業績不振にあえぐ国内半導体産業に、新たな試練が訪れている。
発端となったのは、4月22日に発生した三井化学岩国大竹工場の爆発・火災事故である。死傷者26人が犠牲となり、損傷した近隣家屋が999軒に及んだ甚大な事故であるだけに、原因究明調査に時間を要するのは確実。発生から1ヵ月が経過してもなお、操業開始の見通しは立っていない。
同工場では約20品目の製品が生産されていたが、中でも供給難が懸念されているのが、「メタパラクレゾール」と呼ばれる基礎化学品である。メタパラクレゾールは、半導体の製造工程に不可欠なレジスト材料(拡散工程で使用される感光性樹脂)の原料として用いられているほか、液晶パネルの製造工程向け、汎用向け(石けん、ビタミンE)と用途は幅広い。
事故発生の報に、半導体業界関係者に激震が走った。三井化学のメタパラクレゾール市場全体における世界シェアは2割程度なのだが、半導体用途に限れば世界シェア7~8割を占める世界ナンバーワンの製品であるため、急な代替品調達は難しいからだ。
在庫が払底する「Xデー」に向けて、半導体メーカーの製造現場は混乱している。「代替品を用いた新たなレジスト材料の使用を検討し、半導体供給には支障が出ないと顧客には説明している。だが、間に合うかどうかはわからない」(半導体メーカー幹部)と悲鳴が聞こえてくる。
近年、化学品業界ではドラスチックな再編・合理化が加速しており、「メーカーの得意不得意によって、業界内で素材のすみ分けができており、素材生産が一極集中する傾向にある」(化学品メーカー関係者)。そのため、ひとたび化学品工場で事故が発生すると、納入先に与える影響が広範囲に及ぶリスクが高まっている。
三井化学事故の1ヵ月前には、独化学品メーカー、エボニック・インダストリーズのマール工場でも火災事故が発生した。その影響で、「ポリアミド12」と呼ばれるナイロン樹脂が世界的に不足している。燃料チューブやエアブレーキチューブといった自動車部品、光ファイバー部品などの生産が滞る懸念がいまだ消えていない。
相次ぐ化学品メーカーの事故によって、ただ一つの素材の生産停止が製造業のボトルネックになり得る、という恐怖を見せつけられた。東日本大震災、タイ大洪水という自然災害を経て、国内製造業はサプライチェーン(部品の供給網)の寸断リスクを軽減する取り組みを進めてきた。部品よりもさらに“川上”の素材にまで目配りするリスク管理が求められている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

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