「締切前の深夜、1週間前の余裕こいていた自分を責めるキツネ」「思いつかないし進みもしないキツネ」といったコピーつきの、キツネのイラストを見かけたことはないだろうか? これはTwitterで拡散されていて、多いものは1万件以上リツイートされている。
キュートなキツネまみれになれる『キツネコギツネと…展』

キュートなキツネまみれになれる『キツネコギツネと…展』
tamaさんの描いたキツネのイラストの一例。深夜や明け方の投稿が多いのがなんともリアル……。

ツイート主はイラストやぬいぐるみなどの作品を発表しているクリエイターのtamaさん

なんともいえない味があり、どこか親しみを感じさせるこのキツネは、LINEスタンプ化もされていてそちらも好評だ。
キュートなキツネまみれになれる『キツネコギツネと…展』
LINEスタンプ『キツネとネコ』も好評。使いどきに迷うものもあるが(?)、味のある表情がなんともユニーク。

そしてこのたび、tamaさんの新作グッズ販売に加えて描き下ろしの作品10~20点も展示される『キツネコギツネと…展』の開催が決定。初の単独イベントということで「不安と期待とで胸がいっぱい」というtamaさんに、お話を聞いてみることに。
キュートなキツネまみれになれる『キツネコギツネと…展』
ショッピングがてら作品をチェックできる『キツネコギツネと…展』は新宿マルイアネックス内のショップ「FEWMANY」にて9月11日~23日に開催!

tamaさんがメインで描いているキツネという生きもののどんなところが好きだったり、思い入れがあるのだろうか?
「キツネには神社に祀られるものもいれば人を化かすものもいたり、イヌ科でありながらネコのように瞳孔が縦だったりと二面性があるところが魅力的だと思います。あとは、キツネの仲間は北から南までに広く分布していて、姿形もそれぞれ違うところが面白いですね」

息抜きがてらに始めたツイート


Twitterで拡散されたキツネには“クリエイターあるある”そして“忙しいビジネスマンあるある”的なニュアンスがあり、そこに共感する人が多かったのではないかと思われる。あの作風は、一体どこから生まれたのだろうか。

「元々はキツネをテーマにした『キツネ展』をどこかで開催して欲しかったので、キツネ周知のために始めたんです。
それが製作の息抜きがてらだったので、その時の心情や過去にあったエピソードなどを描いていまして、一種のストレス発散みたいなものでした(笑)」

念願かなってこの「キツネ展」はこの5月に開催され、tamaさんをはじめさまざまなアーティストが参加。その展示を経て今回は、平面のものを中心にした描き下ろし作品を展示するほか、さまざまな新作キツネグッズを展開する。
「グッズはiPhoneケースやスマホタイプのケース(1サイズ2種類ずつ)を販売します。あとはポーチ(3種類)、クリアファイル、ポストカード、ミニカード、缶バッジ(各50点程度)などのほかに、はんこやハンドメイドのブローチも何点か展開する予定です。連休の時期に在庫がマックスになるように予定しています」
キュートなキツネまみれになれる『キツネコギツネと…展』
「キツネコギツネと…展」では、缶バッジ(2個1セット600円税抜)などバリエーションに富んだグッズが展開される(※画像はイメージです)。

tamaさんは、ネコをテーマにした「ニャンフェス2」(※チケットは完売)や、オオカミをテーマにした「オオカミ展」にも参加予定だが、モチーフの生きものを選ぶポイントが気になったので聞いてみたところ、
「基本的に日本にいて毛が生えているもの、その中でも鼻先や耳が尖っている動物、草食よりも肉食を選ぶことが多いです。純粋可愛い系よりも悪巧みしていそうな、小憎たらしくて、でも憎めない感じが強いものを好む傾向がありますね」
とのこと。


今後の野望は“等身大キツネ”を作ること


現在キツネモチーフをはじめとした作品はステーショナリーを中心としたグッズのほか、商品パッケージや雑誌の挿絵などでも見ることが出来るが、そんなtamaさんにズバリ“今後の野望”を聞いてみた。

「やっていないことの方が遥かに多いのですが…そうですね、描いているキツネを立体化してみたいです。パネル、ぬいぐるみ、フィギュア…なんでもいいので、触れる形に。等身大にできたらなお良いなと思います。それを展示でもイベントでも持って行って触って楽しんでもらえるように。家にあるときは門番に」

この等身大キツネ(?)の構想はTwitterでも見られるので、実現される日を楽しみにしたいところ。
『キツネコギツネと…展』に来る人はもちろん、Twitterなどでファンになった人には「キツネを見てくすっと笑っていただいて、そしてキツネという動物について興味を持っていただけますと嬉しいです」と語っていたtamaさん。今後の活躍に注目してほしいクリエイターの一人だ。
(古知屋ジュン)