北朝鮮当局が、国家情報局(旧国家保衛省)を中心に幹部に対する「顕微鏡的な動向監視」を大幅に強化していることが分かった。2月の朝鮮労働党第9回大会以降に再編された権力構造を安定させるとともに、幹部らの政策執行能力と忠誠度を集中的に点検する狙いがあるとみられる。
平壌市のデイリーNK内部消息筋が7日までに明らかにしたところによると、党書記局は国家情報局に対し、党・行政機関の幹部全般に対する具体的な動向監視を強化するよう、別途の秘密指示を下した。この指示は4月末に下達され、今月1日から約3カ月間にわたり、大規模な秘密監視が進められる予定だという。 今回の措置は、単なる監視強化の域を超え、第9回党大会後に構築された新たな権力体制を一層強固にする性格が濃いと分析される。 消息筋は「幹部らの実際の政策遂行能力と忠誠心を極限まで試し、その内心に至るまで見極めようという意図だ」とし、「わずかな逸脱も許さないという恐怖政治が、より精密で巧妙な形へと進化している」と説明した。幹部の間では「いまの体制は事実上、『完璧な監獄国家』への突入を宣言したに等しい」との反応が、ひそかに広がっているという。 実際、北朝鮮内部では「もはや一言一句だけでなく、呼吸の音までも国家の情報網に記録される」との言葉が出回るほど、監視への恐怖が充満しているという。従来から高度で多層的な監視体制が存在したものの、当局はそれだけでは不十分と判断し、国家情報局を通じて、より緻密な監視網の構築を進めているとされる。 背景として指摘されるのが、北朝鮮の統治方式が、あらゆる政策決定を金正恩総書記一人に集中させる「超中央集権化」の段階に入ったことである。消息筋によれば、今回の秘密指示には、米国やイスラエルの情報機関のように、現場の分析・監視・情報収集ラインがそれぞれ個別に党中央へ報告を上げる仕組みを整える内容も盛り込まれているという。 情報網が金正恩氏に直接つながる構造へ改編されることで、党、行政、軍、司法、治安、検察、さらには海外部門までを含む全階層の幹部に対する責任追及は一段と厳格化している。消息筋は「この体制が定着すれば、高級幹部から末端幹部まで常時監視と評価にさらされ、継続的な圧力を受けざるを得ない」とし、「幹部社会では恐怖感が急速に拡散している」と語った。
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