柚月裕実の「Weekly“J”」#1<11月8日〜14日>
アイドルファン歴25年超のアイドルウォッチャーの筆者が一週間の出来事からトピックを紹介しようというこのコーナー。今回は11月8日からの一週間をウォッチします。【前回レビュー】柚月裕実の「Weekly“J”」 V6・嵐ライブ/森且行選手SG優勝に並んだSMAPの言葉に涙の一週間
今回、注目したのは、SixTONESの3rdシングル『NEW ERA』のカップリング曲。
『NEW ERA』のカップリングに注目
表題曲「NEW ERA」はテレビアニメ『半妖の夜叉姫』(読売テレビ・日本テレビ系)のオープニングテーマに起用されている。今週はSixTONESウィークといわんばかりに、月曜『CDTV ライブ! ライブ!』(TBSテレビ)に続き、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)で生歌唱を披露してきた。まるで狼煙をあげるかのごとくジェシーの雄叫びでスタートする「NEW ERA」。続いて5人が立ち上がり、京本大我が先陣を切るようにして歌い進める。タイトルのごとく、「NEW ERA」の世界へと引き込まれた。表題曲だけに、クオリティの高さ、確立された世界観、生歌唱ならではのライブ感に唸った。
このシングル『NEW ERA』の魅力はすでに世間に披露された「NEW ERA」で証明されたが、CDを購入してこそ聴けるカップリング曲も含めた“6つの音”で、音楽を軸に勝負していく姿勢を感じた。
「Life in color」
初回盤に収録されている「Life in color」。SixTONESとしては珍しい爽やかなポップサウンドにのせて。これまでリリースしてきた3枚のタイトルチューンからは想像がつかないチョイス。これから二人で歩んでいこうと、優しく包み込んでくれるような歌詞が並ぶ。
<ぎゅっと握り返す your hand>から高地優吾のパートだが、笑顔で歌う姿が目に浮かぶ。<僕が君の傘になるから>と、優しくも頼もしい一節もあり、この先も手をつなぎながら、歩んでいく未来を描く、ピースフルなラブソング。「NEW ERA」の作詞、作曲・編曲を手掛けたNaoki Itai氏がアディショナルアレンジを担当している。
「So Addicted」
期間限定盤に収録の「So Addicted」。作詞・作曲・編曲にTSUGUMI / TOMOKO IDA、ラップ詞はJuri Tanakaとあるように、メンバーの田中樹がラップ詞を手掛けた。『半妖の夜叉姫』書き下ろしスリーブケースが目印。
すっと息を吸い込む田中の歌い出し。重厚な低音が鳴り響き、メンバーの声を立たせたR&Bサウンド。ため息が出るほどおしゃれだ。全編英語詞で紡がれ、<I don't know why I’m so blind yeah>とあるように、狂おしいほどの恋、内に秘めておくことができない感情がまざまざと伝わってくる。手に入れたいと、こんなにも強く想われるなんて……。
田中をメインにした歌割だが、各メンバーのパートも田中が打ち立てた雰囲気をそのままに歌い継ぐ。
「Lemonade」
通常盤には「Lemonade」(作詞:Page Grace / Dr. Loui、作曲・編曲:Chris Meyer)と「NAVIGATOR」(H ZETTRIO Crossover Rearrange) の2曲を収録。後者は、SixTONES2ndシングルの表題曲「NAVIGATOR」をピアノトリオ・H ZETTRIOがピアノジャズ調にリアレンジしたもので、YouTubeでも公開されている。
「Lemonade」も、全編英語詞で書かれ、レゲトンのリズムで進行する。タイトルと楽曲とにギャップがあるところも面白い。ラテンをベースにした楽曲は心地よく、熱を帯びた少しセクシーな雰囲気も持つラブソング。息遣いすらも甘く響くジェシーから始まり、森本の甘い歌声へと続く。
「So Addicted」「Lemonade」の2曲は特に、これまでの男性アイドルが歌う楽曲に対する印象を大きく変えたと言える。全ての楽曲にMVを作ってほしいと思ったのと同時に、『Billboard TOP40』(テレビ神奈川)で、VJの中村真理が彼らのエピソードを紹介する未来を想像した。
さて、SixTONESのメインボーカルとしては、ジェシーと京本大我の名前が挙がるが、「NEW ERA」では松村北斗のボーカルも際立っていた。誰をメインに据えても楽曲に負けることがなく、6つの音という意味も込められたグルーブ名に違わぬ歌声、一曲入魂のパフォーマンス。
語りたいことは山ほどあるが、外せないのが衣装。番組ごとに衣装を変えており、CDTVではピンクから赤へと、異なる素材の質感を利用しながらグラデーション。Mステではアーティスティックなエッセンスを取り入れ、ジェシーと松村がセットアップを分けたようなリンクコーデと、モードな雰囲気。カジュアルから、モード、フォーマルなスタイルまで自在に着こなし、衣装からも楽曲の新たな一面をみせてくれる。
改めてSixTONESの音楽に触れ、6つの音のバラエティさと奥行、表現力……強力な武器を持っていると痛感した。3rdシングルは聞けば聞くほど「NEW ERA」の意味が確かなものになっていく。
しかし、3枚目でこのクオリティ…この先一体どんな音楽を聞かせてくれるのだろうか。楽しみでならない
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013
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