「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”
(左から)にしもと、海野裕二、かみちぃ

にしもと、かみちぃ、海野裕二の3人で構成されるお笑いトリオ『ジェラードン』。にしもと、かみちぃの「W大ボケ」に海野がツッコミを入れるスタイルで人気を博し、テレビの各コント番組への出演をはじめ、オフィシャルYouTubeチャンネル『ジェラードンチャンネル』では約10万人(※)の登録者を抱えるなど、幅広いファンを集めている。

なかでも人気なのが、かみちぃがコント上で演じるキャラクター『如月(きさらぎ)マロン』。夜勤のバイトをしながら女子高生風のコスプレで活動する地下アイドルという設定で、甲高い裏声と「永遠の15歳♪ でも本当は35歳♪」という口癖が、見る人に強烈なインパクトを残す。

そんな『如月マロン』とにしもと演じる「ファンのごろうさん」がシュールな会話を繰り広げるコント『握手会』はYouTubeのオフィシャル動画で約175万再生(※)、2019年7月にリリースしたキャラクターソング「イチゴのショートケーキ」のミュージックビデオは261万再生(※)と、トリオの枠を大きく越えたムーブメントに。2018年からはファンイベントとして「如月マロン&ジェラードンのバスツアー」も開催され、毎回好評を博している。

自分たちが作ったキャラクターに他ならぬ自分たちが影響され、やがて「アイドルとしてのプロ意識」まで芽生えてきてしまったという3人──。そこにはどんなストーリーがあったのか。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

取材・文/天谷窓大 撮影/川島彩水 編集/日野綾(エキサイトニュース)

アイドル・如月マロンには実はモデルがいた


「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

──如月マロンはどのようにして生まれたのでしょう?

かみちぃ:きっかけは「握手会」コントですね。ネタ作りのとき、最初に握手会という設定を掲げて、そこから(ジェラードンの)3人をどう配置しようかと考えていたとき、後付け的に生まれたのが如月マロンでした。もともとあんなキャラじゃなかったんですよ。最初はもっと普通の男の声で。いつのまにかあんな高い声になっちゃって。3年くらいかけて姿が仕上がってきました。

──モデルはいるのでしょうか?

かみちぃ:いえ、とくにモデルはいなくて。ネタ作りのなかでキャラクターができあがってきたというか……。

海野裕二(以下、海野):いや、モデルのベース的な人はいるよ! ヨシモト∞ホールに出演する芸人たちの間で有名な存在のファンの方。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

かみちぃ:ああ! そういえば。たしかにその人のキャラクターがベースの一部になっているかも。

にしもと:もともと(かみちぃは)その人のモノマネがうまくて、楽屋でよく披露してたんですよ。それがたぶん根っこにあって。その人個人がモデルというわけではないんですが、そこからもっとインパクトをつけた形に味付けしていって、あの独特の女の子キャラになっていったんじゃないかと。かみちぃ本人も無意識のうちにそうしていたんじゃないかと思います。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

かみちぃ:さすがにモデルとして特定の方を挙げるわけにはいきませんが……。でも実際、その方は芸人たちのあいだでは誰もが知る存在ですね。

「如月マロンが自分たち(ジェラードン)を変えだした」


「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

──もはや如月マロンの人気がジェラードン本体を抜かんばかりの勢いです。

かみちぃ:ホントですよね(笑)。以前、営業先で本番の前に自分たちで前説をしなければいけないときがあって。舞台に出ていって「ジェラードンといいます。知ってる人いますか?」と呼びかけても全然お客さんが反応しないんです。で、いざ本番になって僕がマロンちゃんに扮して出ていったら、会場が「ワーッ!!!」ってなって。あれはなんともいえない複雑な気持ちでしたね(笑)。

バスツアーも最初2時間くらいはジェラードンとしてしゃべっているのに、目的地についてマロンちゃんとしてみんなの前に出てきたら、そこでまた「キャー!!!!」ってなるんですよ。いや、さっきまでずっと一緒にいたでしょ!って(笑)。

──もはやマロンちゃんがひとり歩きを……。

かみちぃ:ホントそうなんですよ。自分とも違う、もう別人格ですよね。マロンちゃん名義でTwitterもInstagramもアカウントを作っちゃって。Twitterに関しては開始2〜3カ月でフォロワーが1万8000人にもなっちゃって。自分が演じるマロンちゃんが自分自身を追い抜くんじゃないかってひやひやしてますよ。

でも、ある時期から「中途半端にやるのはよくない」と思うようになったのも事実なんですよね。こうなったらマロンちゃんはしっかりアイドルとしてやるべきだなと。SNSのアカウントも作ったのもその一環でした。

──ジェラードンが生み出した『如月マロン』という存在が逆にジェラードン本体を変えつつあるようにも思えますね。マロンちゃんを演じることで、かみちぃさんの中で変化したことはありますか?

かみちぃ:とうとう寝言にまでマロンちゃんが出てくるようになったんですよ(苦笑)。以前1日に3校の学園祭に出演したことがあって、さすがにその日の晩は疲れすぎてすぐ寝ちゃったんですけど、そこで学園祭の夢ばかり見て。

夢のなかで「どーもー!」って、マロンちゃんのキャラで自分が舞台にあがる場面が出てきて、思わず寝言で声出しちゃったんです。「ワー♪」って(一同爆笑)。自分から出たマロンちゃんの声にびっくりして飛び起きました。

にしもと:出た声がマロンちゃんって。「世にも奇妙な物語」に出てきそう。そのうちかみちぃが物理的にもマロンちゃんに侵食されていって……。

かみちぃ:怖いな!

「マロンちゃんを剥がすタイミングは誰にも負けない」


「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

──海野さんは「握手会」のコントでスタッフ役という“一歩引いた”ポジションですが、如月マロンというキャラクターはどう見えていますか?

海野:コント中は2人がもう(如月マロン、ごろうさんとして)仕上がってきているんで、こっちもその間だけスタッフ役として仕上がっているつもりなんですよ。舞台袖にいても「マロンさん、こちらです」って自然に言葉が出てきちゃう。

かみちぃ:たまに「あ、いまちゃんとアイドルとして自分を扱ってくれているな」って思うときがあります。

──長く居座るファンをアイドルから離す、本来の“剥がしの人”としても海野さんはすごく熟練してきていますよね。

海野:マロンちゃんを剥がすタイミングは誰にも負けない自信がありますね。

アイドル『如月マロン』とトップオタク『ファンのごろうさん』のこれから


「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

──「ファンのごろうさん」は如月マロンに対して一方的な片思いを募らせていますが、この恋はいつか成就するのでしょうか?

にしもと:そうですね、ごろうさんの思いがマロンちゃんに届いたら、ハッピーエンドですよね。でも「告白しない美学」みたいなのを持ってそうじゃないですか、ごろうさんって。応援し続けることが目的になってるから、いざ本当に付き合ったら終わっちゃいそう。

──ごろうさんはランボルギーニもお持ちで、かなりの太客なのでは。

にしもと:「わけわかランボルギーニ!」ってセリフのことですよね(笑)。あれは彼がギャグで言っているだけですから! ごろうさんは現場に自転車で来るし、実家暮らしで働いていないし、チケットのお金だって毎回お父さんからもらって来るような人なんですよ。……あぁ、でも、彼が乗ってる自転車を彼はランボルギーニと呼んでいるのかもしれない。彼にとってはランボルギーニなのかも。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

──ごろうさんは毎回マロンちゃんへの「指導」を繰り返していますが、マロンちゃんは嫌がらないのでしょうか。

にしもと:ごろうさんはコントの時点で、すでに10何年とマロンちゃんの現場に通い詰めている設定なんです。会話で直接指摘できるくらいの関係性になってる。愛するマロンちゃんのためにごろうさんは「あえて指導している」んですね。もっとも、言い過ぎないようにはしていますけども……。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

かみちぃ:そう、ごろうさんは「OKな関係」なんです。ベテランにしてトップオタク。トップにして唯一のお客さんですから。というか、ファンがごろうさんしかいないから受け止めるしかないんです。来なくなったら終わりだから。持ちつ持たれつというか、依存しあう関係ですね。

──『如月マロン』について、これからはどんな展開を予定していますか?

かみちぃ:実は今日(インタビュー当日)、如月マロンとしての2曲目をレコーディングしてきたんです。

──えっ?!

かみちぃ:次回は「Sweet♡マロン」という曲をリリースします!

──タイトルにはどんなテーマが?

かみちぃ:最初は単純に「如月マロンの歌」にしようと思ったんですけど、かわいげがないなぁと。でも全然決まらなくて悩んでいたらマネージャーが、たまたまそのへんに置いてあった甘栗の袋を見て「スイートマロンはどうですか?」って(笑)。

──新曲ではマロンちゃんの新たな一面に出会える??

海野:前回より歌唱力は格段に上がっていますね!
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

かみちぃ:前回(イチゴのショートケーキ)の歌声はマロンちゃんというよりまだまだ僕(かみちぃ)としての声だったんですよ。新曲もそのまま歌おうとしたら「それはマロンちゃんの声じゃないよ」って海野が言うんです。マロンちゃんはもっと高い声だから、って。

海野:僕もだんだんプロデューサー目線になっていて、「あー、その歌い方いいね!」とか言い出すようになっちゃって(笑)。

かみちぃ:だから前回とは歌い方が全然違いますね。今回はしっかりマロンちゃんの声で歌っています。
「自分の生んだキャラが自分たちよりも人気に」お笑いトリオ・ジェラードンと“如月マロン”

※2019年12月9日現在

プレゼント応募要項


如月マロンの新曲リリースを記念して、ジェラードンの直筆サイン入りポラを抽選で3名様にプレゼントいたします。

応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)下記ツイートをリツイート
応募受付期間:2020年1月6日(月)~1月20日(月)18:00まで

<注意事項>
※非公開(鍵付き)アカウントに関しては対象外となりますので予めご了承ください。
※当選者様へは、エキサイトニュースアカウント(@ExciteJapan)からダイレクトメッセージをお送りいたします。その際、専用フォームから送付先に関する情報をご入力いただきます。
※当選した方に入力いただく情報はエキサイト株式会社がプレゼント発送に使用するものです。また、提供された個人情報は、同社サービスに関する連絡に限定して利用されます。
※DMでお伝えした期日までに返信をいただけなかった場合は、当選無効とさせていただきます。
※一部の地域では配達が遅れてしまう場合がございます。予めご了承ください。

皆さんのご応募をお待ちしております!
(エキサイトニュース編集部)

公演情報


単独ライブ「ジェラベスト」
日時:2020 年1月30日(17:30 開場、18:30開演)
場所:有楽町朝日ホール

リリース情報


如月マロン(ジェラードン)新曲「Sweet♡マロン」
2019年12月25日配信開始

Profile
ジェラードン

2008 年結成。大ボケのかみちぃとにしもと、ツッコミの海野裕二の三人で構成されるお笑いトリオ。NTV「エンタの神様」や CX「ネタパレ」などに出演しキャラの強いコントで話題沸騰中。

関連サイト
Youtube公式チャンネル「ジェラードンチャンネル」