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サンドラをオスカーに導いた映画『しあわせの隠れ場所』も最初はジュリア・ロバーツにオファーがかかったし、古くは『あなたが寝ている間に』もデミ・ムーアのはずだったことを考えると、サンドラはかなり運が良いようだ。
やはり次のオスカーで主演男優部門候補に入るかと言われているのが、ヒュー・ジャックマン主演のサスペンスドラマ『Prisoners(原題)』この企画は、違う監督や俳優で何年も実現が試みられてきたもので、レオナルド・ディカプリオ、マーク・ウォルバーグ、クリスチャン・ベールらが主演するはずだった時期がある。
また、来月北米公開予定のハリウッドリメイク版『オールド・ボーイ』も、もともとはスティーヴン・スピルバーグ監督とウィル・スミスで話が進んでいたのが、スパイク・リー監督、ジョシュ・ブローリン主演で実現したものだ。現段階ではまだ誰も作品を見ていないが、近年、キャリアが絶好調なブローリンなだけに、賞レースで健闘する可能性もあるのではと予測されている。
自分が断った映画が、別の俳優で実現し、大ヒットしたり賞を取ったりするのは、悔しいにしても、ハリウッドでは避けられないこと。良い企画は当然、トップクラスの俳優や女優のもとに集中し、彼らが本気で興味を示しても、スケジュールの関係やら、ほかにもっと良い作品があったなどの理由で結局やめるということは、日常茶飯事だからだ。
また、やっておけばよかったというケースと同じくらい、捨てて良かったというケースも多数存在するのも事実。たとえば今年の夏、北米で失敗作となった『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』には、『ハングオーバー』シリーズのザック・ガリフィアナキスが主演するはずだったが、彼が降板したために、代わりとしてジェフ・ブリッジスが決まっている。映画が当たるかどうかは、業界人がどんなに知恵をしぼっても、予測は不可能。良い時も悪い時も、お互いさまなのだ。(文:猿渡由紀)