福原遥深田恭子がダブル主演する、ドラマ『18/40(エイティーン/フォーティー)~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系/毎週火曜22時)。その第2話が今夜放送されることに併せ、福原演じる18歳の主人公・有栖の覚悟と魅力に迫る。



【写真】『18/40』第2話 “瞳子”深田恭子、“有栖”福原遥に驚くべき提案をする 場面カット

 TBSでは、毎週火曜よる10時から福原遥&深田恭子のW主演ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』を放送中。福原が演じるのは、キュレーターになるという夢に向かって歩き始めた直後に予期せぬ妊娠が分かる18歳・仲川有栖。そして深田が演じるのはアラフォーで仕事に生きて恋を後回しにしてきたアートスペシャリスト・成瀬瞳子。この2人が年の差を超えた“シスターフッド(=女性の絆)”を築き、それぞれが訳アリ男子と恋に落ちるというラブストーリーだ。

■本作の主人公・有栖はごく普通の18歳の女の子

 高校を卒業したばかりの仲川有栖、18歳。幼いころ、元美術教師でアートが好きな母に連れられて行った「パウル・クレー」展で、名画「セネキオ」に心を奪われたことをきっかけに、アートの世界に魅了されていく。そして彼女はその“好き”を一生の仕事にしようと決めた。進学する大学で美術史を学び、学芸員の資格を取得し、キュレーターになる。それが彼女の抱いた夢だ。無事第一志望の成修大学に合格し、親友との関係も良好。高校の先輩で恋人の麻生康介(八木勇征)との恋も順調! まさに、公私ともに充実した生活を送っている、ティーンエージャーだ。

 第1話で描かれた有栖から感じたのは、将来の目標を持ち、奨学金で大学進学を決めたということで、「しっかり者」や「大人びた女性」という印象があった。
だが、父・市郎(安田顕)との父娘関係から、彼女もちゃんと年齢相応の女の子だということも感じられた。

 アートの楽しさを教えてくれた母・真理(美村里江)は、有栖が11歳のときに他界。以来、消防士である市郎と2人暮らしをしているが、思春期真っ只中の有栖が父に対して“塩対応”している場面が多く描かれていたのだ。たとえば、高校卒業祝いの料理をつくったにもかかわらず、有栖が父に目も合わせず「まだいい」と言って自室に戻るシーンなど。父の心境を想像すると気の毒な気持ちになってしまうほど、有栖の思春期のまだ子どもっぽい部分が丁寧に描かれていた。

■18歳は大人?それとも子ども? 有栖や彼女の親友から導くリアルな声

 第1話から“18歳での妊娠”そして“産む、産まないの選択“という、重い題材を突き付けた本作。その中でも、いまの18歳のリアルな声が丁寧に描かれている。

 卒業式終わりのカラオケボックスでのシーンで、有栖の親友・西村世奈(出口夏希)と根本留依(長澤樹)の会話で「勝手に18を成人にしといて、現実は大人の言うとおりにしろって、結局のところ子ども扱いじゃんね」と呆れる場面が描かれた。また、大学進学を機に一人暮らしを始める有栖を心配する父に対して、「18歳は成人。大人です!」と言い切るシーンもあった。

 日本では2022年4月1日から成人年齢を20歳から18歳に引き下げた。世界に目を向けたとき、「18歳で成年」というのは決して若すぎるということはなく、むしろスタンダードなこと。
だが、リアルな18歳は、法律上の責任は大人と同じようにありながら、”結局、子ども扱いされている”と感じているのだ。特に、学生である彼女たちであれば、なおさら痛感しているに違いない。

■「妊娠、出産、育児」と「夢、目標、仕事」は両立する? しない?

 亡き母の影響で抱いたキュレーターになるという夢に向かって歩き始めようとした有栖。しかし康介との子どもを妊娠したことが分かり、人生の大きな選択を迫られることになる。そのあと彼女にかかわってきた女性たちは、彼女の妊娠を知り、さまざまな角度から意見を投げかけてきた。

 有栖の彼氏・康介の母、由美子(シルビア・グラブ)は、暗に産まない選択を促してきた。そして「まさか、産むなんて言わないわよね!?」「あなたの人生、これからなのよ?」「将来、やりたいことだって何かあるんじゃない?」と問いかけた。そして「子どもを産んで育てると言うことは、それを諦めるということなのよ」とも伝えた。

 また突然の腹痛に有栖が苦しんでいるとき、偶然通りかかった瞳子が連れて行ってくれた産婦人科医の柴崎薫(松本若菜)からは、「産む、産まない、を決められるのはあなただけです。あなたの身体は、あなたものだから」「望まない妊娠だったり、産めない事情があった場合、妊娠を中断することは決して悪いことではありません」「産む選択をした場合は、私たちが全力であなたとあなたの赤ちゃんをサポートし守ります」と言われた。そして有栖を助けた瞳子は「あなた若いから、ママになってもこれから先の人生、いっぱい楽しいことが待っていていいな」と羨ましがった。

 10代の女性が、子どもを産み、育てるということは、どういうことなのだろうか。
中絶を考えていたときに有栖が瞳子に言ったように「子どもを産んだら大学に行けなくなる」「将来の夢もかなわない」「スタートラインにも立てない」のか。産婦人科医・薫が力強く伝えたように、「医師など周囲の協力があればできること」なのか。康介の母が有栖を諭したように、「自分の夢を諦めなくてはできないこと」なのか。それとも瞳子が「私みたいに後悔してウジウジしているくらいなら、世界中敵に回してでも自分の気持ちに嘘をつかないで、自分の生きたい人生を諦めるなってこと」「あなたがそうしたいと思ったら、握力全開にしてすべてを手に入れなさい」というアドバイスが正しいのか。ひとつ確実なことがあるとすれば、薫が言ったように、望まない妊娠や産めない事情がある場合、妊娠を中断することは決して悪いことではないということだけだ。

 さまざまな選択肢がある中で有栖が下したのは、「夢や目標を叶えること」と「妊娠、出産、育児」の両立だった。もちろん、10代でシングルマザーになることへの不安はあるだろう。それでも18歳で大きな人生の選択をし、歩き始めた有栖。

 第2話では、大学の勉強をしながら、お金を貯めようとバイトを掛け持ちし、奮闘する様子が描かれる。人生の大きな岐路で“諦めない”選択をした有栖を、今後も見守っていきたい。

 火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』は、TBS系にて毎週火曜22時放送。

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