高橋はここまで4完封と圧巻投球を続けている(C)産経新聞社

 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回は開幕から快進撃を続けている阪神左腕、高橋遥人をクローズアップする。

【動画】これは打てない…高橋遥人の圧巻の投球シーン

 圧倒的な存在感を放っている。高橋はここまで5試合に先発、4勝0敗、4完封、3連続完封、防御率0.21と異次元投球を続けている。

 佐野氏は左腕の投球について「完全に無双状態というのは見てわかる」と大絶賛する。「絶対的な自信があるから、もう打たれる気がしないんですよね。今の高橋を見ていると、迷いなくどんどん勝負に行っている状態で、完全にバッターが気後れしている」と心技体が揃っていると高く評価した。

 さらに、快投を支えるのが今季からチームに新加入となったベテラン捕手の伏見寅威だが、コンビネーションにおける「テンポの良さ」にも着目する。

 「高橋は『1、2の3』ではなく『1、2、3』の早いテンポで投げるピッチャー。それに合わせて伏見が構えやサインのタイミングを合わせている。どんどん来いと巻き込んでいくテンポに、バッターは気を呑まれてしまう」と、バッテリーの息の合ったリズムも勝利の大きな要因になっているとした。

 さらにストロングポイントとして「ストレートの強さが多分今、日本でトップ3に入るぐらいの強さがあるんじゃないか」と指摘。球持ちが良く打者がベースの上で振り遅れている場面も目立つとあって「セ・リーグには全く今までいないタイプ」と球質の高さを評価した。

 タイプ的には「全盛期の石井一久と匹敵する」とかつてヤクルトを支えた剛腕左腕エースの石井一久氏と匹敵するほどのポテンシャルを持っているとした。

 球界の中でも「高橋遥人は投げられさえすれば…」と長く潜在能力の高さは認められてきた左腕。数々の手術を乗り越えて再びめぐってきた活躍の場。今後も異次元の投球シーンが話題を集めていきそうだ。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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