「政府広報」という機関を知っているだろうか。この機関は国民と政府を結ぶために、政府の広報活動と国民の声を聴く広聴活動を行い、「高齢者詐欺」「飲酒運転」といった社会問題の警鐘や地域活性化のための広報活動などを実施している。

そんな政府広報が今、力を入れている活動のひとつが『地方創生』だ。

 これは、「地方に住む若者が人生の可能性を拡げることを応援する」という取り組みで、地方で働く若者へのインタビューを行ったり、ロンドンブーツ1号2号田村淳やタレントの林修らを、政府制作のテレビ番組に出演させるなど、活発に広報を行っている。

 そんな中、政府広報は吉本興業の「住みます芸人」とコラボレーションし、新しい「地方創生」企画を発表。3月26日にはTwitterの「内閣府政府広報オンライン」というアカウントで、「全国47都道府県の『よしもと住みます芸人』が我が町のあんなところこんなところを紹介!地域の魅力満載のアンケートを、特設ページでご覧下さい!」と宣伝したのだが、この企画に対し、批判が殺到したのだ。

「内閣府政府広報オンラインのツイートでは、いつも1~2件、多くても10件ほどの返信があるのですが、今回のツイートでは、80件ほどの返信があり、その内容は企画を批判する声で、『不愉快』『税金を無駄遣いするくらいなら返してくれ!』という声で大炎上していました」(新聞記者)

 地元の良いところを紹介する企画とあって、地方在住の「住みます芸人」とのコラボレーションは本来の目的に近いように思えるのだが……。炎上の原因について、前出の新聞記者は、こう語る。


「安倍政権批判もありますが、一番多いのは『吉本の売れてない芸人のために税金を使うな!』という声です。たしかに、2011年に開始した『地域密着型プロジェクト』で生まれた『住みます芸人』は、目立った活動はないですからね。そういった声が上がるのもわかります。その上、地域の魅力について『住みます芸人』が紹介しているのですが、『蚊取り線香持参でコンビニ前にタムロするヤンキー』『女子高生からの差し入れがイノシシ肉』といった『それは魅力なのか?』と疑問に思うものがあり、『税金もらってやるなら、まじめにやれ!』といった厳しい声もありました」

 過去にはジビエ料理の普及のために、タレントの藤岡弘、を起用したり、地方の観光地を紹介するインターネット動画に徳光和夫を出演させるなど、企画内容にあった芸能人を選んできた政府広報だが、今回ばかりは失敗してしまったよう。“広報”ばかりではなく“広聴”の方にも力を入れるべきなのかもしれない。