もう中学生(吉本興業公式サイトより)

 5月22日と29日の2週にわたり、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)が行ったのは、「もう中学生 24時間ロングインタビュー」であった。

 24時間ぶっ続けで質問が繰り出され、睡魔や疲労に襲われるインタビュイーたちの姿が見ものな同番組の恒例企画。ジミー大西、鈴木拓(ドランクドラゴン)、ナダル(コロコロチキンペッパーズ)、津田篤宏(ダイアン)など、数々の芸人が名場面を生み出してきた。もう中は、眠気に襲われても果たしてあのキャラクターを貫けるのか? それとも、他の芸人と同じように「チッ、っるせーな」と悪態をつくのか? 腹の底がわからない彼だけに、事の顛末が気になる人選である。あと、“有吉派”のイメージが強いもう中とダウンタウンの絡みも、なにげにめずらしい。

下ネタのイメージがないもう中学生、“性の告白”を連発

 インタビュー当日、姿を現したもう中が爽やかなのだ。マスクを着けていたら市原隼人と間違えてしまいそうな、整った容姿だと思う。

 まず掘り下げるのは、彼の今までの人生。前述のとおり、もう中はよく見るとイケメンだ。しかし、中学時代の彼はまったくモテなかったという。

「でも、女子がノートに文字で『おっぱい』って書いてくれて、しかも赤いボールペンで。あの紙はずっと持ってました。興奮しました、書いてくれて。丸い女子の文字で『おっぱい』だった。『拝める~!』って思いましたね」

 レベルの高いおかずである。もう中に下ネタのイメージがないだけに、微妙なキツさを醸し出す告白だった。しかし、今回のインタビューでもう中は性の告白を予想外に連発したのだ。

 下積み時代のもう中には、アルバイト前に必ず寄る場所があったという。

「ある駅前にアダルトビデオの専門店が4軒あって、パッケージを見に行ってました。(1本)8,000円とか16,000円とか高かったので、パッケージだけ見て覚えたりして。11時半からアルバイトが始まるので、9時ぐらいにその街に行ってアダルトビデオ店を4軒はしごして」

 気になったのは、1本の単価が高いことだ。かなりマニアなAVの価格設定だと推測できる。あと、値段以外にも彼が購入しなかった理由はあるはず。かつて、『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京系)で告白していたが、もう中はAVを見るとその後に罪悪感がこみ上げ、DVDを叩き割ってしまうらしい。だから、最初から買うつもりはなかったのかもしれない。

 ところで、もう中はどんなAVが好みなのだろう?

「僕、女優ものが全然わからなくて、素人さんというか『今日、初めて出ちゃったよ』みたいなのが好きです」

 スタジオでインタビューを見ていた松本人志はシンパシーを覚えたはずだ。以前、同番組の企画『クイズ 松本人志に100の質問』にて、松本は「AV嬢はプロ意識が出たら終わり。アマチュアこそプロ」と発言しているのだ。実は、センスが似ている松本。つまり、もう中は素人もの、企画ものを好むらしい。

「みんなが運動会してるものとか。裸で運動会してるみたいな、一気見できるのが好きでしたね。1対1じゃない、何対何みたいな“一気見系”が好きでした」

 SODの「全裸運動会」のことを指しているのだろう。企画ものといえば、もう中を見ていると、かすかに「しょう太くんのHなイタズラ」シリーズを思い出してしまうのも、我々からすると困りものである。あと、こういう話題になると彼の顔が“エッチな市原隼人”みたいに見えてくるのも戸惑いの原因だ。

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『ガキの使い』もう中学生は“まだ中学生”? 24時間インタビューでサイコ回答連発
『ガキの使い』もう中学生は“まだ中学生”? 24時間インタビューでサイコ回答連発
日刊サイゾー2022.04.12

 いつも、夜12時には寝るというもう中。24時間もインタビューされていたら、次第に睡魔で朦朧とするのは当然。深夜に差し掛かると、彼のタガは外れていった。

――これまで、お付き合いした方はいらっしゃいましたか?
「いらっしゃいます。3~4人くらいですかねえ」
――ファーストキスは何歳でしたか?
「29歳ぐらいですかね、お店屋さんに行きまして。なんか、触ってくれるお店屋さんで」

 まず、ファーストキスの遅さに驚いた。3~4人というのも、年齢のわりには少ない。普通にしていたらモテそうなのに、彼は奥手だったようだ。あと、「触ってくれるお店屋さん」とは何のお店なのだろう? とにかく、もう中はお店屋さんに行ったのだ。

「付き合ったりとかも全然せず、ましてやお笑いを目指して東京に来たので、『彼女は作らずに』って頑張ってたんですけど、29歳のある日に……」
「お店屋さんで初めてのキスをさせていただいて、いっぱいチューしたから唇がこんな厚くなっちゃって。いっぱいチューしました、初めてということもあって」

 遅咲きのもう中。確かに、そのくらいの年齢になると素人だろうがプロだろうが、もうこだわらなくなるのもわかる。ちなみに現在、もう中に彼女はいない。ムラムラしてきたら、彼はどうしているのか?

「毎日、朝に絶対1回、1人でしちゃいますよねえ。毎朝です。起きる時間、準備する時間を逆算して、家を出る時間の1時間20分前行動というか」
――今日もきちっとした行動をされてきたんですか?
「はい。朝、1回してきました」

 もう中は現在39歳。この年齢でマメに毎朝しているのは元気だ。『有吉の壁』(日本テレビ系)で活躍する日も、早朝に彼はしているということ。逆に言うと、毎朝“賢者”になっているから、普段は性欲を感じさせないキャラなのかもしれない。

――そういうときは何かを見たり?
「想像が多いですね。『あんなことあったらいいな』とか。川沿いでチューとか、家に来てくれてペロンとか」
――何をペロンなんですか(笑)?
「なんか、僕のところをペロンと舐めてもらったりとか。『清楚そうだったのに、こんなにベロンとしてくれるんだ』って」

 まるでペロンされてるときみたいな表情で、赤裸々に告白するもう中。「あんなことあったらいいな」って『ドラえもん』じゃないんだから……。もう中学生だけに、妄想頼りな点は“まだ中学生”だし、そもそも彼はキスが好きすぎだと思う。

 あと、この企画に登場する女性インタビュアー(国川恭子さん)が妙に艶めかしいのだ。同企画に挑戦した三四郎・小宮が彼女に欲情していたのも印象深い名場面である。

 今回のロングインタビューでは、もう中のお笑いにまつわる回答も興味深かった。高校時代、もう中は野球部に所属していたという。

「ファーストでした。守備範囲も狭いし、楽そうだなと思って一塁にしたんです」

 しかし、1年の終わり~2年の頭に彼は退部した。

「一塁ベースの前に落とし穴を掘って、相手ランナーが詰まれば完封勝ちできると思って。朝6時くらいに一塁ベースの前に落とし穴を掘り続けたんです」
「キャッチャーのヘルメットにお湯をたっぷり入れたり、『バッチコーイ』って言うのが面倒臭いから、ラジカセに『バッチコーイ』って録音して、それを試合中にずっと回してたりとか」

 しかし、それらの行動が先輩たちの目に止まったため、彼はクビを言い渡された。

「(野球部を辞めて)やりたいこともない、どうしようっていうときにダウンタウンさんが毎週やられているコントが励みになって、ひたすらお笑いをずっと見てました」

 正直、どこまで本当のことを言っているのかわからない。1年でいきなり一塁を守れるとも思えないし、キャッチャーのヘルメットは穴が空いているためお湯は溜まらないはずだ。だが、それ以外の話が本当だとすると、完全に恐怖のエピソードである。しかも、その告白の直後に明かされたのはダウンタウンからの影響だった。確かに、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)のコントを彷彿とさせる、サイコなエピソードである。

 高校卒業後に芸人になり、2008年『ガキの使い』の「山-1グランプリ」で優勝したもう中。当時、彼は24歳だった。要するに、下積みが短い。かなり早めに彼は世へ出られたのだ。

特に、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)がブレイクの足がかりになった印象。だが、次第にもう中の仕事は減少した。2018年には「段ボールネタをやめよう」とさえ思い始めていたらしい。しかし、彼は踏みとどまった。

「その日、ずっと雨が降ってて、段ボールがビシャビシャになって。(中略)そしたら、全身ベージュ姿の人が近付いてきて、『誰かな?』と思ったら、帽子とマスクを取られて『はじめまして、江頭 2:50です』。今までお会いしたこともなかったんですけど、江頭さんがいきなり目の前に現れて『その段ボール、いつも自分で運んでんの? 頑張ってね』って言ってくれて、ギュッと僕に握手してくれて」

 この出会いが励みになった。もう中の再ブレイクの糸口は、2020年8月2日放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)へのゲスト出演と言われているが、それ以前に江頭からも運気をもらっていたのだ。もう中と初めて会ったとき、「もう中学生です」と挨拶されて「隠し子が中学生になってまで挨拶に来たんか!?」と慌てた笑福亭鶴瓶の逸話も語り草だが、それとは違った角度の神エピソードだと思う。

 そんなこんなで、24時間ロングインタビューを完遂したもう中学生。回答の一つひとつが興味深かったし、この企画で最後までキレなかったのも偉い。そんな芸人は、今まで彼だけだ。キャラが崩壊し、逆にキレるところも見たかったのは正直なところだが……。

「24時間ロングインタビュー」で今後見てみたい芸人は、他に誰がいる? パッと思い浮かぶのは、尾形貴弘(パンサー)、長谷川雅紀(錦鯉)、ともしげ(モグライダー)などだ。あと、今回のインタビューでエピソードが紹介された江頭 2:50の登場も、密かに期待したい。