1位は中華料理チェーンの東天紅
コロナショックで「疑義注記」付きに

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2022【平均年齢30代後半】」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が100人未満の企業は除外している。対象期間は、2021年4月期~22年3月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

 1位は、中華料理レストランを展開する東天紅。平均年収は296.4万円、平均年齢は38.8歳だった。

 東天紅は1961年に開業した老舗であり、本格的な中華料理を振る舞うことで知られる。東京・上野の本店は、不忍池や東京スカイツリーを一望できることでも人気だ。

 だが近年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が低迷。23年2月期の第3四半期決算(22年3~11月)では、売上高こそ前年同期比93.0%増の約26億円に急回復したものの、営業損益は約5億円の赤字(前年同期は約7億円の赤字)、最終損益は約6億円の赤字(前年同期は約5億円の赤字)に沈んでいる。

 決算短信には「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております」との記載もある。経営危機に陥っていることを示す、いわゆる「疑義注記」だ。

 コロナ前の19年2月期の平均年収は396.7万円だったが、業績の悪化に伴い、22年2月期はそこから約100万円も年収がダウンした。

2位は「ホテルオークラ京都」運営企業
3位は福祉系企業で325.6万円

 2位は、「ホテルオークラ京都」などを運営する京都ホテル(平均年収307.4万円、平均年齢37.4歳)。著名なホテルを手掛ける同社もコロナ禍の影響をもろに受け、今は回復途上にある。

 23年3月期の第3四半期決算(22年4~12月)は、売上高が前年同期比68.2%増の約54億円、営業損益は約1億円の赤字(前年同期は約15億円の赤字)、最終損益は1900万円の黒字(前年同期は約3億円の赤字)だった。

 コロナショックから着実に回復しているものの、営業赤字からは脱却できていない状況だ。

 また、同社の平均年収もコロナ前の水準から低下している。19年3月期における平均年収は378.9万円だったが、22年3月期はそこから70万円以上ダウンした。

 3位はサンウェルズ(平均年収325.6万円、平均年齢39.2歳)。石川県金沢市に本社を置く、高齢者向け住宅などを展開する福祉系企業だ。

 4位は人材派遣事業などを手掛けるウイルテック(平均年収340.0万円、平均年齢38.6歳)がランクインした。

 5位のプレステージ・インターナショナル(平均年収344.2万円、平均年齢35.4歳)は、自動車のトラブルが起きた際の応急処置、賃貸住宅の家賃保証、保育事業など、多岐にわたるビジネスを展開している。

 ランキング完全版では、6位以下の全500社の順位と平均年収を掲載している。

 6位以下には、旅行大手のエイチ・アイ・エス、漫画古書などを販売するまんだらけ、紳士服チェーンを運営するコナカや青山商事、回転ずし大手「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトなど、名の知れた企業がランクインしている。

 各社の順位と平均年収はどうなっているのか。ぜひ、確認してみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

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