
現役女子プロレスラー・木村花が、Netflixにて配信中の人気リアリティ番組「テラスハウス TOKYO 2019-2020」に参戦した。ピンク髪のド派手なルックスからは意外な“恋する乙女”キャラがさっそく人気を集め、視聴者の間で「かわいい」と評判になっている。
所属団体スターダムは、2019年10月よりブシロードグループ傘下となり、今後さらなる成長が期待されている。女性ファン獲得を目標とする女子プロレス界で、木村も自身が果たすべき役割について考えている。
憧れのデートコースはイチゴ狩り
――ヒールレスラーなのに「テラスハウス」では完全に恋する乙女ですね。
最後に彼氏がいたのはリングデビューする前だったから、4年近く前かな? 恋愛経験があまりないから、「処女」ってあだ名を付けられたこともありました(笑)。でもたしかにオンエアを観たら、「こんなに気持ちがバレバレなことある?」と自分で自分にツッコみたくなった(笑)。好きになっちゃうと相手と話せなくなったり、自分からは何もできなくなるんですよね……。もともと恋愛だと奥手なんですよ。
――どんなタイプの人が好きですか? 「自分が鍛えているから相手もマッチョがいい」とかは……。
私がこんな感じだから、落ち着いた年上の人がいいなぁと思います。細い人よりは、体が大きめの人のほうが安心感があるかな。ガリガリの人だと、私が守らなきゃいけないのかな?って思っちゃう(笑)。

――有名人だと誰がタイプでしょうか?
え~、誰だろう……。有名人だと、そんなにいないかも……。
――相当マッチョで強い人じゃないですか!
ほんとだ(笑)。
――理想のデートはありますか?
遊園地に行くとか、水族館に行くとか、あとイチゴ狩りにずっと憧れています。王道なデートがしたいですね。でも私、やっぱり恋愛レベルが1くらいだから大丈夫なのかなって。勝算が全然ない……! まっすぐ本気の気持ちを伝えるくらいしか、できることがないのかもしれません。難しいですよね。女子メンバーにアドバイスをもらって支えられています。あと気になる人の前だと、自分の肩幅が気になってきちゃう。自分が全部肩幅になったような気分になっちゃうんですよ! 普段は全然気にならないし、むしろ自慢の筋肉なんですけど、好きな人の前だと「ちっちゃくなりたい」みたいな……。
――かわいい(笑)。
いやいやいや! 「かわいい」って言ってくださる視聴者の方もいるんですけど、本当に驚きなんです。私は自分のことをひたすら気持ち悪いと思っているので……! こんなに面倒くさいやついませんよ!? そのうち皆さん、私の面倒くささに気付くはずです(笑)。

元カレのプロレスへの偏見に傷ついた過去
――番組内で、リングデビューする前の恋人は、プロレスへの理解がなくて別れてしまったと話していましたね。
私がずっと片思いしていて、やっと恋人になった相手でした。私がプロレスラーになることを報告したら、そのときは「頑張ってね」みたいな反応で、理解してくれるんだとうれしく思ったんですが、その後「本当にプロレスラーになるの?」とLINEが来て、あれっ?となって。「そのつもりだよ」と返信したら、ブル中野さんやアジャ・コングさんとかレジェンドレスラーの写真が送られてきて、「花もこんなふうになっちゃうの?」って。
「最近の女子プロレスはまた違うよ」とは説明したんですけど、「まだ早いと思う」って返されて、まだ早いってどういうこと(笑)? そのとき私は18歳くらいで、プロレスを始めるのに早すぎることは全然ない年齢でした。彼のプロレスに対する偏見と「プロレスをしてほしくない」という気持ちがすごく伝わってきて、もう別れるしかないと感じました。


――花さんは、元女子プロレスラーの母親・木村響子さんの勧めでプロレスを始めたそうですね。始めた当時はそこまでプロレスが好きじゃなかったと聞きましたが、「彼氏がそう言うならプロレスはやっぱり止めよう」とはならなかった?
なりませんでしたね。一度自分でやると決めたことは貫き通したかったんです。元カレの偏見や固定観念に傷ついたので、今後恋人ができたときは、少し試合を観に来てもらって、「こんな感じなんだ」と知ってもらったら充分かな。そこでプロレスが好きになったら、全然観戦してもらって構わないんですけど、やっぱり好きな人や気になっている人に自分の試合を観られるのは恥ずかしいかも……。
――試合に勝ったときにケーキや花束をもらえるのはキュンとしませんか? 「シングルリーグ優勝おめでとう」とか。
ああ~、たしかに! スターダムでビー・プレストリー選手が王者だったとき、恋人のウィル・オスプレイ選手(新日本プロレスにも参戦する男子プロレスラー)から「タイトルマッチ頑張ってね」と大きな花束が会場に届いたことがありました。

女子プロレスの“入り口”役を目指す
――「テラスハウス」に参戦するにあたり、男性のプロレスファンを驚かせてしまうんじゃないかと心配しましたか?
今まで応援してくださったファンの方が離れてしまうんじゃないか、すごく不安でした。でもけっこう皆さん理解してくれて、「番組観たよ」と声をかけてくれます。それでも長年のファンの方や選手仲間に自分の恋愛模様を知られるのは恥ずかしいですね。普段リング上では自由奔放に暴れまわっているので……(笑)。逆に「テラスハウス」から興味を持って初めてプロレスを観に来てくれた人もいます。番組に出てからInstagramのフォロワーもすごく増えました。

――若い世代にとっては、初めて知る現役女子プロレスラーが花さんになる可能性も高そうです。その役割をどのように考えていますか?
初めて私を知る方には、「これが女子プロレスなんだ」と受け止められると思います。だからこそ基礎はブレずにいたいし、その上で自分の個性も出して、女子プロレスの面白さを感じてもらいたい。ただ、テラスハウスにいるときは、ありのままの自分、22歳の木村花として過ごしていますね。むしろ「女子プロレスラー=怖そう」みたいなイメージを持っている人に「全然普通の女の子じゃん」と思ってもらいたいです。
――スターダムは今、女性ファン獲得を課題としていますね。そのタイミングで花さんが「テラスハウス」に参戦したのは大きな意味を持つことなのかなと。
デビューして間もないときから、どうやったら女性ファンが増えるんだろうと常々考えてきました。ブシロードグループ傘下にスターダムが入って、やっと自分と同じ考えの人に巡り会えたと感じています。周りの選手からも「女性ファンを増やしたいよね」という意見が聞こえるようになって、私だけじゃなかったんだと感じています。自分が女子プロレスの“入り口”のような存在になれたらうれしいです。
スターダムでは、たぶん「テラスハウス」ファンと同世代の10代、20代の女の子たちが一生懸命に体を張って試合しているところが観られます。プロレスをやっていない人だって普段何か戦って生きていますよね。私たちが闘う姿で皆さんに勇気や刺激を与えて、「自分も頑張ろう」と思ってもらいたいです。


――スターダムの物販は、選手と近い距離で会話できますよね。「女性ファンと物販でこんな話ができたらいいな」というのはありますか?
それこそ恋バナしたい! 「最近どう?」みたいな(笑)。

1997年9月3日生まれ、神奈川県横浜市出身。身長164cm、体重58kg。2016年3月、リングデビュー。2019年3月、スターダム正式所属になる。これまで第12代ゴッデス・オブ・スターダムや第10&19代アーティスト・オブ・スターダムなどのタイトルを獲得し、2019年夏に開催されたシングルリーグ「5★STAR GP 2019」では優勝。ユニット・TOKYO CYBER SQUADのリーダーとして活動している。「テラスハウス TOKYO 2019-2020」では、10月22日に配信された20th WEEKから新メンバーとして登場。母親は、元プロレスラーの木村響子。
12月24日に開催されるスターダムの東京・後楽園ホール大会にて、スターダム入団会見で乱闘を繰り広げたジュリア選手とのシングルマッチが決定。今もっとも目が離せないプロレスラーのひとり。