大谷のベストパートナーともいわれていたが、信頼を裏切った(C)Getty Images

 ドジャース・大谷翔平の元通訳、水原一平容疑者に関して5月8日(日本時間9日)、大谷選手の口座から不正に1700万ドル(約26億5000万円)を送金した銀行詐欺などの罪を認め、有罪答弁の司法取引が成立したと米連邦検察が発表した。

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 司法省が公表した合意書によると、虚偽の納税申告書で410万ドル(約6億4000万円)の所得を申告していなかったこと、ほかにも歯の治療を装って大谷から6万ドル(約930万円)もの大金を二重取りして、だまし取った新たな手法も発覚した。

 中でも”悪質”と注目されているのは、23年9月に歯科治療目的で大谷から6万ドル(約930万円)もの小切手を受け取りながら、自身の口座に預金。その上で治療費用は大谷のデビッドカードで支払ったとされる、いわば二重取りの構図だ。

 さらに今回の事態では違法賭博の支払いをめぐって銀行に大谷に成りすまして電話したことも明らかになっていたが、このたび、その回数が「24回」もかけていたことも明らかに。 

 まるで呼吸するかのように自然に水原容疑者が大谷資金を動かしている様子が伝わってくる衝撃的な事実の数々には、ネット上でも「大谷さんの財布を自分のものとして勘違いしている」「ほかのカードも大丈夫だったかな?」と、改めてギャンブル依存の深刻さやその罪深さを問う声が噴出している。

 23年9月といえば、大谷にとってはメジャー渡米後2度目の右ひじ手術を行った時期と重なる。自身の今後のパフォーマンスに関わる重要な決定をした時期に身近な通訳に"搾取"されていたとなれば、こんなに悲しいこともない。

 同容疑者といえば、大谷がメジャー挑戦時から専属通訳として細かくサポートしたことでも知られる。また4月12日(同13日)にロサンゼルスの裁判所に出頭した際には弁護士を通じて、「大谷本人や家族、球団に謝罪したい」と声明も発表したが、今となってはその言葉もむなしく響くばかり。

 今後は14日(同15日)に罪状認否が行われる予定。銀行詐欺罪と納税詐欺罪の2つの罪により最長で「懲役33年」にもなるが、司法取引により量刑は軽減される見通しとなっている。ほかに大谷から盗んだ1700万ドルの返済、IRS(米内国歳入庁)に100万ドル(約1億5500万円)を追加で納税することも含まれているとされる。

 まさに「虚飾の人生」となってしまった同容疑者は何を語るのか。

改めて注目が高まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]