
PCを始め、スマホやタブレット等、好みのデバイスにて利用できる手軽さや気軽さ、いつでもどこでも楽しめる利便性や身近さ、あえて腰を据えてそれらに向かい合う必要のない気楽さや時短性も手伝い、オーディオブックの需要が伸びている。
昨今では人気のあるジャンルとして、著名人によるエッセイや単行本を自身の声で朗読したものも挙げられる。本人から直に朗読されることでのその効果や吸収は、自身によって綴られた分、より当人の感情や気持ちを込めての伝達が可能。強弱や緩急も含め、より本書に込められたニュアンスや想いも伝わってくる。
そんななか、AV女優・紗倉まなの単行本『働くおっぱい』がこの度、オーディオブック化される。同著は2019年春に単行本として発売され、話題となった一冊だ。元は月刊総合文芸誌「ダ・ヴィンチ」に紗倉が毎月連載していたものを一冊にまとめたものであった。発売時にはヒットを記録。購入者には女性も多かったと聞く。
初のオーディオブック収録は「もはや早口言葉の域ですよね(笑)」

AV女優としての知名度の高さはもちろん、その活動にしっかりとした明確性と自負を持ち、そこに確固たるプロ意識をもって活動中の紗倉。そのイメージからなる明るさや親しみやすさも手伝い、アダルト業界を初め、文芸面においても一般的に高評価を得ている。
これまで発刊した2冊の小説集はどれもかなりの実績も持ち、うち処女小説の『最低。』は映画化もされ大きな話題となった。彼女の小説での文体は情景描写や心情描写が多用され、その語彙力や描写力、例えも秀逸。毎作に渡り真理や心の機微も上手く織り込まれており、きっちりとビジョンやストーリーを読む者に浮かばせてくれる。
『働くおっぱい』はまさに包み隠さずに彼女自身が想い考えていることが都度、赤裸々に各章で伝えられている。内容的にも自身の身の回りに起こったことからの回想や思い至りも多く、読みやすさや親しみやすさを擁し、読み手を惹き込んでいく力を持っている。加えて同著の優れた点は、各章読み進める度に心を軽くさせてくれるところ。時にはネガティブな思考やディープな経験告白や心情吐露、後ろ向きな発言を飛び出させながらも、どの章も最後は心を軽くし、読む者に安堵感や安らぎを与えてくれる。

『働くおっぱい』のオーディオブック化に際し、以下は紗倉まな本人による解説だ。
「書いていた当時は後ほどこれが朗読化されるなんて考えもしなかったこともあり、私はなんてしゃべりに適していないことばかり書いてたんだろう……と、今回朗読をし、つくづく感じました(笑)。書き言葉だと私の場合、どうしても長くなっちゃってたみたいなんです。例えば、浜辺に打ち上げられたトドが轟くような。これなんて改めて口に出して読んでみると、もはや早口言葉の域ですよね(笑)?」
単行本の発売から既に1年近く。「今となっては当時の日記的な感覚もあって。“あの時の私はこんなことを考えてたんだな……”とか、自分でありながらも不思議な感受があります」と、時間を経た分、ようやく客観視できる部分も出来てきたと彼女は続ける。
「これまでの私のエッセイとは異なるものだったんだなぁ……と感じます。やはりこれまではどうしても忖度している部分もあったりして。あまり他人を傷つけたくないなとか、こんなことを発言して語弊が生じたらイヤだな、とか、怯えながら書いていた面もありましたから。しかし『働くおっぱい』はいい意味で、“どう思われても、どう取られてもいいや”と。かなり前向きな気持ちでディープに掘っていきました」

同著を書いていく上で何か自身にとって見えたものはあったのだろうか?
「おかげさまで自分の思考や気持ちの整理にもなりました。自分を客観視できたり、改めて書いたことで理解して整理して、可視化もできました。オーディオブックにしても、直接の話し言葉と違い、一度文章に書き遺したものを改めて口頭にて伝える流れだったこともあり、より勢いだけでも、その場だけでもない、推敲された本音や気持ちを伝えられたかなって。ただ、やはり時間が経ってしまった分、“ああ書けばよかったなぁ”とか、“今ならこう伝えるのに”等の後悔や答えが見つかったもの。当時そうは書いていたものの、“時間を経た今ならここで着地点を見出すのにな……”等々も逆に現れたりして。でもそれも含めて『26歳の紗倉まな』を自分の口から伝えられたと自負しています」
エッセイのポイントは『おっぱい』と称された感情

同著で称される「おっぱい」はいわゆる心の機微の類い。「働く」をキーワードに、そこで揺れ動く心や気持ちを紗倉なりに伝えているのも特徴的だ。
「振り返るとバランスは考えていた気はします。重いテーマや重い締めの際には、あえて次の章に向かう間にバカっぽい話題の小話(「おっぱいのこごと」)を挟んだり。ここは朗読の際も取るに足らない話ばかりだったので、ちょっと気恥ずかしかったです(笑)」
「まさに『揺れ動く』。そこがこのエッセイのポイントでした。『おっぱい』と称された感情というか。仮タイトルの提案時からこのタイトルだったんですが、これっていろんなものと掛け合わせることができるなって、当初から考えていて。あとは『おっぱい図鑑』という、色々なおっぱいのタイプを擬人化して例えたコーナーもあったり。タイトルありきで書けた内容も多々ありました」

話の流れにしても当初は「働くおっぱい」の「働く」面がクローズアップされ進みつつも、いつの間にか心の機微でもある「おっぱい」へと話の中心がシフトしていく点も興味深い同著。その辺りも彼女の心の機微や思ったこと感じたことが正直に素直に綴られたがゆえと察した。また内容やテーマも、進むにつれより重く真理や深部へと進んでいくところも印象的だ。
「普段このような仕事をしていると、私を知ってもらうきっかけは、やはり男性の方が多くて。なので女性にも興味をもっていただけるきっかけになったら嬉しいです。今回、書籍化された際に絵本っぽくしてもらったのも、女性の方にも気軽に手に取ってもらったり、触れてもらいたいからでもあったので。年齢問わず、同世代の女性も含め、AVは見たことがないけど、“紗倉まなってどんな子なんだろう?”と興味を持っていただけたら、手に取ってもらえると嬉しいです。欲を言えば老若男女の方々に読んでいただきたいですし、女性の方にも共感できるところや理解していただける箇所が少しでもあるかもしれません。聴いて気が楽になってもらえたら本望です」

『働くおっぱい』のオーディオブックに関しては、その普段の口調である柔らかさや優しさも相交わり、よりほっこりしたり癒される場面も多かった。温度感やニュアンスも読書時よりも細かく丁寧、よりそのメリハリやコントラスト、リアリティや想像力を促進された。また、ただリアルタイムでそれを伝える際よりも、一度文章化され、推敲を経たことで、要点や論点、流れや起承転結も育まれ、逆に短い時間にコンパクトに物事の本質や伝えたいことが伝わってきた。
上述のオーディオブックのアドバンテージの話に戻ると、筆者の場合、同著を読んだ際に2時間、このオーディオブックでは約1時間と半分の時間での読了であった。しかも聴きながら途中他の作業をしながら流しっぱなしでも耳に入ってきた。章ごとでチャプターも分かれており、たとえ聴き流した箇所が発生しても何度も楽に聴き返せ、家事や通勤、通学、移動や作業中のBGM等にて楽しむのもOKだ。

この耳で読むオーディオブックを是非バレンタインデーの贈り物やホワイトデーのお返し、はたまた自分へのご褒美にプレゼントしてみてはいかがだろうか? 耳から知識を広げていける時代がやってきた。それはなんとも素敵なことではないか。
プレゼント応募要項

『働くおっぱい』オーディオブック発売を記念して、紗倉まなさんの直筆サイン入り書籍を抽選で1名様にプレゼントいたします。
応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)下記ツイートをリツイート
応募受付期間:2020年2月14日(金)~2月28日(金)18:00まで
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— エキサイトニュース (@ExciteJapan) February 14, 2020
『働くおっぱい』オーディオブック発売を記念して、#紗倉まな さんの直筆サイン入り書籍を抽選で1名様にプレゼントいたします@sakuramanaTeee
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締切:2/28まで
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皆さんのご応募をお待ちしております!
(エキサイトニュース編集部)
書籍情報

働くおっぱい(KADOKAWA)
著者 紗倉まな
https://www.audible.co.jp/pd/B084FPTDL7
18歳からAV女優一筋! “えろ屋”が見つけた生きる道
現役トップAV女優が初めて素の自分を“丸出し”するエッセイ
AV女優なのに恋愛はNG!?
職業を書いたら家は借りられない!?
そんな私、友達が一人しかいない!(涙)
18歳からAV女優一筋の“えろ屋”が見つけた生きる道!
大幅な加筆修正を経て、ダ・ヴィンチニュースの大人気エッセイ連載が待望の書籍化
【おまけ】
・大ボリューム書き下ろし! 「まえがき」&「あとがき」
・紗倉まなプレゼンツ 珍おっぱい&乳首図鑑
(イラストは人気マンガ家のスケラッコさん!)
工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。2015年にはスカパー!アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。初めて書き下ろした小説『最低。』は瀬々敬久監督により映画化され、東京国際映画祭にノミネートされるなど話題となった。近年は大学での講義もこなし、AV女優として異例のニュース番組レギュラーコメンテーターに抜擢。文化人としての顔も持つ現役エロ屋。