ロシアへの併合で活気づく「係争地」クリミアは クレジットカードもATMも使えなかった [橘玲の世界投資見聞録]

       

 ここにいたってようやく、容易ならざる事態に陥っていることが理解できた。

 国際的に「係争地」とされているクリミアは経済制裁(sanction)の対象になっていて、国際SIMから携帯のローミング、VISAやMasterのようなクレジットカード、PlusやCirrusなどのATM連携サービスまで、あらゆる「国際的」なサービスが使えないようになっているのだ。

 外貨を両替してもらうことは可能だが、こんなことになるとは想像もしていなかったので、手元にあるのは日本円と人民元(上海トランジットのため)だけだ。親切な彼女はいくつかの銀行に電話してくれたのだが、どこも両替できるのは米ドルかユーロだけだという。

 10年ほど前にロシアを訪れたときは、なにがあるかわらないからと米ドルのキャッシュを用意していた。それをまったく使う機会がなかったので、すっかり油断していたのだ。

 それでもわざわざクリミアまで来たのだから、なにもせずにホテルに1泊して帰るのはあまりに馬鹿馬鹿しい。そこで財布の中の現金をすべてカウンターに並べ、今夜の食事代など1000ルーブル(約1700円)を除いて、「これでなんとかしてくれ」と頼んでみた。彼女はあれこれ計算していたが、その予算内で朝からのツアーと空港への送迎がなんとかできるという。――あとから考えると、かわいそうに思ったらしく、最初の「正規価格」から3割以上もまけてくれたようだ。

 その後、ホテルのスタッフやガイドの話でわかったのだが、ロシア国内の通信会社を使えば携帯での通話もネットもふつうにできるし、ロシアの銀行が発行したカードならATMからの現金引き出しもクレジット決済も可能だという。そのためロシア人の旅行者は、クリミアに来てもなんの不便も感じない。経済制裁によってヒドい目にあうのは、私のような「何も知らない」外国人旅行者だけなのだ。

ダイヤモンド・オンラインの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

「クレジットカード」に関する記事

「クレジットカード」に関する記事をもっと見る

次に読みたい「クレジットカード」の記事

次に読みたい「クレジットカード」の記事をもっと見る

国内ニュース

国内ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2018年8月16日の経済記事

キーワード一覧

このカテゴリーについて

経済、株式、仕事、自動車、金融、消費などビジネスでも役に立つ最新経済情報をお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。