巻き返しが期待されている松原(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 ジャイアンツを自由契約となり去就が注目されていた筒香嘉智が、古巣のDeNAに5年ぶりに復帰することが4月16日、発表された。筒香の名字にちなんだ「午後2時25分(225)」の粋な計らいにファンからも喜びの声が上がった。

 3年契約で背番号は以前着けていた「25」に決定。18日には本拠地の横浜スタジアムで入団記者会見が行われ、ファンにも無料で公開されるという。

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 一方、獲得を目指していた巨人にとっては残念な結果となった。それでも阿部慎之助監督は筒香の日本球界での活躍を願い、同一球団とあって切磋琢磨する姿勢を示していた。
 
 ただ悪いことばかりではない。開幕前に右翼を予定していた新外国人のルーグネッド・オドーアが2軍での調整を拒否して退団、今回、筒香にも断りを入れられたとあって、在籍している選手にとっては活躍の場がめぐってくるチャンスともなりそうだ。


 
 現在の外野手布陣では開幕戦に3番で出場し、2ランを放つなど存在感を示したベテランの梶谷隆幸が左膝違和感で離脱。一方で若手は躍動した姿を見せている。

 攻撃をけん引しているのがプロ2年目の萩尾匡也とドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔の1、2番コンビだ。左翼を守る萩尾は直近5試合で21打数6安打、打率.286。14日の広島戦では決勝弾を放つ活躍も見せた。右翼を守る佐々木も負けてはいない。

直近5試合18打数6安打で打率.333、盗塁も決めるなど持ち味を発揮している。

 外野の両翼を固める若武者に加わる人材としてひそかに期待されているのは今季がプロ8年目の松原聖弥だ。昨年1軍ノーヒットに終わるも、今春は1軍キャンプに抜擢。オープン戦でも結果を残し、開幕1軍を勝ち取ったが、打撃不振で15日に登録抹消となっていた。開幕後は9試合で打率.154と結果を示せなかった。しかしファーム合流直後となる16日のイースタン・日本ハム戦では7回に勝ち越しの3ランをすぐさま放つなど、やり返す姿勢を見せている。

 育成出身、高い身体能力を誇り、走攻守にすぐれた選手として期待を集める。選手引退時に、自身の背番号「9」を渡した亀井善行氏(現1軍外野守備走塁コーチ)が松原に対して送った「あんたは天才だから。もうちょっとだけ頭を使っていけよ!」という言葉は巨人ファンの間では今でも語り草となっている。

 非凡な才能が認められながら、ボール球を振りすぎるなど選球眼の問題などもあり、いつしか低迷のループに巻きこまれてしまった背番号「59」の背中を再度押したのも阿部監督だった。

 今春のキャンプでは「ショートゴロを打て」と徹底的に逆方向への意識を根付かせて、広角打法を取り戻したことでオープン戦の快進撃につなげさせた。

 しかし開幕後は思ったように結果を示せず、指揮官からは技術面より気持ちの面で前に向かっていく姿勢を求められたとされる。

 走攻守に優れ、守備でも高い技術を誇る松原はセンターラインを固める人材としても浮上が期待される。

 ファ―ムにはほかにも昨年10本塁打をマークした若き大砲候補・秋広優人も控える。

 シーズン序盤とはいえ、巨人は15試合を戦い、9勝5敗1分けで中日を追い2位につけている。不測の事態がありながらも、勝ち星を積み重ねている中、捲土重来を目指すファームの選手たちの頑張りにも目を向けたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]