ゴーン逮捕”で注目された役員報酬問題。ビジネスパーソンの皆さんは役員がいったいどれぐらいの報酬を得ているのか気になることだろう。

ビジネスリサーチ・ジャパンは2017年度の売上高トップ100社を発表した。その中でも1億円以上もらう高額年俸の役員はどこの会社が多いのか?また、一番多く報酬をもらっているのはどこの会社の誰なのか?これらをお伝えしたい。(鎌田正文)

年俸1億円以上の経営陣を輩出している
企業は100社中何社あるか?

“ゴーン逮捕”で注目された役員報酬問題。ビジネスパーソンの皆さんは役員がいったいどれくらいの報酬をもらっているか気になることだろう。

 ビジネスリサーチ・ジャパンは2017年度の売上高トップ100社について、上場企業を対象に経営陣(社内取締役ないしは執行役)の年俸を調査した。金額は年度内における支給総額を年度末在籍者数で割って算出している。そうしたことを踏まえてランキングを作成したため、見解によって誤差が生じることはご了解いただきたい(なお、社名の表記は有価証券報告書に合わせているが、編集上、ホールディングスはHD、フィナンシャルグループはFG表記にしている)。

 年俸1億円以上の経営陣を輩出している企業は、100社中何社あるだろうか?2017年度では100社中65社あり、総数は235人。前年度は58社・同209人だったことから、企業数・人数とも増加していることがわかる。

 売上高上位100社の経営陣の平均年俸ランキング(2017年度)のベスト10を見ていくことにしよう。1位は2016年度より大きく増えたファーストリテイリング、2位は武田薬品工業、3位はトヨタ自動車の順だった。その詳細は以下の通りだ。

 売上高がビッグな大企業では、経営トップおよび主要経営陣の年俸は、1億円以上が基準になりつつあるということだろう。

個人的に高額年俸を得ている
経営陣はどこの会社の誰か?

 すべてが現金による支給とは限らないが、個人的に高額年俸を得ている経営陣を見ておこう。高額年俸の経営陣が目立つのは、ソニーソフトバンクグループだ。

 ソニーの平井一夫会長は、16年度9億1400万円が17年度は27億1300万円。ほぼ3倍増だ。同社の吉田憲一郎社長は、4億3400万円から8億9800万円と倍増である。

 ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長は約4億円のダウンの20億1500万円、宮内謙取締役は2億5000万円のアップの8億6800万円。マルセロ・クラウレ(13億8200万円)とラジーブ・ミスラ(12億3400万円)の両副社長は、17年度初登場である。

 武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は10億4800万円から12億1700万円へ増額。トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長は、6億8300万円から10億2600万円へアップである。

 日本を代表する経営トップの孫正義ソフトバンクグループ社長や豊田章男トヨタ自動車社長の年俸は、ソニーの平井一夫会長や主たる外国人経営陣に比べると必ずしも高額とはいえない。孫社長は16年度1億3900万円、17年度1億3700万円。

豊田章男トヨタ自動車社長は3億2200万円、3億8000万円での推移である。ただし、保有する自社株と1株配当金で単純計算すれば、配当総額は孫社長が100億円、豊田社長が10億円。両氏とも自社株配当長者であるため、年俸を抑えているともいえるだろう。

 いかがだろうか。売上高が多い順に並んでいても、億を超える役員、経営陣の数が比例しているわけではないのだ。来年以降、どのように動くのか、機会があればお伝えしたいと思う。

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