切りすぎた!髪を早く伸ばす栄養素は男女で違う説は本当か、医師に聞いてみた

「前髪が伸びてきたな」と思い、自分でカットしたら明らかに切りすぎたり、美容院で思ったよりに短くなりすぎたりという経験は誰もがあるだろう。そこでできるだけ髪を早く伸ばすために必要な栄養素を毛髪専門の医師に聞いてみた。


また、ちまたに流れる男女で取るべき栄養素が違うという説もついでに教えてもらった。

髪を早く伸ばすために役立つ栄養素は?


今回質問に快く答えてくれたのは、髪の専門医院脇坂クリニック大阪の脇坂長興院長だ。まずは髪を早く伸ばすために役立つ栄養素について聞いてみた。

「髪は皮膚の付属器なので、髪と肌は同じ栄養素を必要とします。つまり、髪を伸ばすためには、肌に良い栄養を摂取すればよいのです。髪も肌も、最も重要なのはタンパク質です。
経口摂取したタンパク質は、アミノ酸のブロックに分解されて吸収され、体内で筋肉や関節腋、皮膚、髪など体を構成するさまざまな『タンパク組織』の材料になります。
また、身体内でのタンパク質の構成には、ビタミン類とミネラルが必要です。特にビタミンB群、亜鉛を積極的に摂取することが勧められます」(脇坂院長)

切りすぎた!髪を早く伸ばす栄養素は男女で違う説は本当か、医師に聞いてみた


つまり、タンパク質、そしてビタミン・ミネラルを摂取するのが良いというわけだ。
タンパク質は、ご存知の通り肉・魚・卵・大豆製品・牛乳・乳製品などに多く含まれる。また、ビタミン・ミネラルが多いのは、野菜や果物、肉・魚、ナッツ類、大豆製品などがある。

男女で摂るべき栄養素が違う?


切りすぎた!髪を早く伸ばす栄養素は男女で違う説は本当か、医師に聞いてみた

ところで、髪を早く伸ばすには、男女で摂取すべき栄養素が異なるという噂を聞いた。男性は亜鉛がよく、女性は大豆イソフラボンがよいなどの説だ。脇坂院長に本当なのか聞いてみた。


「男性も女性も、毛根の構造、髪の構造に違いは無いため、有効な栄養素に違いはありません。亜鉛は髪の成長および頭皮の再生に効果があります。亜鉛を摂取しても男性ホルモンが増えるという根拠は無いのですが、精力的な男性の髪の健康のために重要な役目を果たしていることは間違いありません。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン様作用があり、抜け毛の防止、抜け毛の予防に働きます。女性ホルモンが減ると抜け毛が起きるのです。女性ホルモンは血管の新生に関係しているため、女性ホルモン量が低下すると、毛根への末梢血流の低下につながり、毛根が萎縮し抜け毛が起きやすくなるのです。

もちろん女性ホルモンは、女性らしい体を作るホルモンですから、魅力的な女性であるために大切な役割を果たしています。男女の違いなく亜鉛も大豆イソフラボンも効果的ではあるけれど、男性らしさ、女性らしさのことまで考えて、男性の髪には亜鉛、女性の髪には大豆イソフラボンといわれるのではないでしょうか」(脇坂院長)

男女で摂取すべき食事内容は同じだった。
ただ、男性らしさ、女性らしさを同時に追求するなら、男性は亜鉛、女性は大豆イソフラボンを選ぶといいようだ。


食事で早く伸ばすために気をつけるといいことは?


切りすぎた!髪を早く伸ばす栄養素は男女で違う説は本当か、医師に聞いてみた

他には、髪を早く伸ばすために、食事で気を付けたいことはあるのだろうか。

「万遍なく食べることが大切です。ヒトの体は重要な部位に栄養を送るようにできているので、生命の維持に必ずしも重要でない髪への栄養の配分は後回しにされてしまいます。
したがって、過激なダイエットをすると生命維持に必要な部位にばかりに栄養が行き届くため、毛根が栄養不足に陥りがちになり、抜け毛が増えてしまいます。
髪は毛根で作られているので、毛包部分にしか生きている細胞はありません。皮膚の外に見えている髪は活性を失った細胞の塊なので、栄養を摂っても傷んだ髪の修復はできません。健康な体が無ければ健康な髪は無いのですから、肌に良い栄養をしっかりと摂って、健康な美しい髪を育てましょう」(脇坂先生)

健康で美しい髪づくりのポイントになるのは、栄養素をバランスよくしっかり摂ることで、髪にも栄養が行き届く健康的な状態をキープすることのようだ。

髪を切りすぎたことをきっかけに、こうした髪の健康のことまで考えれば、切られ過ぎた髪そのものも、切られた甲斐があるというものだ。
(石原亜香利)


取材協力
脇坂クリニック大阪 脇坂長興院長
関西地区唯一の髪の専門病院。

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