
ああ、やっぱり、一子(清水富美加)、問題解決して、退場です。
藍子(常盤貴子)の、
「ふるさとに帰るがに なんかをっちゃ もって帰る必要はないげんよ」
「何者にもならんでも なんももたんでも 帰れるがやふるさとなんじゃないがけ」攻撃。
洋一郎のDVD(こっちが正解!)攻撃で、一子の心はもうゆれゆれ。
都会で自分をすり減らしていても、なくしていなかった純粋な正義感で、出来レースを拒否します。
結果的に、一子のスイーツが買ったとはいえ、いろいろケチがついてしまい、商品化や出版の話もなしに。
希のとこに帰りてえ
追いかけてきた希に、
「希、あんたのこと大っ嫌い。
ほんでも、大好きねん。
こじれ過ぎて自分でもどうしていいかわからん」
「もう帰りてえ。
みんなのとこに。
希のとこに帰りてえ・・・」
と泣き崩れる一子。
洋一郎の胸に飛び込むことはなく(ああ、洋一郎〜)、結局、希が好きなのね。
そこまで強い友情で結ばれていたっけ、このひとたち? と疑問が脳裏をよぎりましたが、もはや疑問を抱き、なんでだろと考えることにも疲れてきたので、よかったね、と思っておきます。こうやって同じパターンを繰り返されることで、ひとは思考停止していくのだろうか。おそろしい。
この作品にこっそり根付く自分中心主義によって、希(土屋太鳳)と、その家族は無敵。なんでも思い通りに進んでいきます。
彼女に巨大な敵(困難)がいないのは、敵は自分自身、自分が何を選ぶかってことだからでしょうか。
今日の、さりげな名場面
応援DVDを見て、じわじわ来る一子を、さらに撮っている洋一郎。
そのカメラ視線に気づいたときの、一子の表情が、かなり自然。これが演技だったらすごいな。
あふれる涙をぬぐっている一子の後ろ姿も目を引く。希の後ろ姿といい、西村Dは後ろ姿がお好きなのかしら、とたわいないことだけ楽しんでおります。
(木俣冬)
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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))