
ダウンロード数650万超のイケメン役者育成ゲーム『A3!』を原作にした、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ。劇団に所属するキャラクターたちが春組、夏組、秋組、冬組に分かれ、役者としての苦悩や成長していく様を描いた本作は、2018年に初めて舞台化されて以降、すべての公演のチケットが即日ソールドアウトとなる人気を誇っている。
ヘアメイク/今井洋輔
編集/田上知枝(エキサイトニュース編集部)
僕のほうが駆け足で誉に寄っていってます(田中)

――『A3!』(以下、エーステ)では田中さんが有栖川 誉役を、上田さんが雪白 東役を演じられています。ご自身が演じるキャラクターの魅力、さらに自分との共通点はどういったところでしょうか?
田中涼星(以下、田中):僕が演じる有栖川 誉という人は詩人であり、芸術家なんです。いろんな芸術に触れてきたけど、芝居だけは唯一やったことがないという理由で劇団に入ったような人で。僕から見ると、キャラクターのスター性がすごい。いい意味で、周りにはなかなかいないタイプだと思うし、芸術の才能を持っているからこそ、自分の魅せ方をわかっているような気がします。そこがすごくカッコいいなって思いますね。共通点は……何だろうなぁ。あ、高校生の時、僕も髪型がアシンメトリーでした!


上田堪大(以下、上田):おお~!(笑)
田中:ちゃんと右側のほうが長くて。って、これ、初めて言いました(笑)。
上田:初めて知ったよ(笑)。
田中:あと、最近だとポエムですかね。
――上田さんはどうですか?
上田:東さんは浮世離れした人で、独特なオーラというか、色気がとてつもなくある人だと思います。 “添い寝屋”という仕事をしているんですけど、とにかく人の話を聞くのが上手。僕の勝手な解釈で、もしかしたら東さんはまだ本当の意味で周囲に心を開けていないかもしれないけど、すごく的確なアドバイスを言える人なんだろうなと思っていて……。


――人間観察をしている人というイメージがあります。
上田:そうなんです。なので、人を見る目があるんだろうなと感じています。共通点としては、東さんも僕も極度の寂しがり屋です(笑)。
――例えばどういうところで寂しがり屋だと感じるんですか?
上田:僕、東京に来るまで1人でご飯を食べられなかったんですよ。大学時代とか、お昼に食堂に行っても友達がいなかったら、どれだけお腹が減っていても誰か来るまで待っているような人で。
田中:でも、上田さんなら自然と誰か集まってくるんじゃないですか?
上田:そんなことないよ。友達の授業のスケジュールもだいたい知っていたから、今日はまだ誰もいないなっていうのとかもわかって。だから、本当にお腹と背中がくっつくくらい我慢することもあったし、ひどい時は家に帰って食べてました(苦笑)。
田中:本当ですか!?
上田:そう。でも、それも東京に来てからだいぶ解消されました。ちなみに、初めて東京で1人で食べたご飯は、某チェーン店のカレーでした(笑)。それから、東さんは美意識が高い人なので、僕も自然と美容に興味を持つようになりました。
田中:昨年の公演の時も、本番が終わって、気付いたらすぐパックしてました(笑)。
上田:メイクをとったら、とりあえずパックです。で、家に帰ったらまたお風呂入って、顔洗って、化粧水と乳液でお手入れします。

――以前からきちんとケアするタイプだったんですか?
上田:いや、そこまでじゃなかったです。こういう仕事をしているので、僕だけでなくみんなもやっていると思うんですけど、僕は東さんを演じるようになってから、より一層気を付けるようになりました。
田中:お肌きれいですよね。
上田:本当に調子がいい時は、みんなに触ってもらいたいくらいモチモチです(笑)。
やればやるだけ、作品のことも、自分のキャラクターのことも、どんどん好きになっていく(田中)

――そんなお二人が出演した、昨年のMANKAI STEGE『A3!』~AUTUMN & WINTER 2019~。演じてみた感想はいかがでしたか?
田中:終始ハッピーでしたね。やればやるだけ、作品のことも、自分のキャラクターのことも、どんどん好きになっていくんですよ。だからこそ、もっと追求したい気持ちになって。また、お客さんも一緒になって楽しんでくれているのが伝わってくるのが、すごくいいなと思いました。稽古ではもちろん大変なこともありますけど、みんなで頑張った結果、いいものができるって最高じゃないですか。キャストのみんなとも本当に長い期間、朝から晩までずっと一緒にいて、それが全然苦じゃないっていう。そういうのも含めて、全部が全部、すごく幸せだった印象があります。
上田:僕は冬組のキャストを知った時点で、これはきっと自分の人生、そして役者人生において、大切だと思える仲間になっていくんだろうなと感じたんです。自分の出演が決まった後、SPRING & SUMMER 2018公演も観劇させていただいたんですけど、それもすごく楽しくて。その時に、自分も(この作品に)出たいなって思ったんですよ。
田中:出るのに!(笑)

上田:最初からそういう気持ちがあって、そこから実際に公演を行ってみて、今もそうなんですけど、この作品に、この仲間に出会えたことは、言葉に表せないくらいかけがえのないものを手に入れたんだなって改めて感じています。本当、みんなのことが大好き! これから先もずっと付き合っていく仲間だと思いますね。
田中:それは僕も同感です。
――そういった共演者たちへの想いというのは、劇団が舞台となっている今作のストーリーも関係していますか? 舞台を作っていくのは、普段みなさんがやられていることと重なる部分もあり、キャラクターの感情を理解しやすいという面もあったりするのではないか、と。
田中:それはあると思います。春夏秋冬それぞれの組がある中で、例えば舞台に立つのが怖いとか、どう演じたらいいんだろうとか、キャラクターの誰かが抱えている悩みって、演じるキャスト側もおそらく1回は経験していると思うので。同じ役者だから、自分の役の気持ちだけじゃなくて、相手の気持ちもわかるんです。それを知ってるのと知らないのとでは、きっと演技にも大きな違いがあると思うし、僕にとってこの作品は初心に戻れるものというか。

上田:たしかに!
田中:僕も出演が決まった後、SPRING & SUMMER 2018公演を観させていただいたんですけど、その時に、僕にもこんな時期があったなぁとか思い出しながら観ていて。初心に戻ってリスタートというか、今まで自分が培ってきたものも大切にしながら頑張ろうという気持ちになりました。
上田:すごくわかる。
冬組単独公演は構成を見ただけでも、なんだかすごいことになりそうな予感(田中)

――今回上演される冬組単独公演MANKAI STAGE『A3!』~WINTER 2020~はどのようなものになりそうですか?
田中:台本を読ませていただいた印象だと、大変そうだなって(笑)。構成を見ただけでも、なんだかすごいことになりそうな予感がします。
――前回公演もすごかったですけど(笑)。
田中:そうですよね(笑)。でも、もちろんそれとはまた違ったものが生まれると思いますし、新しいことにもチャレンジしていこうとする意志を感じる内容でした。それをまたみんなで作っていくんだと思ったら、ワクワクとドキドキが半分ずつ……いや、ワクワクのほうが勝ってます。きっとまた面白い稽古になるんだろうなと思って、すごく楽しみです。

上田:本当にそうだね。僕は春組単独公演と秋組単独公演にも出演させていただいたので、その大変さを間近で見て知っているというか。組によってキャラクターの悩みも全然違うし、どの組も決して楽なものではなくて。その中で、春組、夏組、秋組が積み重ねてきたものを、僕たち冬組が受け取るっていう。今年1月に上演した秋組単独公演では、冬組からの出演が僕1人だけだったんですけど、“バトン”を渡す空気がすごかったんですよ。
田中:頼むぞ! っていう感じね(笑)。
上田:そうそう(笑)。その中で冬組単独公演をやるってことは、春夏秋冬の4つの組がある中で、これで終わりだねって納得されちゃうのは違うと思うんですよ。
――それこそ、バトンを繋いでいかなきゃいけないですよね。
上田:そうなんです。実際、9月にはMANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2020~も開催されますし、そこに繋げるためには僕たち冬組がしっかりやらなきゃいけないと思って。そこは台本を読んだ時も改めて感じましたね。
田中:とにかくやるしかないですね。
上田:うん。進むしかない!

冬組のキャストは思っていることを包み隠さず言い合える仲間(上田)
――実際の稽古の時も、舞台で上演されるような時にぶつかり合い、そこからさらに絆が深まり……といった感じなんですか?
上田:冬組は年齢が高めということもあって、さすがにそこまでではないかな(笑)。
田中:ぶつかり合うことは……。
上田:まずないですね。
田中:円満です(笑)。
上田:でも、個人的にすごく冬組のキャラクターたちと似ているなと思うのは、感情的になって物を言うことはほとんどなくて、だいたいみんな、ちょっと落ち着いてから真面目な話をしたりするよね?
田中:そういうところはありますね。


上田:だからと言ってオブラートに包む感じでもなく、思っていることを包み隠さず言い合えるというか。昨年の公演の段階でそれができているから、今回はより裸の付き合いみたいな感じでできると思います。
田中:わかります。そういう感じしますよね。
――そういう意味では、今回の冬組単独公演は前回以上にパワーアップしたお芝居が期待できそうですね。
田中:そうですね。できるんじゃないかと……。
上田:(田中の発言を遮って)はい!
田中:(笑)。でも、そうですね。できるんじゃないかとじゃなくて、できます!
上田:東さんの隠されていた過去も今回新たに明かされるので、そのあたりも楽しみにしていてもらえればなって思います。

公演情報
MANKAI STAGE『A3!』~WINTER 2020~
2020年4月24日(金)~5月10日(日)天王洲・銀河劇場
2020年5月14日(木)~5月24日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe
2020年5月28日(木)~5月31日(日)レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
2020年6月4日(木)~6月14日(日)品川プリンスホール ステラボール
原作:イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』
演出:松崎史也
脚本:亀田真二郎
音楽:Yu(vague)
振付:梅棒
出演:
【冬組】
月岡 紬:荒牧慶彦
高遠 丞:北園 涼
御影 密:植田圭輔
有栖川 誉:田中涼星
雪白 東:上田堪大
【春組】
皆木 綴:前川優希
シトロン:古谷大和
【夏組】
三好一成:赤澤 燈
【秋組】
伏見 臣:稲垣成弥
松川伊助:田口 涼
【関連リンク】
MANKAI STAGE『A3!』オフィシャルサイト
MANKAI STAGE『A3!』オフィシャルTwitter
1994年12月24日生まれ、新潟県出身。ミュージカル「テニスの王子様」3rd Season 乾貞治(青学)役、ミュージカル『刀剣乱舞』御手杵役など、2.5次元ミュージカルを中心に様々なキャラクターを演じている。
1988年10月21日生まれ、京都府出身。2013年、「霜月の星の下~果たして龍馬は命日に暗殺されたのか~」で初舞台を踏む。以降、2.5次元舞台のほか、ミュージカルや音楽劇、映画、テレビにも多数出演している。
1st写真集「堪大」 、1stシングル「イロドリ/記憶の中で」が発売中。