19日、六本木ヒルズでAmazon Prime Video『HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE(フリーズ)』の配信を記念した記者発表会が行われ、松本人志はじめ出演者が登壇した。

松本人志 『ドキュメンタル』の次に何があるだろう?って考えたときに、もっともっと削ぎ落としたら、残ったのがコレになったんですよね。


『ドキュメンタル』は10人の芸人がお互いを笑わせた。今回の『フリーズ』は芸人じゃなくても戦える。なにせルールは「動かないこと」なのだ。
松本人志の「王様の遊び」動かないバトルに出演者ボロボロ「フリーズ」始動、阿鼻叫喚レポ
(前列左から)鈴木奈々、ダイアモンド☆ユカイ、松本人志、諸星和己、岩尾望(フットボールアワー)(後列左から)クロちゃん(安田大サーカス)、ボビー・オロゴン、しずちゃん(南海キャンディーズ)本編ではさらに藤本敏史(FUJIWARA)が加わる

諸星「第三者委員会に訴える」


『フリーズ』の舞台になるのは「氷の塔」。ガランとした部屋に集まった8名に、数々の仕掛けが襲いかかる。笑わず動かずリアクションせず、じっと耐え抜いた者が次のステージに進める。最後の1人になれば賞金100万円だ。


松本 優勝者は動かないだけで100万もらえるわけですからね。何もしないで100万円もらえるなんて夢のような話ですよね。

しかし、話はそんなに甘くない。19日に配信された1話目はまだ肩慣らし程度だが、予告映像では巨大なクモが耳元を這い回り、ヘビの大群が投下され、熱々のおでんが煮えている。登壇した出演者たちの恨み節ったらない。

岩尾望 「明日仕事に行けなくなるようなことにはならない」って聞いたんですけど、仕事行けるギリギリのダメージが長時間続くんですよ。

しずちゃん 松本さんって変態だな……変態がいきつく最終形ってこうなんだなって思いました。
ダイアモンド☆ユカイ まさしくSMですね。やらされてるほうはたまんないだけど、見てる方は面白いんだろうね。
鈴木奈々 ホントにめちゃくちゃ怖くて!ホントに予想外のことがたくさん起こるんですよ!はじめて松本さんにホントにムカつきました!ホントにムカつきました!殺意が湧きました!
諸星和己 柔らかく言って、松本さんの行き過ぎたイタズラ。悪く言うと、松本さんのパワハラ(笑)第三者委員会に訴えますから私は。

散々な言われようである。
「パワハラ」との指摘については松本自身も「本当の審議が入ったら完全にアウト」「全員勝てると思う」と自覚しているほど。ただ本人は「楽しかった」と振り返る。

松本 『ドキュメンタル』は見てる側だったんですけど、『フリーズ』はこっちから色んな事を仕掛けられるんで、まぁー楽しかったですね。
ボビー え!あれは松本さんが仕掛けたの!?
松本 もちろんもちろん。
ボビー だって俺、終わったあと「仕掛けた人ボコボコにしてやる」って……!
クロちゃん 言ってた!
松本 いや、平等にやってるつもりなんですけど、「今はボビーだ!」ってとこがあったりね。多少その辺は申し訳ないなと思いますけど。

ボビー マジで……?マジで……?(怒りに震えている)

「終わったあと挨拶に回ろうと思ったんですけど、全員シャワー浴びてましたからね」(松本)という証言もある。何が出演者たちをそこまでボロボロにしたのだろうか……。
松本人志の「王様の遊び」動かないバトルに出演者ボロボロ「フリーズ」始動、阿鼻叫喚レポ
松本「今回は芸人さん少なめでね。クロちゃんも芸人と思っていないので」クロちゃん「ち・が・う!ずっと芸人!」

フリーズとリリースによる「緊張と緩和」


Amazonプライム・ビデオと松本人志と言えば、シーズン5まで配信が続いている『ドキュメンタル』だろう。『ドキュメンタル』は最後まで笑わず、相手を笑わせた者が勝者。勝つためには自分から仕掛ける必要があった。一方、『フリーズ』は動かない者が勝者。自分から仕掛ける必要はないので、芸人以外にも十分勝機がある。


さらに、芸人以外に有利に働くのは「フリーズ中に笑うのもNG(動くから)」なこと。普段バラエティでリアクションを見せない人物ほど、理不尽から耐えている姿が面白いのだ。既に配信されている1話目でも、回転竹刀の痛みに耐えるダイアモンド☆ユカイの目力の強さったらない。ズルい。

「笑ったらアウト」なのは『ドキュメンタル』でも同じだが、『フリーズ』は動きを封じることでさらに緊張感を煽り、緊張と緩和の落差を高めているように見える。ただ、「フリーズの合図で動きを止める」「リリースの合図で静止を解く」というターンが長時間繰り返されたことで、弊害もあったようで……。


クロちゃん 撮影が終わってから困ったんですよ。違う仕事でドッキリにあった時に、固まってしまうんですよね。クセが付いちゃって。ホントに商売あがったりと思いましたもん。
松本 そうか、普通の仕事と真逆のことやらされたからね。
クロちゃん 驚かされてるのに止まったりするから、変な空気が流れるんですよね。
松本 まぁ、(変な空気は)いつも流れてるよね
クロちゃん なんで!松本さん、早く慣れて!

暇を持て余した王様の遊び


『ドキュメンタル』は海外にフォーマットが輸出され、既にメキシコ版の制作も決まっている。言葉が不要な『フリーズ』は、さらに海外に向いているかもしれない。気が早いけど、続編への意欲は?

松本 普段バラエティに出ないような人にも挑戦してもらいたいなって思ってますけどね。誰もやってないことやってるんで、ぜひ一回は見てもらいたい。そして優勝者はその100万円持って、ドキュメンタルに出るっていうのをやってほしいなと(笑)
松本人志の「王様の遊び」動かないバトルに出演者ボロボロ「フリーズ」始動、阿鼻叫喚レポ
出演者の人選について。松本「見終わって、この人選で良かったと思いました。みんな個々の力を出してくれて素晴らしかったですね」(司会は元フジテレビアナウンサー・政井マヤ!)

記者会見も終盤。司会者からの「ドキュメンタルとフリーズ、どちらに出たい?」との問いに「フリーズはあまり出たくない……」と松ちゃん。理由は「精神的に良くないから」。当然、椅子から立ち上がる出演者たち。

松本 いや!でもいつか、いい思い出になるんじゃないですか?
諸星 ならないよ!
クロちゃん 早く忘れたいもん!
諸星 でもね、徐々に止まるのにハマってくるんですよ。慣れてくると。これが心地良くなってくるんだけど……腹も立ってくるんですよ。
ユカイ エスカレートしてくるんだよね。どんどんね。
ボビー 楽しんでる人がいるわけよ!この中に。これが腹立ってしかたないわけ。
松本 僕もやってて、これがホントの王様の遊びかなと思いました(笑)

『HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE(フリーズ)』は、2018年9月19日(水)よりAmazon Prime Videoにて独占配信スタート。
松本人志の「王様の遊び」動かないバトルに出演者ボロボロ「フリーズ」始動、阿鼻叫喚レポ
Amazon Prime Video『HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE(フリーズ)』(C)2018 YD Creation

※ダイアモンド☆ユカイの「☆」は正しくは六芒星

(井上マサキ)