10日、映画『少年H』の完成報告会見が都内で行われ、劇中でも夫婦役を演じる水谷豊・伊藤蘭夫妻をはじめ、吉岡竜輝、花田優里音、小栗旬、國村隼、岸部一徳、そして降旗康男監督が登壇した。

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 原作は、妹尾河童初の自伝的長編小説であり、累計340万部を誇る国民的ベストセラー『少年H』。
昭和初期、美しく異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、勇気、信念、愛情をもって生き抜いた「名もなき家族」の愛と真実が描かれる。監督は『あなたへ』の降旗康男。脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ全作を手がける古沢良太。そして、物語の柱となる「少年H」の両親を、実生活でもおしどり夫婦として知られる水谷豊と伊藤蘭が演じる。

 主演で、少年Hの父親役を演じる水谷は「原作ものを映画にしますと、原作ファンにがっかりされることが多いようでして、ましてや大ベストセラーともなりますと尚更だと思います。原作者の妹尾さんがなぜ今まで映像化しなかったかと言うとがっかりしたくなかったからだそうです。でも、最初の試写のときに妹尾さんから『素晴らしかった! ありがとう!』と言っていただいて本当にホッとしました」と安堵の表情で語り、降旗監督も「この映画で、戦争を知らない世代にあんな戦争があったことを知っていただきたい。戦争とははっきりとしたものではなく、忍び寄ってくるものだということを観てほしい。そして、戦争を忘れかけている人にはまた思い出してほしい」と本作にかけた思いを語り、「それ以外にも、とっても魅力的で面白い家族の話になっていますから、こちらも楽しんでもらいたい」と本作をPRした。

 また、先月行われた第35回モスクワ国際映画祭で特別作品賞を受賞した本作。この受賞に対し、水谷は「現地での本上映では場面場面で、皆さんが笑ったり泣いたりと反応してましたし、興奮して話しかけてくれる人もいました。思いが伝わったということが本当に嬉しかったです」と語り、降旗監督も「閉会式で後ろの席に座った人が『少年Hって映画の子役が素晴らしかった』と話していてすごく嬉しかった」と笑顔で喜びを語った。
さらに、うどん屋の兄ちゃん役で出演する小栗は「受賞は嬉しいです。日本ではこういった形で戦争があったということを世界の人たちに知ってもらえることは本当に素晴らしいこと」と話した。

 そしてなにより本作で話題となっているのは水谷・伊藤夫婦の30年ぶりの共演だが、水谷は「この映画を観ている間、実は私たちが本当の夫婦であることを忘れていました。観てくださる方は当然、観る前にあの二人は夫婦だと思って観ると思いますが、観ている間は実の夫婦だということは忘れていただいて、観終わったあとに実の夫婦だと思い出してもらえれば(笑)」と話し、伊藤は「撮影はとても楽しかったです。こんな作品に声をかけていただいた水谷豊さんに感謝します」と夫・水谷を見つめて感謝を述べた。しかし、これに水を差すかのように、近所に住む酒屋・吉村さんを演じる國村は「実は撮影が始まってからしばらく水谷さんと伊藤さんが実の夫婦だということを知りませんでした。なんでみんな30年ぶりの共演と騒ぐのかさっぱりわからなかった(笑)」と衝撃の告白をし、会場は笑いに包まれていた。

 映画『少年H』は8月10日より全国公開。
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