【写真】本物の「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」外観と部屋の一部
サラの夫は、オリバー・ウィンチェスター。コネチカット州の大手銃製造会社ウィンチェスター社のオーナーだ。同社のライフルは、西部開拓時代から、さまざまな戦いに使われてきた。夫が亡くなり、サラが会社を引き継いだ時、幹部は彼女の精神状態が会社を経営するにふさわしくないのではと疑い、診断のため、医師エリック(ジェイソン・クラーク)を送り込む。
初めて訪れたエリックが驚くのももっともで、この屋敷は、常識を超えた、とてつもなく大きく、豪華で、同時にちぐはぐな家だった。19世紀の末という時代なのに、この家は7階建てで、エレベーターも3つあるのだ。部屋数はこんなに必要なのかというほどあるが、サラが設計計画をきちんと立てることないままに思いつきで増築を重ねたため、バランスが取れておらず、迷路のよう。2016年には、新たに屋根裏にもうひとつ部屋が見つかったりしているから、持ち主ですら、正確に把握できないほどだったということである。
サラが家の建築工事をやめなかったのは、霊媒師の言葉に従ったからだ。夫の死後、不幸な出来事が続いたのは、自分たちの武器のせいで死んだ人々に呪われているからだと信じたサラは、アメリカ東部から西部に引っ越し、霊のために部屋を建て続けることに決めたのである。1884年に彼女が買った時、その家は、ごく普通の、農園の中にある2階建て一軒家だった。
この家は現在、「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」として、カリフォルニアの歴史建築物に指定され、一般公開されている。65分のツアーでは、160室のうち110室を歩き、上った先に天井しかない階段や、開けたら壁しかないドアなど、へんてこなディテールを見学できるそうだ。敷地内には銃の歴史博物館やアンティーク博物館、ヴィクトリア式の庭園もある。 さらに、昼間のツアーではつまらないという怖いもの好きのためには、ハロウィンのコスチュームイベントや、13日の金曜日ツアーが用意されている。13日の金曜日ツアーは、懐中電灯を手に、暗闇の屋敷を回りつつ、この家で本当に起こったという恐ろしい話の数々を聞けるというもの。今年、13日の金曜日は、7月と9月にある。
映画では部屋の一部を垣間見ることができるが、ぜひ自分の目で本物を見たいと思った人は、この夏休み、日本よりずっと涼しくてさわやかな北カリフォルニアへの旅を計画してはいかがだろうか。ただし、13日の金曜日ツアーは毎回売り切れるということなので、思い立ったらすぐに実行がおすすめだ。(文・猿渡由紀)
映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』は6月29日より全国公開。
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