ポケモンGOが、ブームから日常になって久しい昨今。幼少期、ゲームボーイ版の初代ポケモンにはあれだけ夢中になれたのに、イマイチ「GO」には乗り切れず、Facebookアカウントとのリンク対応ができるようになっただとか、どこどこでフシギダネ・ミニリュウが大量発生しただとか、そういったどこからともなく聞こえてくる最新情報を、ただただ右から左へと流してしまう少年の心を忘れた大人は、きっと、筆者だけではないことでしょう。
90年代後半、小学生はみんなポケモンに夢中だった
思えば、90年代後半頃の小学生(特に男子)は、ほとんど不可避的にポケモンにハマっていきました。それは、広域に仕掛けられたメディアミックス展開が奏功した結果といえるでしょう。ある人は、最盛期に視聴率15%を優に超えていたアニメ版から、ある人はアメリカで週間興行ランキング第1位を獲得した『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から、またある人は友人・きょうだいの口コミから、「ポケモン沼」に片足を突っ込み、いつの間にか抜けられなくなっていったのです。
一度聴いたら忘れない『ポケモン言えるかな?』
こうした「ポケモンへの最初の入り口」として、とかく大きな効力を発揮したのが、180万枚を超える大ヒットを記録したアニメ版ポケットモンスターの主題歌『めざせポケモンマスター』に収録された佳曲『ポケモン言えるかな?』です。
「ピカチュウ・カイリュー・ヤドラン・ピジョン・コダック・コラッタ・ズバット・ギャロップ・サンダース・メノクラゲ!パウワウ・カラカラ…」と、ポケモン150匹の名前(ミュウは直接的に登場しない)を永遠と続けて歌うだけの楽曲なのですが、そのインパクト・耳なじみの良さは抜群。一度聴いたら何度も頭の中でリフレインしてしまう、啓蒙ソングの傑作と言っても過言ではありません。当時、この歌をいかに途切れずに完走できるかが、小学生男子のステータスになっていたものです。
謎の歌い手・イマクニ?が、『ポケモン言えるかな?』を歌うことになった経緯とは?
この時の流行歌『ポケモン言えるかな?』を唄っていたのは、「イマクニ?」という人物。同楽曲のプロモーションビデオにおいて、全身黒タイツ姿でリズムに合わせて踊り、コロコロコミックの付録用ポケモンカードとしても登場(ちなみにカードの効果は「自分のバトルポケモンをこんらんにする」という使い勝手最悪なもの)した彼の正体は長らく謎とされていました。
そんなイマクニ?の正体、及び『ポケモン言えるかな?』を歌うことになった経緯が、近年明らかになっています。それは2016年11月に放送された、『おはスタ』の深夜版『OHA OHA アニキ』(テレビ東京系)でのこと。ポケモン特集回に登場したイマクニ?によると、当時、ポケモンのグラフィックデザイナーだった彼は、先輩からの指示で会社の花見を盛り上げるように言われ、持ち前の人当たりの良さ・キャラの良さを活かして、見事にこれを達成。この活躍によって社内の人気者となったイマクニ?は、当時製作中だったポケモン関連楽曲の仮歌担当に抜擢。それこそが『ポケモン言えるかな?』であり、なぜか歌手によるレコーディングは行われず、仮歌のままリリースされたというわけです。
現在はポケモンカード関連のイベントに出没
では現在、イマクニ?は何をしているのかというと、主にポケモンカード関連のイベントに出没しているといいます。最近でも、ポケモンカード20周年記者会見に、小林幸子・おはスタ初代出演者・レイモンドそしてイマクニ?という組み合わせで記者会見を開いていました。公式ツイッターもやっており、かなりの頻度で更新しているので(ほとんどポケモンカード関連のネタばかりですが)、気になる方は覗いてみるといいでしょう。
(こじへい)