1位はインバウンド関連
今回は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で倒産した企業のデータを使い、「コロナ倒産負債総額ランキング」をお届けする。東京商工リサーチの集計データを基にダイヤモンド編集部が作成した。
倒産は、負債総額1000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。国内で患者が増え出した2月から6月19日午後5時までに195件を確認。金額で100億円を超えたのは2件で、アパレル大手のレナウンがこの中に入っている。もう1社はインバウンド関連の企業だった。
それでは、ランキングを確認していこう。
1位はホテル・リゾート運営受託のWBFホテル&リゾーツ(大阪府)で、負債総額は160億円だった。新型コロナの影響で2月以降は宿泊客のキャンセルが相次いだ。ホテル開設などに必要な多額の資金を銀行借り入れに頼っていたため、金利負担が重かった。資金繰りに行き詰まり、4月27日に民事再生法の適用を申請した。
2位は「ダーバン」や「アクアスキュータム」などのブランドで知られる老舗アパレルのレナウン(東京都)で、負債総額は138億円。2004年に紳士アパレルのダーバンと経営統合した。10年に中国の繊維大手、山東如意科技集団の傘下に入った。
19年12月期は2期連続となる赤字に。山東如意科技集団のグループ会社で売掛金の回収ができなくなり、53億円の貸倒引当金を計上したことが響いた。
同社は百貨店を主な販路としていた。コロナまん延による売り上げの急減は致命傷となった。5月15日に経営破綻に追い込まれた。
3位はゲーム機器販売やアミューズメント施設運営を手掛けるエターナルアミューズメント(東京都)。負債総額は84億円だった。アミューズメント事業を中心に多角化を推進し、19年5月期には過去最高となる売上高68億円を上げた。
しかし、急速な業容拡大で金融債務が膨らんでいたところに、コロナが直撃する格好となった。施設の休業で売り上げが激減し、事業の継続を断念せざるを得なくなった。
負債総額の上位10社中、最も多かった業種はアパレル関連の3社。レナウンのほか、4位のキャスキッドソンジャパン(東京都、鞄・雑貨製品販売)が65億円、9位のシティーヒル(大阪府、婦人服企画販売)が49億円となっている。
ホテル関連は2社だった。WBFホテル&リゾーツのほか、8位のロイヤルオークリゾート(滋賀県)が50億円だった。
このほか10位までの企業を確認しておこう。5位は旭東ホールディングス(大阪府、6位の旭東電気の持ち株会社)で64億円。6位は旭東電気(大阪府、各種漏電遮断器・安全ブレーカー製造)で62億円。7位は有楽商事(群馬県、パチンコホール経営)で55億円。10位はMJG(東京都、接骨院経営)で43億円となっている。
(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)