バルト海上空で、緊張の高まりを象徴する動きが続いている。NATO(北大西洋条約機構)によると、2026年4月、同海域でロシア軍機に対する緊急発進(スクランブル)がわずか1週間で4回実施された。
フランス空軍の戦闘機が出動し、情報収集機や戦闘機を含む複数のロシア機を確認・追尾した。 ロシア機の活動は、飛行計画の未提出やトランスポンダー停止といった「非協力的行動」を伴うケースが多く、NATO側は「偶発的衝突のリスクを高める」と警戒を強めている。こうした空域接近は近年増加傾向にあり、2025年にもエストニア領空への侵入を受け、同国がNATO条約4条に基づく協議を要請する事態となった。 こうした一連の動きの背景として、近年急速に指摘されているのが、ロシアと北朝鮮の軍事連携である。 米シンクタンク戦争研究所(ISW)などは、北朝鮮による砲弾供給がロシア軍の火力を大幅に補完し、「攻勢継続能力を回復させた」と分析している。これは単なる補給の問題ではない。ウクライナ戦争を長期的に維持可能にする構造を生んだ点に本質がある。 実際、ロシア軍は消耗を外部供給で補いながら、戦線を維持し続けている。NATOのバルト空域での迎撃増加は、そうした「持久戦体制」が現実の軍事行動として現れた一端とも言える。 NATO首脳は、ロシアと北朝鮮の協力関係を単なる地域問題としてではなく、「欧州とインド太平洋を結びつける脅威」と位置づけている。すなわち、露朝連携は戦場を拡大させるのではなく、異なる戦域を“接続”する作用を持つという認識だ。 この見方は欧州の政策研究機関でも共有されている。
欧州政策センター(EPC)は、ロシアが外部パートナーとの連携によって戦争の持続力を確保することで、「バルト海地域の安全保障リスクが増幅される」と指摘する。 バルト海上空で繰り返される迎撃は、単なる軍事的摩擦ではない。その背後では、ロシアと北朝鮮の連携が戦争の構造そのものを変えつつある。
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