日本代表の活躍で大フィーバーが起きているラグビーW杯。開幕ロシア戦に続き、世界ランク2位の優勝候補アイルランド相手にも番狂わせを起こし、2連勝スタートで日本中を熱狂させている。


 A組は全チームが2試合を終え、唯一負けなしの日本(世界ランク8位)は勝ち点9で単独首位。2位は勝ち点6のアイルランド、3位が勝ち点5のスコットランド(世界ランク9位)とサモア(世界ランク15位)。5位がロシア(世界ランク20位)。日本は2位以内での1次リーグ突破に有利な立場ではあるが、まだまだ気は抜けない。アイルランドに次ぐ強豪スコットランド戦を最終戦(10月13日)に残しているためだ。

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4年前の「悪夢」

 4年前の「悪夢」がよみがえる。前回大会、日本は格上の南アフリカを破り、世界に衝撃を与えた。

その4日後、スコットランドに大敗した。最終的に3勝1敗の好成績で3チームが並ぶ形となったが、勝ち点差で南アフリカ(16点)、スコットランド(14点)に及ばなかった日本(12点)は決勝トーナメント進出を逃し、涙をのんだ。

 ラグビーW杯には、負けても勝ち点を獲得できる「ボーナスポイント」という独特のルールがある。サッカーW杯の「勝ち3・引き分け1・負け0」というようなシンプルな形ではなく、得点差やトライ数によって、負けチームも恩恵を受けられるシステムだ。

勝利=勝ち点4
引き分け=勝ち点2
敗戦=勝ち点0
4トライ以上=勝敗にかかわらず勝ち点1
7点差以内で敗戦=勝ち点1

 勝利チームはすべてを満たせば最大勝ち点5を獲得できる。日本は30-10で勝ったロシア戦で4トライを決め「勝ち点5」をゲットした。

アイルランド戦は19-12で勝ったが、1トライだったため「勝ち点4」。アイルランドが日本戦で引き分けを狙えるにもかかわらず、ラストプレーでボールを蹴り出して試合を終わらせたシーンを不思議に思った人も多いかもしれない。アイルランドは残るロシアとサモアに勝つ自信があるため、リスクを冒して引き分けを狙う「勝ち点2」よりも、7点差以内で負ける「勝ち点1」を選んだ。

3勝1敗で3チームが並んだ場合は

 ボーナスポイントは強豪国にとって有利なシステム。たとえ予選で取りこぼすことがあっても、接戦でポイントを獲得しやすいため、上位2チームから漏れる可能性は低い。アイルランドは残り2戦で最大勝ち点5ずつ加算して勝ち点16になれば、自力で2位以内を確保できる。

日本戦でとった試合最終盤のプレーは、「勝ち点1」の重みを熟知した戦略といえるだろう。

 日本有利に見えるA組だが、実際はアイルランドが頭1つ抜けていて、残り1枠を争う混戦。日本がスコットランドに敗れて3勝1敗で3チームが並ぶ可能性もある。4年前も苦杯をなめた因縁のスコットランドが、運命の予選最終戦となる。全部勝つに越したことはないが、アイルランドを破った日本は相手にも十分研究、対策をされる。たとえ負けても「勝ち点1」にこだわった先に、日本ラグビー界悲願のベスト8進出が見えてくるだろう。

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[文/構成:ココカラネクスト編集部]