ジョニーは将来的に「日本と米国で選手の橋渡し」役を担いたいという(写真は本人提供)

 日本の独立リーグで10年以上にわたり、選手、指導者として活躍するジョニー・セリス。ベネズエラ出身、米国のマイナー等を経て2012年に来日し、今季は北海道フロンティアリーグ「KAMIKAWA・士別サムライブレイズ」に選手兼ヘッドコーチとして加入した。

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 これまで、日本では主に独立リーグでキャリアを積んできており、2020年には日本ハムで1シーズン、通訳としても活動した。海外出身で米大陸でのプレー経験を持ち、日本野球にも精通するジョニーに、NPBやメジャーで活躍する日本人プレーヤーについて話を聞いた。

「大谷選手はすごくレベルの高いプレーヤーです。昨年はホームラン王を獲得しましたし、メジャーでもトップクラスのパワーを持っていると思います」

 今季よりドジャースに移籍した大谷翔平のスキルや、これまでのパフォーマンスを称えながら、ジョニーは「今後、メジャーを目指す日本の選手も、大谷選手を見て『自分にもできる』と思ってほしい」と語る。また、メジャーでプレーし、活躍するためには強靭なフィジカル、確固たるメンタル以外にも重要なことがあると説明する。

「大谷選手はもちろんすごいのですが、もともと備わっていたポテンシャルに加え、海を渡った後、メジャー流のトレーニングによりフィジカルがさらに鍛えられました。

日本と米国ではプレーの質なども異なる面もある中で、MLBの指導者のもとでトレーニングすることがメジャーで活躍できる要素の一つだと思います」

 今回のインタビューの中では現在、NPBで特に気になる選手を教えてもらった。万波中正(日本ハム)、佐藤輝明(阪神)の名前が挙がり、ジョニーはその両選手とも将来、MLBを目指すことができる素質を持っていると語る。

「万波選手は身体能力など、走・攻・守のポテンシャルが高いです。守備範囲も広く、ゴールデングラブ賞の実績もありますし、バッティングもスキルが高い。近い将来、メジャーへアピールできるのではないでしょうか。また、佐藤輝明選手もバッティングがさらに向上できると感じていますし、パワーもすごい。

両選手とも、間違いなく、ポテンシャルは日本でもトップクラスです」
 
 特に、万波はジョニーが日本ハムの通訳時代から、2軍でのプレーなどを見て将来性を感じていたと振り返り、現在の姿を「当時からイメージしていた」と話す。その上で、今後、両選手をはじめ、メジャーを目指せるだけの若手選手に対し、ジョニーならではの期待の言葉をかけている。

「日本のトップ選手たちには、素晴らしい日本野球のプレースタイルが身についています。そして、米国では現地でのトレーニングなどにより、メジャーのレベルにも通用するフィジカルも得られます。日米両国の野球の特徴をプレーで表現しながら、より大きな舞台で活躍できることを目指して欲しいですし、多くの選手が、『日本野球の力』を世界で発揮してくれることを願っています」

 最後に、自身の今後の夢や目標を聞いた。

「自分は米国やベネズエラなどの海外や、日本でのプレー経験を持っています。

それらの経験を活かし、いずれ、NPBやMLBでの指導者もやってみたいです。また、日本と米国で選手の橋渡しとなる、国際的なスカウトの仕事もやってみたいですね」

 熱心に、日本の野球界への想いを語っていたジョニー・セリス。今後、さらに活躍の場は広がっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]