山尾志桜里と聞くと何を思い浮かべるだろうか? 「保育園落ちた」の待機児童問題だろうか? いや、多くの人は不倫疑惑を思い出すだろう。
国会議員としてスピード出世した山尾は、スキャンダルで一気に追い詰められた。山尾に一体何があったのだろうか、そして今はどんな活動をしているのだろうか。
山尾志桜里につきまとう不倫疑惑 華やかな経歴も抱える訴訟リスク
画像は山尾志桜里ホームページのスクリーンショット


山尾志桜里とは?


国会議員となるまで山尾はどのような生活を送っていたのだろうか。まずはそこから確認しよう。

生年月日や出身地


生年月日:1974年7月24日
出身地:宮城県仙台市
選挙区:愛知7区

仙台出身だが、父親が大学医学部に合格したことをきっかけに、小学校からは東京で暮らしている。
東京学芸大学付属大泉中学校、付属高校に進学し、東京大学文科一類に合格。法学部を卒業した後に司法試験に合格し、検察官となった。まさにエリートだ。

子どもの頃はミュージカルで初代『アニー』


山尾志桜里の代名詞といえば、ミュージカル『アニー』だ。
オーディションを突破した山尾は、1986年に『アニー』で初代のアニー役を務めた。アニーはダブルキャストで、もう一人はアントニオ猪木の娘、猪木寛子である。山尾は翌年、中学1年生のときにも続けてアニーを演じている。
2010年にはアニー25周年のイベントにも出演している。
山尾志桜里につきまとう不倫疑惑 華やかな経歴も抱える訴訟リスク
画像は2010年「アニー」公式サイトのスクリーンショット


夫は一時ライブドアの役員も


山尾の夫はIT企業の社長を務める山尾恭生氏。山尾とは年齢も、東大出身という点も同じだ。二人の間には2011年1月に男児が誕生している。

恭生氏は大学卒業後に立ち上げたIT企業をIT大手ライブドアに売却。ライブドアの役員となると、当時社長だった堀江貴文氏の側近も務めたという。
だがその後、堀江氏が証券取引法違反の疑いで逮捕されるライブドア事件が発生。
恭生氏もライブドアを去り、現在はIT関連会社の代表を務めている。だが債権者とのトラブルも起きているようだ。


山尾志桜里の議員初当選から政調会長抜てきまで


検察官となった山尾だが、今度は国会議員に転身することになった。しかも出身地でもない、愛知からだ。

東大→検察官→民主党から初当選


2004年に検察官として東京地検に着任した山尾は、その後千葉地検、名古屋地検岡崎支部へと異動していく。
転機となったのは名古屋地検にいた2007年のこと。民主党が募集した愛知7区の候補者に応募したのだ。山尾は候補者として選ばれると、12月に検察官を退官。当時民主党の代表だった小沢一朗氏は全国で女性候補者を募っており、山尾もその「小沢ガールズ」の一人として注目された。
そして2009年8月、衆議院議員選挙で民主党公認候補として初当選した。

「保育園落ちた日本死ね」を取り上げ有名に


無事初当選を果たした山尾だが、2012年の衆院選では落選。苦汁をなめることになった。だが次の2014年の衆院選では無事返り咲いた。
そんな山尾は2016年2月に国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログを取り上げたことがきっかけに、一気に注目を集める。
待機児童問題はその後大きな運動へと発展し、山尾は「保育園落ちた日本死ね」のワードで2016年の流行語大賞トップ10を受賞している。

民進党では政調会長にも抜てき


待機児童問題が騒がれている最中の2016年3月、民進党が結党されると、山尾はその知名度などから政務調査会長に大抜てきされた。当選回数わずか2回。政治経験が少ない国会議員としては、異例のスピード出世だった。


山尾志桜里と倉持麟太郎弁護士とのダブル不倫疑惑


政治家として順風満帆にも見えた山尾だが、それは長く続かなかった。自身の政治資金問題、そして不倫疑惑で今度は窮地に追い込まれたのだ。

異常に高いガソリン代、政治資金問題で窮地に


民進党の政調会長に就任したわずか4日後、『週刊新潮』が山尾の政治資金問題を報じた。
山尾の資金管理団体が、法律で定められた上限を超えた個人寄付を、収支報告書に記載しているとなどと指摘されたのだ。
特に騒がれたのが、代表を務める民主党支部の異常に高いガソリン代。2012年分として、なんと約230万円が計上されていたのだ。
この問題について山尾は、寄付は「事実上の誤りですでに訂正した」と釈明。ガソリン代については、秘書の不正請求の疑いが強いと説明した。秘書は不正を認めて全額を弁済している。

文春砲で倉持麟太郎と食事、ホテル密会の様子を取り上げられる


議員辞職を逃れ、政治資金問題をなんとかやり過ごした山尾。その後は復活し、2017年9月には民進党の幹事長に内定した。ところがまたもスキャンダルに見舞われる。

今度は『週刊文春』が、山尾と倉持麟太郎弁護士の不倫疑惑を報じたのだ。
倉持氏は憲法問題に詳しい弁護士として知られており、テレビのコメンテーターなどとして活躍する若手・イケメン弁護士だ。1983年生まれで山尾より9歳年下、しかも妻子もちだ。
倉持氏は山尾の政策ブレーンとして、憲法問題をはじめ、共謀罪や雇用問題などで政策立案などのサポートをしていた。

文春によると二人は週4回密会。恵比寿のイタリアンレストランでしたり、山尾が倉持氏の車に同乗したりするなど親密な様子だったという。また周囲を警戒しながら、ホテルやマンションで一緒に過ごしたという。

「男女の関係はない」メディア対応に批判も


この問題により山尾の幹事長就任の話は白紙に。そしてその後すぐ、山尾は民進党を離党した。
山尾は記者会見で「ホテルには一人で宿泊した」「男女の関係ではない」と不倫を否定。あくまで打ち合わせなど仕事上の関係であると主張した。
一方で記者からの質疑は受け付けず、一方的に会見を打ち切るなどしたことで不評を買い、問題はさらに炎上した。


山尾志桜里の現在とは? 抱える裁判リスク


スキャンダル、そして離党により山尾の政治生命には黄色信号が灯った。その後の選挙では辛くも当選したが、裁判など今も厳しい状況が続いている。

2017年にギリギリで再選


民進党を離党した山尾は2017年、無所属で衆院選に出馬。834票差という僅差で自民党候補に勝利し、当選。12月には立憲民主党に入党した。

倉持氏を政策顧問に迎え大ブーイング


なんとか3選を果たした山尾は、世間が予想だにしていなかった行動にでる。
不倫疑惑の相手である倉持氏を、自身の政策顧問に迎えたのだ。その理由について山尾は、以下のように説明している。
「改憲議論に真っ向から向き合って首相案をはねのけるためには、今後も倉持氏からサポートを受ける必要があると判断した。むき出しの好奇心になど屈しない」
カナロコ

やましいことはないので問題は無い、ということだろうが、疑問や批判の声が非常に多かったことも事実だ。

倉持氏は離婚、元妻による裁判の可能性も


一方の倉持氏は不倫報道後の2017年11月、子どもの親権を倉持氏が持つ形で離婚した。元妻は2018年3月、週刊文春に山尾に対する怒りを語り、慰謝料を求めて提訴するとした。だが元妻の代理人である弁護士は4月にブログで「代理人がついて、適切に交渉中」としており、今のところ裁判にはなっていないようだ。だが状況次第で裁判に発展する可能性もある。

また一方で別の訴訟が起きている。
山尾の夫である恭生氏に700万円を貸しているという債権者が、恭生氏には返済能力がないため「山尾と倉持氏の不倫の慰謝料」を恭生氏ではなく債権者に支払うよう訴えたのだ。ただこれに関しては、そのような構図で請求ができるのかという疑問の声もあがっている。

当の山尾は漫画家の小林よしのり氏とともに憲法問題イベントに参加、倉持氏とも雑誌で座談会を行ったほか本を出版するなど、精力的に活動を続けている。



まとめ


若手のホープだった山尾。スキャンダルで転落した後、息を吹き返しつつあるが、不倫疑惑の影はすぐ後ろをついて回っている。
たとえ本当に何もなかったとしても、一度ついたイメージを払拭するのは簡単ではない。それを打ち消すほどの何かができるか、山尾次第となりそうだ。