11月22日に放送された『ブラックスキャンダル』(日本テレビ系)第8話は、阿久津唯菜(松井玲奈)による矢神亜梨沙(山口紗弥加)へのマウンティングから幕を開けた。
「ブラックスキャンダル」松井玲奈怪演にネット沸く、ゲキカラばりの狂気は安藤政信の罠か8話
読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマF「ブラックスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック/ワンミュージックレコード

元凶は女好きの純矢


唯菜と勅使河原純矢(安藤政信)が婚約というニュースを目撃した亜梨沙。「あの記事……何かの冗談なんでしょ?」と亜梨沙は問いただし、「本当です。
そもそも全て、このためだったんです」と返答する唯菜。
「ムカついたからよ。いつまでも純矢に未練たらたらで。純矢は私のものよ! あんたがショックを受けるその顔が見たかったのよ!」(唯菜)
屋上で亜梨沙と純矢がキスしている場面を目撃し、怒りに火が点いた唯菜。矛先は亜梨沙に向いた。でも、本当に悪いのは誰か?

・亜梨沙が藤崎紗羅(松本まりか)だと知らない段階で、思わせぶりな態度を取った純矢。

・唯菜と続いているのに亜梨沙とキスをした純矢。
この2つがある時点で、アウト。元凶は女好きの純矢である。沙羅がいなくなり、唯菜に気持ちが傾いたまではわかる。でも、亜梨沙にちょっかいを出してからは弁護できない。クズだ。
紗羅の浮気を許さなかったくせに、自分は平気で浮気しているし。

「会いたい」と亜梨沙宅を訪れた純矢。「ごめん。唯菜から君が死んだと知らされて……どれほど後悔したか」と頭を下げたかと思いきや、やっぱり亜梨沙と寝る始末。そして、翌朝起きると姿を消していた純矢。結局、ヤりに来ただけなのか。
まるで、そのためだけの訪問みたいになっている。

後日、小嶋夏恋(小川紗良)の書き置きで人気のない場所へ呼び出された亜梨沙。最近、夏恋も亜梨沙に対し含むものがあるようだ。心配だ。純矢はその時の売れっ子(紗羅、唯菜)に手を出す癖がある。新進気鋭の夏恋もすでに毒牙にかかってないだろうか? 前科が前科だけに、全然あり得るのだ。


純矢について、『ブラックスキャンダル』のHPは以下のように紹介している。
「フローライト社長の座を引き継ぐつもりだったが、友和から『お前に会社を継がせるつもりはない』と言われてしまう。どうしても納得のいかない純矢は、ある作戦を思いつき、実行に移す」
作戦とは? 純矢の女たらしは、社長になるための計算づくだった可能性がある。

亜梨沙が純矢とヤった言い訳が激昂もの


夏恋に呼び出され、約束の場所へ向かった亜梨沙。そこに現れたのは、ナイフを振り下ろす唯菜だった。亜梨沙は純矢との密会について説明した。
亜梨沙 唯菜のためなの! 純矢をちゃんと、忘れるためだったの!!
唯菜 はぁ〜!? 何言ってんのよ。
ヤったことに変わりないでしょ!

狂気はともかく、言い分に関しては唯菜が正しい。ヤッたことに変わりない。ヤっておきながら、「5年前に終わってんの!」の主張も都合が良すぎる。
「一度抱かれたら、もっともっと忘れられなくなる!」(唯菜)

壮絶なキャットファイトの末、唯菜は勢い余って車に轢かれてしまった。踏んだり蹴ったり。なぜ、こんなことになってしまったのだろう……。

「唯菜も、純矢も、私も、誰も悪くないの!」(亜梨沙)
いいや、全ての問題の原因は純矢にある。この男のせいで2人は揉めたのだから。

未だ誠実そうな顔をする純矢


エキセントリックな松井玲奈の怪演に、ネット上では「ゲキカラが降臨!」と喜びの声が上がった。2010年のドラマ『マジすか学園』(テレビ東京系)での松井の当たり役「ゲキカラ」を彷彿とするサイコパスがファンを沸かせたのだ。

車に轢かれ、全身包帯の状態で会見場に姿を見せた唯菜。ゲキカラばりに不死身だ。車椅子から転げ落ちながら叫ぶ唯菜。
「私をこんな目に遭わせたのは、そこにいる矢神亜梨沙です!」(唯菜)
すごい執念! でも、車椅子を進めるだけでやっとの彼女がどうやってここまで……。もしや、他の誰かが唯菜を連れてきたのでは? つまり、亜梨沙の敵はまだいるということ。

四面楚歌の彼女を助けてくれそうなのは、皮肉にもかつての復讐相手だった。次回予告で、花園由祐子(平岩紙)の再登場が明かされている。マスコミ攻勢に遭う亜梨沙に車で横付けし、花園は声を掛けた。
「何やってんの、早く乗って!」(花園)

もう一人のキーパーソンは、フローライトのマネージャー・水谷快人(若葉竜也)だ。
「亜梨沙さんに会いたいと思ってたんです。あまりにも可哀想だからですよ。何にも知らないんですもん!」(水谷)

敵が味方で、味方が敵に。最終回間際、いきなり世界が真逆になった。つまり、今まで亜梨沙が行ってきた復讐はほとんど無意味なものだったのだ。
純矢は、このドラマの“ラスボス”と本命視されている。でも、未だ誠実そうな表情しか見せていないのが不可解。今回の唯菜のように、突如豹変しないだろうか。信頼し切っていた男が最大の敵に……。そんなクライマックスを予想している。

このドラマは死者の数が異常だ。水谷の姉(中村静香)、週刊誌記者の巻田健吾(片桐仁)、そして次週に起こる首吊り自殺など……。芸能ネタを扱うドラマかと思いきや、いつしかサスペンスになり、そしてホラーになった。
不可解に人が死んでいくのも芸能界の一側面と言える。突飛なのに、一分のリアリティが残っているのが恐ろしい。純矢との最終対決は命懸けだろうか。
(寺西ジャジューカ)

木曜ドラマF『ブラックスキャンダル』
脚本:佐藤友治ほか
監督:長沼誠ほか
音楽:井筒昭雄
主題歌:「ドグマン」(ゲスの極み乙女。)
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、中間利彦、茂山佳則(AX-ON)、西紀州(AX-ON)
制作協力:AX-ON
制作著作:読売テレビ
※各話、放送後にHuluにて配信中