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「トップナイフ」6話。ドッペルゲンガー、幻肢痛、線路上のゴスロリ…盛りだくさんだけど全部消化不良

天海祐希主演の医療ドラマ「トップナイフ─天才脳外科医の条件─」(日本テレビ系・土曜22時~)第6話。

今回のテーマは“理想の自分”。

自分の思う理想と、現実の間で悩む患者たちが登場。しかし、例のごとく人数が多すぎて、それぞれのエピソードが消化不良になってしまった感が……。

ドッペルゲンガーと会話する患者


今回の患者は、もうひとりの自分「ドッペルゲンガー」が見えるという大澤卓司(山本浩司)。しかも彼の場合は「ホートスコピー」と呼ばれる珍しい症状で、ドッペルゲンガーが見えるだけではなく、会話までしているのだという。

大澤は以前、東都総合病院で深山瑤子(天海祐希)の下について脳外科医として働いていたが、深山から「脳外科医なんて無理だ」言われてクビを切られ、ショックのあまり窓から飛び降りた。そのことを今でも恨んでいるようだ。

もうひとりの患者は建設現場の事故に巻き込まれ、左腕を切断せざるを得なかった元・高校球児の原田保(笠松将)。

切断後も、ないはずの左腕の痛み。いわゆる幻肢痛に悩まされていた。

さらにBIID(身体完全同一性障害)という症状を持つ患者・木元佐代美(吉田美佳子)。

自分の身体の一部が自分のものではないと思い込み、不快感を感じて自殺しようとしたり、そのパーツを切断しようとしたりするという。

線路の上に倒れていたのも、左脚を電車にひかせて切断しようとしていたのだ。

これまでは毎回、患者2人というのが定番だったが、今回は3人……いつも以上に詰め込み過ぎ!

エレベーター内での手術


ドラマの中心になっていたのはやはり、入院しつつも深山への復讐に燃えている大澤。

”しゃべる”ドッペルゲンガーにうながされ、復讐の計画を立てた大澤は、深山と同じエレベーターに乗り込んだタイミングでエレベーターを停止させ(どうやって止めたかは不明!)、メスで脅しながら、なぜ脳外科認定試験を受けさせてくれなかったのか話を聞こうとする。

ところが、同じくエレベーターに乗り込んでいた佐代美が突然倒れてしまったため、話はうやむやに。

佐代美は自分の脚を腐らせようと、前日の夜から腿を縛っていたようで、うっ血し「コンパートメント症候群」を起こしており、すぐに処置しなければ命の危険があるという。

深山は、まだ医師である大澤に処置を手伝うように言うが、混乱した大澤は何も出来ない。

一方、手術道具を持ってきた小机幸子(広瀬アリス)は、エレベーターの天井から中へ入り込み、サクサクと深山の手伝いをしていた。

実は、深山が大澤をクビにした本当の理由はここにあった。

大澤が研修医時代から目を掛けていた少女が手術の後、血栓が飛んであっという間に死んでしまったことがあった。

「あの時、血栓の存在は分かりようもなかった。不可抗力だった」

しかし大澤はショックで精神的に不安定になり、窓から飛び降りてしまったという。そんな精神の弱さを見て、深山は「脳外科医なんて無理」とクビを切ったのだ。

「度胸と図太さ。それが大事だったりするの、脳外には」

大澤の研修医時代、病床に伏せる少女を喜ばせようと、パペットマペット状態でぬいぐるみを操ったりと懸命に患者と向き合っていた。精神的な弱さはあったのだろうが、いいお医者さんではあった様子がうかがえた。

名バイプレイヤー・山本浩司による、一人二役のドッペルゲンガーとの会話や、夢破れてクレイジーになってしまった感じなど、「もっとそこをじっくり見せてよ!」という、またも”惜しい”エピソードだった。

さらに、ゴスロリを着て線路の上に脚を乗せて寝転がるという、かなりビジュアル的にインパクトのある登場をした佐代美ももったいない!

あんな登場をしたのに、結局、停止したエレベーター内でぶっ倒れるだけの役。これだったら、単に心臓の弱いお年寄りとかでも良かったのでは……。
「トップナイフ」6話。ドッペルゲンガー、幻肢痛、線路上のゴスロリ…盛りだくさんだけど全部消化不良
イラストと文/北村ヂン

トップナイフの地味な取り組みにグッとくる


それに比べ、地味ながら目を引いたのが、幻肢痛に悩む原田。

「トップナイフ」黒岩健吾(椎名桔平)が担当をするが、幻肢痛が起こる原因は分かって折らず、いつもだったらトップナイフの腕を見せつけてスパーッと手術をしてしまうところ、脳外科医としては何もできることはないという。

普段は必要以上に患者とのコミュニケーションを取ろうとしない黒岩だったが、原田の名前が、突然現れた自分の子ども(DNA検査済み!)と同じ”保”だったことから、妙に気になり、たびたび病室を訪れることに。

黒岩との会話の中で、原田は腕を失ったことよりも、甲子園に出られなかったことを後悔していると明かした。

決勝戦の9回裏。自分のエラーでチームが負けてしまい、落球した感触が腕を切るずっと前から残っているのだという。

ミラーボックスを使ってリハビリ的に脳を慣らしていったり、野球部時代の仲間たちを集めたり、いつもの手術と比べると派手さには欠けるが、「トップナイフ」黒岩が地道に患者と向き合う姿にはグッときた。

原田のエピソードは、これはこれでもっとじっくり見たかったところだ。

センセーショナルなエピソードもいいけど……


本作は、脳外科に特化したドラマということで、聞いたこともないような病気が次々に現れて、当初は「こんな病気あるんだー! 脳って不思議ー!」と興味深く見られていたのだが、回を重ねるにつれ、どうもその”聞いたこともないような病気”がネックになっているように思える。

おそらく、医学書や論文などをリサーチして、センセーショナルな症状をピックアップ。それを元にストーリーを作ってるんじゃないかと思われる。

しかし、「ドッペルゲンガーが見える!」とか「自分の身体を切断したい!」とか、センセーショナルな症状のエピソードには、驚かされはするものの、あまりに遠い世界の話に思えて、イマイチのりきれない。

それよりは今回の原田のような、多くの部分が解明できていない脳が引き起こす症状に、特効性はないものの地道に取り組むようなエピソードを見たい。

……というか、患者、ひとりに絞ろうよ!

YouTubeの台頭によって、若者は1時間のドラマを見る根気がなくなっており、短時間でポンポン事件を起こさないと視聴者が離れてしまうなんて言われているようだが、そのせいでエピソードが中途半端になってしまったら元も子もないだろう。
(イラストと文/北村ヂン)

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「「トップナイフ」6話。ドッペルゲンガー、幻肢痛、線路上のゴスロリ…盛りだくさんだけど全部消化不良」の みんなの反応 1
  • amamiyumi 通報

    天海さんの格好良いオペシーンを期待してたのに いつも中途半端でストレスたまってます。患者の話が色々あり過ぎて、とちらかと言えばどうでも良い!天海さんの手術シーンが観せてくたさい!

    0
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