![デンマークという高度化した福祉国家の徹底した「権力のコスパ」政策 [橘玲の世界投資見聞録]](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDiamond%252FDiamond_172627_1.png,zoom=600,quality=70,type=jpg)
おそらくすべてのひとがこの原則に同意するだろう。「奴隷が幸福になれないのは自己責任だ」などというひとは、すくなくともいまのリベラル化した社会には居場所がない。
だとすれば、論理的にはこの原則を逆にして、「人生を自由に選択できる社会では自己責任を問われることになる」はずだ。
「自己決定権」を最大限重視する北欧の国で「自己責任」はどのようになっているのだろうか。それを知るために参考にしたのが鈴木優美氏の『デンマークの光と影 福祉社会とネオリベラリズム』だ。
[参考記事]
●懲罰的な意味合いの強い日本と違う幸福度世界第3位のデンマークの「自己責任」論
『デンマークの光と影』は2010年の発売だが、ほとんど知られていない「世界でもっとも幸福な国」の内側を在住者の視点で観察したとても興味深い本なので、今回はいまの日本にとって示唆的な箇所を紹介してみたい。
いまや国家の存在意義は「国民の幸福度を最大化すること」 デンマークが「世界幸福度ランキング」をはじめとするさまざまな指標で常に上位にいるのは、「西欧中心主義」だとか、自分たち(ヨーロッパ系白人)の価値観を基準にしているからではない(そういう影響もすこしはあるかもしれないが)。北欧の社会制度はやはり「進んでいる」し、それは今後、日本が目指すべきものだということを最初に確認しておこう。