを説明した。
マネージャーが凄く心配するので、安心させようと、「みんなには『火事手伝い』(家事手伝い)と言って下さいね♪」と言ったら、「……無理するな」と鬼スベッた。
火事騒動が落ち着いても、相変わらず元気のない祖母。親戚一同で「祖母を励ます会」を開くことになった。運の悪いことに、ズボラな母が幹事をすることに。悪い予感は的中。よりによって「天ぷら屋」を予約していた。まっ、明るさが取り柄の親族なので祖母以外は大盛り上がりだった。
(いや、祖母を励ます会だから)
祖母は食が進まないようだった。
そりゃ、そうだろう。
しかし、天ぷらを残すのはもったいないので、私が食べようと箸を伸ばすと祖母は「海老」だけはしっかり食べていた。ちゃっかりしてる。
その後、ありがたいことに『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)の特番で元気のなくなった祖母を励ます企画をしてもらうことに! まさかの祖母のテレビデビューだった。
祖母は東京に招待され浅草ビューホテルに泊まり、オテンキのコントを見たり、私の引く人力車に乗ったり、また天ぷらを食べたりと楽しそうだった。

(また天ぷら食べさせたのかい!)
祖母に笑顔が戻った。本当に良かった。
母から連絡があり放送をビデオに録画し、近所のおばあちゃん友達に嬉しそうに何度も見せていたらしい。調子に乗って友達に揚げ物を振る舞おうとしたが、それは止められたらしい。

オテンキのり:ラジオ番組のパーソナリティーを中心に幅広い活動を展開中。2001年にお笑いトリオ「オテンキ」を結成。浅草で人力車夫のバイト経験有。


○『死んでも忘れられない話』(ワニブックス)

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