「少し血がついているけど、きっと痔だろう」「排便後にすっきりしない感じが続くけど、気のせいかな」。そんな小さな違和感を見過ごした結果、大腸がんの発見が遅れてしまうケースが少なくありません。


今回のテーマは、「初期の大腸がんで見逃しやすい症状と、早期発見のポイント」です。
初期の大腸がんは「無症状」が多い

中路先生によると、初期の大腸がんでは「痛み」や「強い腹部の違和感」はほとんどありません。がんが腸の内側に小さくできても、通り道をふさぐほどではないことが多いためです。

しかし、まったく何も起きないわけではありません。「便が細くなる・形が変わる」「排便後もすっきりしない」「少量の血が便に混じる」といった、ごくわずかな変化が初期のサインとして現れることがあります。これらは急激ではなく、数か月かけてじわじわ進行することが多いため、日常の中で見過ごされやすい点に注意が必要です。
大腸がんは、貧血やだるさが手がかりになることも

右側の大腸(盲腸~横行結腸)にできるがんは、便の変化などの局所症状が目立ちにくいと、中路先生は指摘します。そのため、「なんとなく疲れやすい」「貧血気味」など、腸の病気とは結びつきにくい全身症状をきっかけに見つかるケースもあるといいます。

中路先生は、こうした症状が女性では「月経の影響」、男性では「年齢による疲れ」と受け止められやすい点を指摘しています。しかし、原因のはっきりしない貧血や倦怠感が続く場合には、大腸がんが背景にある可能性も否定できません。「少し気になる」と感じた段階で医療機関に相談することが、早期発見につながります。

○中路 幸之助(なかじ こうのすけ)

1991年、兵庫医科大学卒業。
兵庫医科大学、獨協医科大学での勤務を経て、1998年に医療法人協和会に入職。2003年より現在まで、医療法人愛晋会 中江病院 内視鏡治療センターにて臨床に従事。専門はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動および論文執筆にも積極的に取り組んでいる。【資格・役職】日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医・学会評議員/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・学術評議員/日本消化管学会 代議員・近畿支部幹事/日本カプセル内視鏡学会 認定医・指導医・代議員/米国内科学会(ACP)上席会員(Fellow)

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