小室哲哉の会見で話題の「介護疲れ」 過去には最悪の結末を迎えた芸能人も
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会見の模様を見ていて可哀そうな気分になったのは、きっと、筆者だけではないはず。

1月19日、音楽プロデューサーの小室哲哉さん(59)が都内で会見をひらき、引退を表明しました。
18日発売の『週刊文春』で看護師女性との不倫疑惑が報じられたことを受けての決断だったわけですが、「裏切り」「にんにく注射」などと、面白おかしくセンセーショナルに論じられていたところから、たった1日でまさかこのような結末へと至るなんて……。いったい、誰が予想できたでしょうか。

特に注目を集めたのが、小室さんの「ちょっと疲れてしまった」発言。彼が、2011年にくも膜下出血で倒れた愛妻・KEIKO(45)を、6年間にわたって看病していたのは周知の事実です。昨年8月には、小室さんが自身のInstagramでKEIKOさんの歌声を病後初めて公開するなど、回復の兆しを見せているのかとも思われていました。しかし、彼女の病状は想像以上に深刻だったようで、小室さんいわく「大人の女性としての会話のコミュニケーションが日に日にできなくなっていった」とのこと。その事実を、騒動への陳謝と共にしょんぼりボソボソと述べるTKの姿に、時代の寵児としてイケイケだった90年代当時の面影は皆無であり、そのギャップに悲しみを覚えた人も多かったことでしょう。


仕事とパートナーの看病を両立した浅野ゆう子との吉田美和


TKの引退から見えてくるのは、ただでさえ日常的にプレッシャーのかかる芸能仕事を続けながら、難病に苦しむ家族を支えることの難しさです。振り返ってみると、これまでさまざまなタレントがこの難題に挑んできました。
小室さんのようにパートナーをサポートしたのが、女優の浅野ゆう子さんとDREAMS COME TRUEの吉田美和さんです。浅野さんは、交際相手で俳優の田宮五郎さんが、2012年にKEIKOさんと同じくも膜下出血発病後、死去する2014年11月まで仕事の合間を縫って懸命に看病を続けました。
吉田さんは2007年に、内縁の夫(同年死去)の病室とコンサート会場を往復するというほとんど不眠不休の状態で、全国ツアーをやりきったといいます。どちらも、仕事もパートナーのケアもしっかりとやり遂げた鉄人です。



生放送中に緊急搬送された小林麻耶


逆に心労・疲労で倒れてしまったのが、昨年6月に亡くなった小林麻央さんの姉で、フリーアナウンサーの小林麻耶さん。2016年5月『バイキング』(フジテレビ系)の生放送中に緊急搬送された麻耶さんは、倒れたその日ぶるぶると震えながら「まおちゃん ごめん。助けられなくて まおちゃんごめん。でも もう大丈夫。私が救うから」と叫んでいたそう。相当、追い詰められていたことがうかがえます。


ストレスで万引き、自殺した事例も


追い詰められた末に悪事を働いてしまったタレントもいて、それが、定番デュエット曲『3年目の浮気』のヒロシ&キーボーのキーボーこと山田喜代子さんです。2016年7月、キーボーはコンビニで化粧品1600円相当を万引きしたとして逮捕。その前年、2015年1月に放送された『爆報THEフライデー』(TBS系)では、脳梗塞で半身不随になった母と認知症で暴力を振るうようになった父の世話をしている模様が伝えられており、このことから「W介護のストレスが犯行の原因なのでは」と言われています。

介護疲れの果てに最悪の結末を迎えてしまったのが、欽ちゃんファミリーの一員だった清水由貴子さん。2009年4月、父の墓前に跪いた清水さんは、硫化水素を吸い込んで自殺。すぐそばには、車いすに座った高齢で認知症の母親がいたそうです。清水さんは2007年よりこの母の介護目的で芸能活動を引退しており、一人で責任を抱え込んだための悲劇だったと言われています。


このように、艱難辛苦を抱えながら、家族の介護・看護にあたった経験のある芸能人というのは、意外と多いものです。先述の会見で、「この5年、6年、男性としての能力がなかった」とも語った小室さん。かつて67歳で亡くなった妻を介護していたジャーナリストの田原総一朗さんは、『フライデー』2012年12月21日号の介護特集が組まれた際、こんなことを言っています。

「妻を裸にして、抱きかかえて湯船に入れる―――。セックスとは違いますが、肌と肌が触れ合うこの作業を通じて、介護とは老後の愛の形だと感じました」

TKも今年で還暦。騒がしい芸能界から距離を置き、静かに妻との「老後の愛」を育んでもらいたいものです。
(こじへい)


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