日本テレビ系列の水10ドラマ「きょうは会社休みます。」(原作:藤村真理)。第4話「こじらせ娘とこじらせ父」は、「彼女の実家訪問回」だ。


30歳女子・花笑(綾瀬はるか)は、9歳下の大学生・田之倉(福士蒼汰)とお付き合い中。合鍵までもらって浮かれる花笑だが、両親に「彼氏を家に連れてこい」と言われてしまいオロオロ。年下であることも大学生であることも言い出せず、当日を迎えてしまう……。
彼氏の家に行くにせよ彼女の家に行くにせよ、なかなか地雷が多い実家訪問。だが田之倉はこんなところでもそつなく振る舞う。

Q.付き合っている彼女(30歳)から「両親に会ってほしい」と言われたとき、さて、どうふるまう?
A.「いいよ。
だってちゃんと挨拶した方が花笑さんも安心でしょ」(パーフェクト!)

Q.いよいよお宅訪問。どんなところに気を付ける?
A.服装はシャツに黒のニットで清楚コーデ。手土産の用意も忘れずに。出されたごはんには「おいしい」と言いましょう!(母の手料理に飢えてる発言、母性本能をくすぐってきてあざとい)

Q.好きなお酒は?
A.「焼酎です」(花笑の父も焼酎好き。田之倉は偶然なのか計算なのかこういうパターンが多い)

Q.彼女の父から「結婚を考えているのか?」と聞かれてしまった。どうする?
A.「大学生なので、まだ結婚は考えておりません。
でも花笑さんとは、真剣です」(非常に罠っぽい問い。はいと即答すると無責任&無謀に見えるし、いいえと答えるとそこで終わってしまう……この返答はベストとは言わないが、ベターなのでは?)

花笑の父のことを「お義父さん」と呼ばないのも好感度が高い。田之倉は圧倒的に不利で肩身が狭い状況下、かなり誠実にふるまえたと言えるだろう。100点とはいえないまでも80点くらいはある。
それでも、そんな田之倉を追い出してしまうのが花笑の父。私だったら娘が福士蒼汰を家に連れてきたらどんな手段を使っても引き留めるが、男親心としてはそうも言ってられないのだろう。

追い出されたあとのふるまいもスマートだ。花笑に対して「ちゃんと事前に説明しておいてよ……」と愚痴ってもおかしくないシチュエーションだが、文句ひとつ言わずくしゃっとした笑顔を見せる。偉すぎる。この笑顔だけで1000点加算したい。

「きょうは会社休みます。」は、ある日いきなり年下のイケメンが自分を好きになってくれるという「ファンタジー」だ。ふつうに考えればうさんくさい。
作中の花笑よろしく「結婚詐欺なのでは?」「騙されている?」という疑問が出かねない。
福士蒼汰の笑顔は、そんな不安をまとめて消し去る。花笑は田之倉を「誠実」と語るが、確かにそう見える。でも行動だけ見てると実はそんなに誠実じゃないぞ!

揉めつつも、父と和解する花笑。両親に見送られて田之倉の家に向かう。おうちデート、からの甘い一夜、そして甘い朝。

乳首はふとんで隠れてうまく見えなかった。余談だが、11月17日の「しゃべくり007」では「今裸にしたいゲスト」として福士蒼汰が出演する。わかる、裸にしたい(物理的に)。

ひとつ気になるのは、田之倉が花笑を好きになった理由が明らかにされていないこと。原作では「え、そこ!?」と思ってしまうような理由なのだが(一応伏せます)、ドラマでは今のところそのような描写はない。
一方、朝尾(玉木宏)のほうは、瞳(仲里依紗)との会話でこう断言している。

「あの年になっても、いまだにまっすぐな恋愛をしているところかな。『彼女』に惚れたっていうよりは、『恋愛中の彼女』に惚れたってとこ」
だからこそ朝尾は、恋のアドバイスだってする。つまり3話の「まだ彼のこと好きなの?」発言は、キューピッドになることに自覚的だったわけで……うーん、報われないぞー!? しかも親会社の買収の影響でCEOもクビになり、もしかしなくても大ピンチです。

12日放送の第5話は、CEOじゃなくなった朝尾の動向と、田之倉をめぐる恋敵の登場が予告されている。「しばらく会うのやめない?」という距離置き宣言が気になるところ。また、ティッシュを裂いたり鼻血を出したり頬をぷくーっと膨らましたりする将来有望の新人・加々美くん(千葉雄大)からも目が離せません。

(青柳美帆子)