「不特定多数のリスナーに届く確率は減りましたが、反応がダイレクトに返ってくるようになり、自分たちの手で作ったものが直接届いているという感覚になりました。それまでの違和感は吹っ飛びましたね」

そんな試行錯誤の延長線上に、カセットテープでのリリースがあったそう。

「カセットテープは頭出しができないので、一曲一曲ちゃんと聴くようになりますよね。今の10代の子って曲名をほとんど覚えないし、誰が作詞作曲したのかなんかも興味がないらしく……。僕はなるべくレコーディングからパッケージングまですべての過程に関わるようにしているので、しっかり聴いて細かなところまで知ってほしいという想いも強くて、そのへんをカセットテープに託したいと思ったんです」

制作はかなりのDIYスタイル。まずブランクテープに音源をダビングし、ジャケットのデザインをA4版の厚紙に印刷、テープのインデックスシールもA4版のフリーシートに印刷し、それぞれカット。素材が揃ったところで組み立てていくという作業方式をとっている。パッケージングもひとつひとつホチキスでとめているのだとか。

「全国流通しているときはいろんな人が関わってくれていたので、自分たちの手作りだ、なんて口が裂けても言えませんでした。自分たちだけでやり始めてみたら、手作りじゃないと理想通りにならないことがわかって。業者に頼んだほうが安い場合もあるのですが、今はとにかく好きなように作るということを貫いています」