大谷らを筆頭にスター軍団と化しているドジャース。彼らのようなビッグマーケットチーム有利の現状に球界でメスが入れられるかもしれない(C)Getty Images

 現地時間5月29日、MLB公式サイトは、今年12月1日で失効するメジャーリーグの労使協定に関する特集記事を掲載した。

すでに新労使協定締結へ向けた協議が重ねられる中で、各球団のオーナー陣が支援するMLB側が提案しているのは、サラリーキャップ制度の導入だ。

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「MLBとMLB選手会(MLBPA)は、今年5月12日に、新労使協定締結へ向けた最初の交渉を行った。今回の協議で焦点となったのは、戦力均衡とバランスとなる」

 昨今のメジャーリーグでは、ドジャースやメッツなど、資金力の豊かなビッグマーケットチームと、対照的に予算面で苦しいスモールマーケットチームの格差が拡大している。必然的にビッグマーケットチームが有利となっており、実際にドジャースはここ2年連続でワールドシリーズを制覇しているが、連覇自体が1998年から3連覇をやってのけたヤンキース以来、実に26年ぶりのことだった。

 MLBは総年俸が規定を超えたチームには「ぜいたく税」を課して戦力均衡を目指してきた。だが、近年は、ドジャースに10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)FAで加入した大谷翔平が選択したことでクローズアップされた“後払い方式”などで、経済的な負担軽減が可能になっている。あくまでリーグ全体の発展には戦力均衡が必要不可欠、という理念は米スポーツの根底にあり、機構側は強く改善を求めていく構えだ。

 今回の協議で、MLB側は、年俸総額の上限を2億4530万ドル(約390億6525万円)に設定する案を提示したという。ただ、ドジャースは今季開幕時点でぜいたく税を含めて5億1500万ドル(約820億1632万円)に達しており、このままでは大幅な戦力放出を迫られる。逆に最低年俸のマーリンズはわずか6900万ドル(約109億8859万円)でしかない。

 収入が制限される懸念からサラリーキャップ制に反対するMLBPAとの協議は難航を極めそうな気配だ。ちなみにMLB側がサラリーキャップを提案したのは、1994年以来の出来事。

当時は選手会が7か月半に及ぶストライキを実施し、ワールドシリーズが90年ぶりに中止に追い込まれた。

 MLB公式サイトは、「年俸格差は歴史的なレベルにある。大きな要因の一つはケーブルテレビモデルの崩壊だ」と指摘。ローカル放送局との契約を失ったいくつかの球団は、地元メディア収入が約半分に減少したという。

 また、米4大スポーツの他団体はサラリーキャップ制をすでに設けているが、それらのリーグに比べてMLBは収益の成長が劣ってもいる。2015年以降の収益の年平均成長率は、トップのNBAは10.7%。そこにNFLが7.5%、NHLが6.8%で続き、MLBは2.7%にとどまる。同サイトは「競争バランスが保たれ、機会が平等であると認識されているスポーツほど、強力な収益成長を遂げている」とも訴えた。

 今オフに待つ新労使協定締結の行方はどうなるのか――。前回の2022年は、キャンプ中の3月まで合意がずれ込み、ロックアウトは3か月に及び、シーズン開幕も4月7日となった。

 選手か側が反発を強める今回も紛糾は必至。王朝を築きつつあるドジャースの歩みも、新協定次第でどうなるかは分からない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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