菅野は丁寧なピッチングを続けている(C)Getty Images

 近鉄OBの佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で占う「シゲキ的球論」。今回は新チームのロッキーズで順調に成績を重ねている菅野智之をクローズアップする。

 今季からロッキーズでプレーする菅野智之が、メジャーの舞台で好投を続けている。

【動画】今季3勝と好調な菅野の投球シーン

 現地4月29日に行われたレッズ戦に先発、6回途中を投げ、4安打無失点と好投、日本人選手トップとなる3勝目をマークした。速球、スプリット、スイーパー、スライダー、カットボールと多彩な変化球を駆使し、円熟味あふれるピッチングで好調レッズ打線を封じた。菅野は今季ここまで3勝1敗、防御率2.84、WHIP1.17と打者天国のロッキーズに在籍しながら、安定したパフォーマンスが光る。

 佐野氏は今季の好調の要因には「もともと経験のあるピッチャー」としながら、「昨年も上下をうまく使おうとしていたが、終盤は疲れから球が甘く入り痛打される場面があった。(ボールが飛ぶ高地の)コロラドを本拠地とするチームに入ったことで、より低めを意識しているのだろう」と分析。

 続けて「低めは振ってくれると分かったはず。フォーシームを意識することでボールの力強さも上がってくる」と今季の菅野はより低めのフォーシームに力を入れているとされる中、相乗効果も生まれているとした。

 また強靭な体も称賛する。昨年もメジャー1年目のオリオールズでチームトップの30試合に先発とタフネスぶりも話題となった。「コンディショニングに関しては長年やっているので、いかに疲労感を後に残さないかも大事になってくる」と、移動も含めハードなメジャーの日程でしっかり自身のルーティンを持っている点も強みになっているとした。

 何より日米で様々な経験を積んだキャリアが結果に生かされている。

「やっぱり菅野に関しては打者との駆け引き、球の出し入れ、いわゆるロケーションですよね。今後はその強弱の使い方に注目したいなとは思います」と佐野氏は期待をかける。

 日米通算150勝に王手をかけた菅野、若い投手が多いロ軍でまさにお手本となるようなピッチングを続けている。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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