ジュリア・クインの同名小説シリーズをドラマ化したNetflixの『ブリジャートン家』は英国の摂政時代が舞台となるが、ファッションやヘアスタイルなど、どれほど史実に忠実に再現されているのだろうか?

『ブリジャートン家』のファッションは史実通り?専門家が解説

原作は、摂政時代となる1813~1827年のロンドンが舞台となり、18~19世紀の歴史を専門とするリジー・ロジャース教授が、米Peopleのインタビューで史実と比較して説明している。

ロジャース教授によると、ダフネ&エロイーズ・ブリジャートンとクレシダ・カウパー、ケイト&エドウィナ・シャルマが頻繁に着用する、ハイウエスト部分でスカートに切り替わるエンパイアウエスト・ドレスは、当時のファッションにほぼ忠実だという。キャラクターが身に着けるガウンの生地とデザインは、当時のドレスよりも遥かに精巧だが、形は正確に再現されているとのこと。

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その他には、18世紀初頭に流行したふかふかのスカートを劇中で身に着けているのは、1761年に王位に就いたシャーロット女王だけだが、これも史実的に正しいそうだ。教授は、ハイウエストや半袖、幅が広くて低いネックラインのドレスが流行るなか、シャーロット女王は古いスタイルに固執したと説明している。

対して、史実とドラマにおける大きな違いについては、キャラクターがボネットなどの被り物を身に着けてない点だと指摘。摂政時代に女性は髪の毛を隠すのが適切だとされていたが、劇中で女性キャラクターはあまり帽子などを被っていない。

Netflix『ブリジャートン家』の衣装や舞台美術、どこまで史実に忠実?
『ブリジャートン家』シーズン2

また、社交界デビューしていない女性は髪を下ろし、デビューしている女性は髪をアップにし、キャラクターのヘアスタイルで年齢を区別しているのだそう。また、辛辣なクレシダは尖ったデザインの髪飾りを着けていることが多いが、そのキツい性格をヘアスタイルや小物で表現しており、そういった点は史実とは関係ない。

そして、豪華絢爛で視覚を刺激する舞台美術についてロジャースは、「間違いなく富裕層向けのものでしょう。彼らは色が大好きでした」とコメントしている。19世紀の貴族は社交シーズンになると、豪華な家具や手の込んだ壁紙、美術品、書籍などをよく飾っていたとし、「自分の富や社会的地位を示すために、それらは非常に重要だったのです」と説明している。

Netflix『ブリジャートン家』の衣装や舞台美術、どこまで史実に忠実?
『ブリジャートン家』シーズン1

改めて豪華な衣装や美しい舞台美術に注目したい『ブリジャートン家』はシーズン3前半パートが配信中。後半パートは、6月13日(木)にNetflixで配信開始。(海外ドラマNAVI)