久保はいつもどおりの平常心で2回目のW杯を迎える(C)Etsuko MOTOKAWA

 現地時間6月2日に事前合宿地・モンテレイ入りして以降、練習場や練習時間の変更、キャプテン・遠藤航(リバプール)の2日連続の欠席、吉田麻也(LAギャラクシー)の再合流決定など、事態が刻一刻と変化している日本代表。2026年北中米ワールドカップ(W杯)初戦・オランダ戦(ダラス)まで10日というタイミングで、ここまでの紆余曲折というのは、やはり予想以上というしかない。

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 4日の練習前に取材対応したJFA・山本昌邦技術委員長は「選手たちは落ち着いている」と太鼓判を押したが、今はあらゆる雑音を封じて前向きな方向に進んでいくしかないのだ。

 そういう時に頼りになるのは、39歳・長友佑都(FC東京)らベテラン勢。5日から吉田が加わるのも朗報だが、彼らに頼ってばかりはいられない。20代半ばの中堅世代が率先して雰囲気を明るくし、全員を引っ張っていくくらいの気概を持たなければならない。

 その筆頭と言えるのが、6月4日に25回目の誕生日を迎えた久保建英(レアル・ソシエダ)。10代の頃から「バルサ帰りの少年」と言われ、国内外から注目を浴びてきた神童もサッカーキャリアの折り返し地点と言えるところまでやってきた。

「久保選手の誕生日? いい意味であまり変わらないと思います。あのまんまなんで。裏も表もないし、本当に楽しくやれてます。正直、あんま25って感じはしないですけど。まあ僕も26になるっていうのが信じられないんで(笑)。みんな成長してるんじゃないですか。

25歳というのはサッカー選手としてはターニングポイントの部分もある。ここでみんなでW杯に出るというのは1つ大きいですね」とU-15日本代表時代から10年以上、共闘してきた中村敬斗(スタッド・ランス)も独特な表現で久保のバースデーを祝っていたが、「2026年W杯では自分たちが主役になる」という思いをどこかで抱いているのかもしれない。

 久保自身も2度目の大舞台では日本を勝たせる存在にならなければいけないと強く感じているはず。というのも、4年前の2022年カタールW杯ではドイツ・スペイン戦ではスタメンの座を勝ち取りながら、守備に忙殺され、彼らしいひらめきや創造性を全く出せずに終わった。そしてラウンド16のクロアチア戦はまさかの発熱で欠場。不完全燃焼感ばかりが色濃く残った。

 そこから3年半。彼はいい意味でのエゴを出しつつも、フォア・ザ・チーム精神を出せる選手へと着実に変貌。この日も序盤から声を出してチームを盛り上げ、ゲーム形式の時には嬉々とした様子でボールにアタック。周りとワイワイしながら絡み、明るく前向きな雰囲気を作り上げていた。

「25歳の1年? 欲張らずに、まずはW杯で勝てたらいいかなと思っていて、先のことは見せずにしっかりと、まずはオランダ戦に向かっていい準備をしたいなと思っています」と本人は慎重な物言いをしてみせた。

 言葉の通じるスペイン語圏のメキシコで2度目のW杯に向けた調整ができるのも、彼にとって朗報。

モンテレイにもレアル・ソシエダの遠征で訪れた経験があり、中南米経験の少ない日本代表にとって力強い存在だ。

 南野拓実(モナコ)の背番号8を引き継いだファンタジスタは本当の意味で日本の勝利請負人になれるのか。それはモンテレイ・ナッシュビルでの準備、そして久保自身のマインド次第だ。

[取材·文:元川悦子]

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