福利厚生は「社長の顔」入りサンドバッグ  殴ってストレス発散、愚痴の代わりに
社長の似顔絵のついたサンドバッグでストレスを発散する男性社員(c)株式会社 Eyes, JAPAN

近年、福利厚生が充実している企業が多くある。その中でも、福島県会津若松市にある株式会社 Eyes, JAPAN(アイヅジャパン)の福利厚生はちょっと変わっている。
例えば、次のようなものだ。

・社内にあるバーのマスターに愚痴を聞いてもらえる
・サンドバッグがある
・アイスクリームブレイクがある

いずれも日々社員が向き合う不満や悩みのニーズを満たす、社員思いの福利厚生といった印象がある。それぞれの福利厚生を設定した目的と実施効果を株式会社 Eyes, JAPANの担当者が答えてくれた。

●社内Bar(バー)「Bar Matroshuca」
福利厚生は「社長の顔」入りサンドバッグ  殴ってストレス発散、愚痴の代わりに
マスターに愚痴を聞いてもらう社員たち(c)株式会社 Eyes, JAPAN

「社内の一角には、愚痴をこぼせるBarが存在します。ここにはタブレットPCが置かれ、地元のBarのマスターがカクテルを作る映像が流れています。そのマスターに向かって愚痴をこぼせば、なんとなく気持ちがスッキリするのでは?という弊社代表の考えから生まれました。18時以降は、お酒を飲んでもOKです」

●サンドバッグ「SSS(Shacho Sandbag System)」
福利厚生は「社長の顔」入りサンドバッグ  殴ってストレス発散、愚痴の代わりに
社長の似顔絵のついたサンドバッグでストレスを発散する女性社員(c)株式会社 Eyes, JAPAN

「スタッフはストレスが溜まったときに、勤務時間中、いつでもオフィスに吊るされた代表の似顔絵入りのサンドバッグを殴ることができます。
『仕事帰りに飲み屋で上司の愚痴を延々とこぼしているサラリーマンって多いな。気持ちはわかるけれど、空気も悪くなるし、あんまり健康的とはいえない。自分の会社のスタッフにはそれをやって欲しくはない。もし自分に対して愚痴を言いたくなるスタッフがいるとしたら、もっとスカッと気分転換をできる方法はないだろうか?』と弊社代表が考えるうちに、『じゃあ、サンドバッグに社長の顔でも入れたら、みんな面白がって殴り、良いストレス発散になるのではないだろうか?』と思いつき始まりました」
福利厚生は「社長の顔」入りサンドバッグ  殴ってストレス発散、愚痴の代わりに
社長とサンドバッグ(c)株式会社 Eyes, JAPAN


●アイスクリームブレイク
福利厚生は「社長の顔」入りサンドバッグ  殴ってストレス発散、愚痴の代わりに
アイスを食べる社員たち(c)株式会社 Eyes, JAPAN

「飲みニケーションに取って代わるような制度です。アイスが溶けるように、スタッフ間の心の垣根を溶かすために、皆でアイスを食べながら、お互いの仕事についての交流をします」

社員の利用率は?


いずれも興味深いが、気になるのがその利用率だ。社員はどれくらいこれらの福利厚生を利用しているのだろうか。


「一番多く利用されているのは、Bar Matroshucaの『フリーカフェイン制度』です。日中はドリップコーヒーで丁寧にいれた珈琲がよく飲まれています。珈琲を丁寧にいれる過程を眺めることも、仕事合間の集中力が切れたときの気分転換にちょうど良いようです」

次に多いのが、アイスブレイクです。夏の午後、最も気温が上がった頃、スタッフの誰かしらが『暑いなぁ』と言えば、他のスタッフが『アイスブレイクするか!』というような感じで、ほぼ毎日サッと行われています。こちらも、煮詰まったり、集中力が切れたりしたときの気分転換と、スタッフ同士のコミュニケーションにとても良いようです」

「社長サンドバッグシステムは、社長の顔が描いてあるからなのか、実際にグローブをはめて殴っているスタッフはみかけませんが、時々運動がてら利用しているスタッフはみかけます。しかし反響が大きく、他の会社さんでも導入されたいとのことで『販売しているんですか?』と問い合わせをいただいたこともあります」

福利厚生の効果は?


こうした画期的な福利厚生を実施し、どのような効果が得られているのか。

スタッフ同士のコミュニケーションを取る良い時間になっていると感じます。部署が違うと会話も少なくなりがちですが、これらの福利厚生を通して活発的に意見が交換されています。また、1日の多くの時間を過ごす会社で、気分転換をしながら楽しんで仕事に取り組めているとも感じます」

今後、また新しい福利厚生を増やす予定はあるのかと尋ねたところ、「スタッフにとって良い環境を常に考えているので、面白いアイディアやスタッフからの要望が出れば、随時導入していきたい」と語る担当者。次は何が飛び出すのか楽しみだ。


取材協力
株式会社 Eyes, JAPAN
http://www.nowhere.co.jp

(石原亜香利)
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