国内のファンやジャーナリストに「信じてほしい」と言わんばかりに、持論を訴えたファン・ダイク(C)Getty Images

 己を過大評価しているわけではない。しかし、母国内で吹きすさぶ“逆風”に名手は複雑な心境を漏らしている。

 来る6月14日(現地時間)に、日本代表との北中米ワールドカップ(W杯)初戦を迎えるオランダ代表は、今大会で史上初の世界一を目論んでいる。現役時代に名将ヨハン・クライフを師事した御年63歳の智将ロナルド・クーマンが率いる精鋭軍団は、まさに多士済々。今大会に向けた26名のスカッドを見ても、フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)やフレンキー・デヨング(バルセロナ)、コディ・ガクポ(リバプール)やドニエル・マレン(ローマ)といった欧州トップリーグクラブの主力級が顔を並べている。

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 しかし、2014年のブラジル大会でベスト4に進出して以来、ことW杯では大きな成果を上げられていないオランダに対する評価は予想以上にシビアだ。

 とくに国内では辛辣な見方をする識者は少なくない。元代表戦士で、天才的司令塔として名を馳せたウェズレイ・スナイデル氏は、米スポーツ専門局『ESPN』で「突然、すべてがうまくいくこともある」と前置きした上で、「ただ、ここ5年間、我々の代表は強豪国に1度も勝てていない。だから、ワールドカップを優勝するのはかなり奇跡的なことだ」と皮肉っている。

 後押ししてくれるはずの母国からの厳しい意見は、選手たちにとって想像以上の重圧に変わる。現代表の絶対的支柱であるファン・ダイクは、ニュースサイト『NU.nl』で「あのイングランドとの準決勝で敗れた後に、ミックスゾーンに立っていた時のことは今も忘れてない。僕らは疲れ果てていた」と吐露。2024年のEUROでも敗退時に相当なバッシングに晒された経験を打ち明け、正直な想いを語っている。

「あの時の僕らは敗戦という現実にも打ちのめされたが、何よりも周りのネガティブな雰囲気にも打ちのめされた。

もちろん、時には批判的にならなければならないことは理解している。でも、少しの楽観主義だって助けになるはずなんだ。(批判ばかりの風潮は)もううんざりなんだ」

 さらに「僕は楽観的だ。今大会は本当に素晴らしいものになると信じている」と熱弁を振るった34歳は、こうも訴えかけている。

「ジャーナリストの皆さんが、僕らが長い間、強豪国に勝てていないことを話題にしているのは分かってる。ハッキリ言って、僕になぜ勝てないのかは明確に説明はできない。だけど、ワールドカップという場所でそれを成し遂げること以上に素晴らしいことがあるかい? できれば、最後にワールドカップのトロフィーを腕に抱いていたいよ。そうすれば、オランダ中が、皆で一緒に勝ったことになるでしょ」

 果たして、オランダは国民と一丸になって戦えるのか。いずれにしても、日本とのW杯初戦の出来が、彼らに対する逆風を、追い風に変えられるかの成否を分けそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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