デンマークという高度化した福祉国家の徹底した「権力のコスパ」政策 [橘玲の世界投資見聞録]

デンマークという高度化した福祉国家の徹底した「権力のコスパ」政策 [橘玲の世界投資見聞録]
「自分の人生を自由に選択できない社会では、自己責任を問うことはできない」

 おそらくすべてのひとがこの原則に同意するだろう。「奴隷が幸福になれないのは自己責任だ」などというひとは、すくなくともいまのリベラル化した社会には居場所がない。

 だとすれば、論理的にはこの原則を逆にして、「人生を自由に選択できる社会では自己責任を問われることになる」はずだ。

「自己決定権」を最大限重視する北欧の国で「自己責任」はどのようになっているのだろうか。それを知るために参考にしたのが鈴木優美氏の『デンマークの光と影 福祉社会とネオリベラリズム』だ。

[参考記事]
●懲罰的な意味合いの強い日本と違う幸福度世界第3位のデンマークの「自己責任」論

 『デンマークの光と影』は2010年の発売だが、ほとんど知られていない「世界でもっとも幸福な国」の内側を在住者の視点で観察したとても興味深い本なので、今回はいまの日本にとって示唆的な箇所を紹介してみたい。

いまや国家の存在意義は「国民の幸福度を最大化すること」

 デンマークが「世界幸福度ランキング」をはじめとするさまざまな指標で常に上位にいるのは、「西欧中心主義」だとか、自分たち(ヨーロッパ系白人)の価値観を基準にしているからではない(そういう影響もすこしはあるかもしれないが)。北欧の社会制度はやはり「進んでいる」し、それは今後、日本が目指すべきものだということを最初に確認しておこう。

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2018年6月15日の経済記事

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