バウムクーヘン。子供時分から大好きなお菓子のひとつだ。

『木こりのこしかけ』『いちごバウムクーヘン』『東京コマツナバウムクーヘン』……最近、空港や高速道路で見かけるバウムクーヘンの数が増えたように思う。ちょっとしたブームになってるんじゃないだろうか。

ところで、お土産にもらったバウムクーヘン、たいていは扇形に真っ直ぐに切って食べる。が、ネット上でちょっと変わった切り方を発見。年輪の真上から、表面だけを斜めにスライスするようにカットしているのだ。こんな切り方は初めて見た。
何だろう。「バウムクーヘンの正しい切り方」について、バウムクーヘンの老舗「ユーハイム」広報担当の木村さんに聞いてみた。
「正式にどう、ということはないのですが、ドイツの喫茶店ではこういう形で出されるんです。(ナイフを)斜めに入れて斜めに出す、すくう感じです」
どうしてこの切り方がよいのか。
「こうすると生地が傷みませんし、年輪の層がきれいに見えるのです」
スーパーで買ってきたバウムクーヘンで試してみた。ちょっと薄く切り過ぎてしまったが、普段よりおいしくなった感じがした。
何となく高級感も漂う。これはなかなかよい。

ところで、小袋入りのバウムクーヘンのように、はじめから扇形にカットされている場合はどうか。友人十数名に聞いたところ、「外の角から食べる」「年輪は意識しない」という意見が多い一方で、「内側(外側)から(手や歯で)はがして食べる」「年輪に垂直に食べる」など、年輪を意識する人も多数。これについても木村さんに聞いてみた。
「楽しく食べて頂ければよいと思います。
私も小さい頃は、はがして食べていました(笑)。でも、きちんと焼いたバウムクーヘンというのは、層がはがれないものなんです。(きれいに)はがれてしまうものは焼き過ぎです」
実は筆者も、内側から歯ではがして食べている。その方が柔らかく感じるからだが、それはバウムクーヘンが焼き過ぎだからのよう。いつも安いの食べてるからなあ……。

最後にちょっとマメ知識。
バウムクーヘンの外側にあるコーティングには、見た目や味を調える目的の他に、乾燥を防ぐ目的があるという。ユーハイムでは、日本の気候に合わせて、コーティングにも工夫を凝らしているそうだ。
「ドイツではフォンダン(ザラザラ感のある溶けた砂糖)のコーティングが多いのですが、湿気の多い日本ではデレッとした感じになってしまいます。そのため、フォンダンの上に更にホワイトチョコをコーティングしています」

季節によって、チョコが溶ける温度まで変えているという。夏は溶けにくいチョコに、冬は普通のチョコにというふうに。今回はいろいろ、勉強になりました。

(R&S)