打撃で絶好調の大谷。彼の投手としての再興プランをマッドンが論じた。

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 大谷翔平(ドジャース)は、新天地で充実の時を過ごしている。

 昨年12月にドジャースと10年7億ドル(約1015億円)の超大型契約を締結した大谷。このプロスポーツ史上最高額のメガディールに、必然的に期待は高まったわけだが、唯一無二の二刀流スターは、圧倒的な成績を残している。

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 5月8日(現地時間)までの日程を終えて、出場38試合で打率.355、11本塁打、27打点、OPS1.103、長打率.678とハイアベレージを記録。打率、長打率、OPSで両リーグトップに君臨している。

 ムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンなどスターが居並ぶドジャースでも、異彩を放つ「打者・大谷」。

投手として昨年9月に右肘側副靭帯にメスを入れ、現在はリハビリに時間を割いているわけだが、打者としての異能さにはメジャーリーグの“恩師”も感嘆している。MLB通算1382勝を挙げているジョー・マッドン氏だ。

 エンゼルスを指揮した時代に大谷の二刀流を確立したマッドン氏は、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の番組「MLB Now」にゲスト出演。そこで「ショウヘイ・オオタニはピッチャーをやらない間に最高のバッターになった。もし、あなたならドジャースの上層部にピッチャーを諦めさせ、ポジションプレーヤーに専念させますか?」と問われた70歳の名伯楽は、「いや、しないよ。それはまだまだ将来的な話だ」とキッパリ。

そして、こう続けている。

「ショウヘイを手に入れるということは殿堂入りを果たす打者と投手の両方を手に入れるということを意味している。だから、ショウヘイが将来的に両方をこなせないと明らかになるまでは私は何もしない。絶対に決断をしなきゃいけない状況になるまでは何もしないよ」

 一方で「投げる回数をセーブさせる可能性はある」と説いたマッドン氏は、エンゼルス時代の大谷の起用法について「監督としては難しくはなかった」と断言。「投手・大谷」の再興プランについても論じている。

「ポストシーズンで投げる可能性はゼロではないと思う。

ドジャースの首脳陣を良く知っているが、彼らも賛成すると思うよ。そうなったらチームはとてもクリエイティブになるからね。でも、過去と同じようにはしたがらないだろう。ショウヘイはDHとして打ち続けるだろうけど、投手として復帰することを敏感に考えていると思う」

 打者として文字通り絶好調の大谷。すでにキャッチボールによる投球練習は再開させており、今シーズン中の登板も囁かれているが、果たして世界が待ち望む日は訪れるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]