
キスマイ宮田俊哉はオタク系アイドル
10月14日からdTVで独占配信されているオリジナルドラマ『BE LOVE』が話題を集めている。出演はKis-My-Ft2の玉森裕太と宮田俊哉。2人のユニット曲である「BE LOVE」「星に願いを」「運命」を基にした愛の物語だ。「BE LOVE」の歌詞の一節には、<なるべくゆっくり歩いていこう 君と ずっと>とあり、愛し合うカップルの日常を舞台に描かれていくのだが、衝撃の展開が待っている……。
今回は、Kis-My-Ft2のメンバー、宮田俊哉(みやたとしや)にフォーカスしてみたい。
焦り、もがいたジャニーズJr.時代
1988年9月14日生まれ。先月、32歳の誕生日を迎えた。『裸の時代』(集英社)では、幼少期について、運動神経なし、夢も特技も趣味もない、成績はオール3の小学生時代だったと告白している。
2001年にジャニーズ事務所に入所。母親の勧めでオーディションを受けたその日にスタジオで撮影。同期には横尾渉、二階堂高嗣がいた。バク転ができずに頑張ってみたが骨折……。ダンスレッスンでは怒られてばかりの日々。次第に「怒られないこと」だけに注力するようになったという。
ジャニーズと聞けば運動神経抜群な人ばかりが集まるように思えるが、ジャニーズJr.の中で劣等感を感じ、焦り、もがいていた時代を赤裸々に語っていた。奇しくも宮田と玉森はひたすら怒られ続けていたというから、今回の2人揃ってのドラマ出演には感慨深いものがある。
ジャニーズ史上初の「オタ芸」を導入した立役者
いくつかのJr.内のユニットを経て、2005年に結成されたKis-My-Ft2のメンバーに抜擢。しかし、玉森、藤ヶ谷太輔、北山宏光の3人にフォーカスがあてられ、次第にグループ内格差が生まれていった。気づけば崖っぷち……。ここで宮田は、怒られないように動くよりも、挑戦する側へと舵を切った。グループのファーストコンサートで、「キモい男子は美しい」というTシャツを着用し、“宮ゲー”というヲタ芸で勝負に出た。これは、コンサートの打ち合わせでオタ芸を反対されたときに出た言葉。オタク系アイドルの爆誕である。
2011年8月にグループがCDデビューを果たし、コンサートではオタ芸に、グループ内ユニット舞祭組の結成、そして今回のドラマのテーマとなった玉森とのユニット曲と新たな展開をみせている。
「ジャンプ読まないんだったら日本から出てけよ!!」――2013年8月、当時放送されていた三世代比較TV『ジェネレーション天国 2時間スペシャル』(フジテレビ系)にゲスト出演し、アニメオタクっぷりを世間に知らしめた。トークの流れの中で、立ち上がった宮田は「ジャンプ読まないんだったら日本から出てけよ!!」と声を荒げ、熱いアニメ愛でスタジオに笑いをもたらしていた。
その後も2017年には『アメトーーク!』(テレビ朝日系)アニメソングに、『HUNTER×HUNTER』特集回に出演など、アニメに関する仕事には枚挙にいとまがない。
さらに、2016年6月発売のキスマイ5thアルバム『I SCREAM』では、宮田のソロ曲として「ヲタクだったってIt's Alright!」を収録。作詞・作曲は前山田健一と“ガチ”なオタクソングを持っている。

また、2019年4月からは、初のソロレギュラーラジオ番組『燃(萌)えよ!ラジオ』(FMヨコハマ/Tresen内)がスタートしている。
『HUNTER×HUNTER』の登場人物であるクラピカのファンで、子どもの頃は鎖を見つけると腕に巻いていたことなど、“ヲタクあるある”をさらっと披露。宮田が紹介したアニメを観たというお便りが届けば、「ありがとうございます」と宮田が作者さながらにお礼を伝えたこともあった。ラジオパーソナリティが率先してオタクっぷりを発揮して、突っ走る姿は清々しいほどだ。
好きなものは好き。推しを全力で愛し、推しへの愛を叫ぶ。オタクでいいのだ、胸を張っていいのだと背中を押された。まさに「ヲタクだったってIt's Alright!」だ。
宮田は、いじめに遭った過去、劣等生だったJr.時代を明かし、いつも経験を踏まえた言葉で語ってくれる。悔しい思い、苦労、崖っぷちに立たされた経験があるからこそ、言葉に説得力がある。
いじられがちで、陽気なお笑いキャラの宮田だが、「BE LOVE」で見せる顔は美しい。玉森とのイチャイチャ、じゃれ合ってキス寸前まで顔を近づけたり、彼を想ってあれこれ尽くしたり……。「星に願いを」の歌詞と重ねると、愛する彼との時間を心底楽しむ宮田の笑顔が余計に切なくなる。
宮田のラジオでは「オタクだって普通の人」の謳い文句でお便りを募集しているが、普通の人でありオタクではあるが、宮田はやっぱりジャニーズのアイドルだ。
(柚月裕実)
※次回は、『BE LOVE』を宮田と一緒に観たという横尾渉のレビューをお届けします
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