伊早山菜美(綾瀬はるか)がチャペルアテンダー時代を回想するモノローグがこの日のオープニングとなったが、拳銃片手の乱入者を撃退する際に菜美が見せた脇固めが藤原喜明ばり!
同作ホームページでは「菜美がアクションをしている間に、『#お仕置き』『#奥様は取り扱い注意』のハッシュタグをつけてつぶやいた人の中から抽選でオリジナルグッズをプレゼント」なる連動企画が告知されており、今後は毎週欠かさず綾瀬はるかの肉弾戦を堪能することができそうだ。

夫以外からの愛情を欲する友恵を理解する優里
主婦友の友恵(霧島れいか)宅で開催されたチェロの演奏付きお茶会にお呼ばれした菜美と大原優里(広末涼子)と佐藤京子(本田翼)の3人組。ここで友恵は「大学時代に交際していた“初恋の人”を探してほしい」と菜美たちに依頼する。町内で3人は「探偵みたいなことをしている」という噂が流れていたのだ。
この依頼には理由があり、友恵は医師から余命半年を宣告されたと告白する。こういう時に支えになるのが家族だと思うのだが、優里は友恵に理解を示す。
「恋人に向ける愛情と家族に向ける愛情は質が違うからなあ。たぶん、今の友恵さんに必要なのは女であることを思い出させてくれる存在なのかも」(優里)
当の優里自身が、友人・桂子(宮下今日子)から誘われた合コンに参加してしまっている。これは夫・啓輔(石黒賢)の亭主関白ぶりに憤ったゆえの反動だが、彼女も“恋人に向ける愛情”に飢えているのだろうか?
夫婦の遠距離電話で、お互いからウソが飛び交う
菜美は特殊工作員時代の同僚・小雪(西尾まり)に“初恋の人”の捜索を依頼。結果、この男の現状が判明した。これが、どうにも胡散臭いのだ。なんと5年前に出資法違反で有罪判決を受けており、ここ20年間は住所を転々としている前科持ちだ。
早速、“初恋の人”である幸平(渋川清彦)の元へ行き、友恵が会いたがっていることを伝える菜美。そんな申し出を受けた幸平のリアクションが傑作だ。
「ところでさ、いい話があるんだよ。
あまりに信用できない儲け話を持ちかけ、菜美から金を引っ張ろうとする態度。
一方、菜美の家庭はどうか。福岡へ出張中の夫・勇輝(西島秀俊)が滞在先のホテルから菜美へ電話をかけてきた。
勇輝 今日は何してた?
菜美 昼間は優里さんたちと軽くお茶して、夕方は買い物に行って、夜はずっとあなたからの電話待ってた。
幸平とのことを勇輝に隠す菜美。
2人の会話は続く。
勇輝 こっちは食事が美味しいから、それを楽しみにがんばってるよ。
菜美 今日は何食べたの?
勇輝 鶏鍋。信じられないくらい美味しかったよ。君にも食べさせたかったなあ。
電話中の勇輝が見据える先には、東京の夜景が広がっている。
菜美も勇輝も、ついでに幸平もウソばっかり!
「寂しかった」西島秀俊の言葉をウソ臭く感じる綾瀬はるか
ついに、友恵と幸平が対面する。まずは、友恵が口を開く。
友恵 私の実家から借りたお金のこと、覚えてる?
幸平 ……やっぱり、その話か。忘れたわけじゃねえんだよ。いつか返そうと思って、気付いたら20年経ってた(笑)。
友恵 本当に忘れてなかった?
幸平 本当だよ。この20年、おまえを見返そうと思ってがんばってきたんだ。
幸平の顔を見れば、その言葉にウソはないことは明らかだ。
一方の友恵は、結婚してからずっと“本当”を隠したまま生きてきたと告白する。
「家柄とか住んでる家に見合うような上品な人間でいるために感情を押し殺しながら、血の通った言葉を飲み込んで20年間生きてきた後、病気になって余命を宣告された時、私はすでに死んでることに気付いた」
だが、結婚前の友恵は紛れもなく生きていた。
「あなたとはよくケンカをしたわね。政治のこと、音楽のこと、文学のこと、食べ物のこと。あなたとは全然趣味が合わなかったけど、ケンカをして、仲直りをするのが本当に楽しかった。余命を宣告されてから、そのことばかりを思い出してた。……私、まだ死にたくない。もっと生きていたい!」
友恵は今の夫と離婚し、幸平と一緒になる。“本当”をさらして生きるこれからを選んだのだ。
菜美も優里も京子も“取り繕う人生”を生きている。京子は夫・渉(中尾明慶)の不実を疑いながら見て見ぬふりをしている。優里は夫以外の男に心が傾きつつ、偽りの意味で夫への愛を取り繕う。
そして、菜美。前述の通り、この夫婦は本当のことを明かしていない。
こうなったらそろそろ、菜美と勇輝が取り繕わずに対峙する展開しかないと思うのだが。
(寺西ジャジューカ)
Hulu U-NEXTにて配信中