朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)11月2日(月)放送。第6週「妻の決心、夫の決意」第31話より。
原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出:佐々木善春

31話は、こんな話


惣兵衛(柄本佑)が行方知らずになってしまった。だが、はつ(宮崎あおい/崎の大は立)は子供ができたからか毅然としている。それに比べてあさ(波瑠)は、新次郎(玉木宏)が出歩いていてなかなか帰ってこないことを気に病みながらも、商いのことに夢中になっていた。
横浜に異動になった五代(ディーン・フジオカ)は新政府を辞めて、大阪に戻る決意をする。

新次郎と浄瑠璃


第6週は、3人めの演出家の登板
朝ドラでは「ごちそうさん」「マッサン」、大河ドラマは「平清盛」「八重の桜」などを手がけている佐々木善春。気になるのは、彼が「派遣のオスカル〜少女漫画に愛をこめて」にも参加していること。少女漫画を意識した世界観は「あさが来た」にも若干そういういうところがあるので、親和性があるかなあと。

さて、今週は月曜の朝から新次郎の色気が発揮された。

でもそれは三味線のお師匠・美和(野々すみ花)に対してで、肝心の妻あさには発動しない。もったいない。
あさは色気より商い。お家のためになんとか商いをもり立てようとしている妻の心を新次郎は「嫁さんやのうで男のしゅうと話してるみたいやわ」と理解しない。いや、聡明な新次郎だから、理解はしていてもナットクできないというところか。
夜遊び仲間(?)に、浄瑠璃をやってとリクエストされるが謙遜する新次郎。

大阪で浄瑠璃というと、近松門左衛門が思い浮かぶ。代表作のひとつ「冥途の飛脚」は、養子にいった男が、遊女といい仲になって家業に身が入らないというお話。ちょっとだけ新次郎に近いものを感じなくもない。浄瑠璃のエピソードは、もしや新次郎が美和と・・・?という不安フラグであろうか。

姑問題も気になる


まあ、そんな心配は、はつが、新次郎は「知ってるお人通じて惣兵衛を探している」とあさに報告するので、大丈夫かなあと思いつつ、まだまだ油断禁物?
そこは、母・よの(風吹ジュン)が調査に動き出す。
よのは、「ううちはいけずな姑やあらへんはずや」と皆にアピールしながら、あさのことを「どないに変わりもんであろうと」と余計なひと言も。

いけず過ぎる姑・菊(萬田久子)と差別化される天然過ぎる姑・よのの活躍にも期待したい。
(木俣冬)

木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから